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デュッセルドルフ日本映画週間

昨年初めて開催され、好評を博した「デュッセルドルフ日本映画週間」が今年も幕を開ける。ドイツ人が好むサムライ映画をはじめ、黒澤明作品や北野武監督作品、そして家族みんなで愉しめるコメディなど全7作品が一挙公開。しかも入場無料で観られるのだから、久しく日本映画から遠ざかっている人、たまには大スクリーンのオリジナル音声で日本映画に興じたい人には嬉しい7日間だ。

ポスター

会場となるのは、ライン川のほとりに建つ「映画博物館」。われわれにとっては、ちょっと懐かしい香りのする作品にも再会できるから、「あの時はこうだったなぁ」なんて思い出に浸ってしまうかもしれない。

上映される映画はもちろん、すべてドイツ語の字幕付きなので、ドイツ人の知人を誘って日本映画のみならず日本文化、さらには“現代の日本”を視覚で感じてもらえる格好の機会となるだろう。家のテレビでくつろぎながらDVDを観るのもいいが、大画面と迫力ある音響の下で心の底から笑ったり泣いたり、忘れていたそんな瞬間を思い出してみたい。

スケジュール
1月20日(日)
上映前 丸尾眞・在デュッセルドルフ日本国総領事とマティアス・クノップ映画博物館館長のあいさつ
15:00 オープニング作品 Unser Haus ① [2001/115分]
「みんなのいえ」
17:30 Die Regenwand weicht ② [2000/91分]
「雨あがる」
1月21日(月)
17:00 Die goldenen Tage des Films ③ [1986/117分]
「キネマの天地」
19:30 Die goldenen Tage des Films ③ [1986/117分]
「キネマの天地」
1月22日(火)
17:00 Die Ahnung Suzakus ④ [1997/95分]
「萌の朱雀」
19:30 Kids Return ⑤ [1996/108分]
「キッズ・リターン」
1月23日(水)
17:00 Unser Haus ① [2001/115分]
「みんなのいえ」
19:30 Die Ahnung Suzakus ④ [1997/95分]
「萌の朱雀」
1月24日(木)
15:00 <学生、子どものための上映>
Unser Haus ① [2001/115分]
「みんなのいえ」
21:30 Hana-Bi ⑥ [1997/103分/16歳以上]
「Hana-Bi」
1月25日(金)
22:00 Hana-Bi ⑥ [1997/103分/16歳以上]
「Hana-Bi」
1月26日(土)
15:00 Das Familiengeheimnis ⑦ [1992/100分]
「ひき逃げファミリー」
17:30 Die Regenwand weicht ② [2000/91分]
「雨あがる」
19:30 Die Regenwand weicht ② [2000/91分]
「雨あがる」
21:30 Kids Return ⑤ [1996/108分]
「キッズ・リターン」
コメディ
1「みんなのいえ」
みんなのいえ 監督・脚本:三谷幸喜
出演:唐沢寿明、田中邦衛、田中直樹(ココリコ)、八木亜希子ほか
配給:東宝
三谷幸喜の監督2作目は、「家を建てる」際に起こる騒動を題材にしたホームコメディ。日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞したお笑いコンビ・ココリコの田中直樹と元女子アナ・八木亜希子の演技が話題となった。脚本家の飯島と妻の民子はセンスのいい新居を夢見て、設計を新進気鋭のインテリアデザイナー柳沢に依頼した。海外建築に精通している柳沢だが、家の設計は初めてで現場経験もない。一方、施工する棟梁の長一郎は現場経験は豊富で仕事も丁寧。しかし柳沢が指示するカタカナ用語がまったく理解できず、対立が始まって……。
1月20日(日)15:00 / 1月23日(水)17:00 / 1月24日(木)15:00
時代劇
1「雨あがる」
雨あがる 監督:小泉堯史 脚本:黒澤明
出演:寺尾聡、宮崎美子、三船史郎、壇ふみ、仲代達矢ほか
配給:東宝、アスミック・エースエンタテインメント
ラストシーンを残し書き上げていた故・黒澤明監督の遺稿脚本を映画化。28年間黒澤監督に師事した助監督の小泉堯史が、監督のノートを参考に完成させた。映画化された「椿三十郎」「赤ひげ」などと同じく、原作は山本周五郎の同名小説で、質実簡素の享保の時代に生きた夫婦の物語である。剣の達人だが不器用で仕官できない浪人・伊兵衛と妻たよは、旅の途中で豪雨に遭い、ある宿場町の安宿に足止めされた。雨が上がったとき、侍の果たし合いを偶然止めたことが縁となり、藩主から剣術指南番の話が来る。
1月20日(日)17:30 / 1月26日(土)17:30 / 19:30
ヒューマンドラマ
1「キネマの天地」
キネマの天地 監督:山田洋次
脚本:井上ひさし、山田太一、山田洋次、浅間義隆
出演:有森也実、渥美清、中井貴一、すまけい、倍賞千恵子ほか
配給:松竹
祝! 山田洋次監督の新作がベルリン国際映画祭にノミネート
松竹の大船撮影所50周年記念として制作された作品。大船に移転する前の蒲田撮影所が舞台で、昭和初期の映画黄金期をモデルにしている。主演の有森也実は、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。浅草の活動小屋で売り子をしている小春は、ある日、監督の目に留まり、蒲田撮影所の大部屋女優となる。エキストラとして出演するようになったが、何もかもが初めての小春は監督から怒鳴られ、挫折して家へ帰ってしまう。助監督・島田の迎えで撮影所へ戻り、翌年、大作の主役に抜擢されることになったのだが……。
1月21日(月)17:00 / 19:30
ヒューマンドラマ
4「萌の朱雀」
萌の朱雀 監督・脚本:河瀬直美
出演:國村隼、尾野真千子、泉由紀子、柴田浩太郎、神村泰代ほか
配給:ビターズ・エンド
1997年のカンヌ国際映画祭で、日本映画として初めて新人監督賞(カメラ・ドール)を史上最年少で受賞した、河瀬直美監督の劇場用デビュー作。林業低迷に悩む奈良県吉野を舞台に、家族の日常を淡々と描いた。映像の美しさは一見の価値あり。昨年の同映画祭でも新作「殯の森」でグランプリを受賞した、いま旬な監督である。とある過疎の村。鉄道を通すという計画に夢を描いている孝三は、トンネル開通工事に精を出していた。15年後、工事の中止が決定され、心に大きな隙間を抱えた彼は、家族を残し失踪してしまう。
1月22日(火)17:00 / 1月23日(水)19:30
青春ドラマ
5「キッズ・リターン」
キッズ・リターン 監督・脚本:北野武
出演:金子賢、安藤政信、森本レオ、石橋凌、山谷初男ほか
配給:オフィス北野、ユーロスペース
北野武監督の第6作目。本作で各映画賞の新人賞を総なめにした主演・安藤政信の出世作でもある。落ちこぼれ高校生コンビの挑戦と挫折、大人への階段を上っていく過程を描く。高校生のマサルとシンジは、受験モードの同級生を尻目に、カツアゲやイタズラばかりしていた。ある日ボクサーから仕返しされたマサルはシンジを誘ってボクシングを始めるが、才能があったのはシンジのほうだった。卒業後、シンジはプロボクサーとなり、マサルは極道の道を歩むことに。しかし大人の世界は過酷なものだった。
1月22日(火)19:30 / 1月26日(土)21:30
ヒューマンドラマ [16歳以上]
6「Hana-Bi」
Hana-Bi 監督・脚本:北野武
出演:ビートたけし、岸本加世子、大杉漣、寺島進ほか
配給:日本ヘラルド映画
日本映画としては40年ぶりに、第54回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。これをきっかけに、北野作品が専門家だけでなく一般にも知られるようになった。ヨーロッパ映画賞インターナショナル映画賞やブルーリボン賞など、国内外で数々の賞を獲得した話題作。数カ月前に幼い子どもを亡くし、妻も不治の病であることを知る刑事・西。張り込みを同僚・堀部に任せて妻の病院に来たのだが、そこへ堀部が犯人から狙撃されたとの知らせが。さらには部下も犠牲となって……。生と死を目の当たりにした刑事の生き様を描く。
1月24日(木)21:30 / 1月25日(金)22:00
コメディ
7「ひき逃げファミリー」
ひき逃げファミリー 監督:水谷俊之
脚本:砂本量、水谷俊之
出演:長塚京三、中尾ミエ、ちはる、大杉漣、仲谷昇ほか
配給:アルゴプロジェクト
ピンク映画の鬼才・水谷俊之が初めて一般向け劇場映画として撮った作品。個性豊かなキャストたちが織り成す笑いあり涙ありのブラックコメディで、最後まで飽きさせない。ある夜、ゴルフの帰りに若い女性を轢いてしまった会社員・元村。パニックになってそのまま逃げてしまった彼は自首しようとするが、妻の葉子は反対、証拠隠滅を図ろうとクルマをバラバラに解体し始める。その姿に心打たれ、家庭崩壊寸前だった家族はみんなで協力するようになる。
1月26日(土)15:00
インフォメーション
〈チケット〉
入場無料(各上映時間の30分前から受付にて 整理券を配布。整理券の予約は不可。全135席)
※混雑が予想されるので、早めの来場がおススメ。
Filmmuseum〈会場案内〉
映画博物館内の映画館
「BLACK BOX」
Filmmuseum Landeshauptstadt Düsseldorf
住所 Schulstr. 4, 40213 Düsseldorf 【MAP】
TEL 0211-8992490
最寄り駅 Uバーン「Heinrich-Heine-Allee」 駅、バス&トラム703、706、712、713、 715「Benrather Straße」駅
website www.duesseldorf.de/kultur/filmmuseum

写真:©ケルン日本文化会館

 
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