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Sa. 25. Jun. 2022

旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた“旅ール(タビール)をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『Coralway』(日本トランスオーシャン機内誌)など、さまざまなメディアで執筆。
www.jbja.jp/archives/author/kogo

体と魂を楽しませるアンデックスへの旅

旅とビールを組み合わせる「旅ール」は、場所だけでなく時間も旅することができる。それを最も感じられるのは、ミュンヘン南西部のアンデックス修道院付属醸造所への旅。アンデックスの丘が巡礼地とされたのは1128年。修道院と付属醸造所の始まりは1455年で、現在も南ドイツ最大のカトリックの巡礼地だ。

ミュンヘン中央駅から「巡礼」の旅ールを始めよう。列車は森や湖が点在する南ドイツの風光明媚な景観の中を走り、最寄りのHerrsching駅までは50分ほど。そこからバスが出ているが、ハイキングで行くのもおすすめ。小さな集落や森の中を抜ける遊歩道は清々しい。1時間ほどでアンデックスの丘に到着する。

中世のベネディクト派修道院では、自給自足をしながら巡礼者をもてなすためのさまざまな施設が設けられ、一つの村のような機能があった。現在も丘の上の礼拝所を頂点に、宿泊施設やビアガーデンをはじめ、家畜小屋や精肉所、ビール醸造所、薬草園などが配され、中世から脈々と続く歴史を感じることができる。

丘の中腹にある眺めの良いビアガーデンでは、出来立てのビールと自家製ソーセージやチーズなどの料理が楽しめる。古くからの巡礼者たちも同じように旅の疲れを癒したことだろう。1886年には明治時代の文豪、森鴎外もこの場所を訪れビールを飲んでいる。

アンデックスの歴史を舌でも感じるには「Doppelbock Dunkel」が適任だ。ドライフルーツのような複雑で重厚な味わいと高アルコールのほろ酔いは、体にも心にも活力を与えてくれる。ドイツの修道院では古くから「液体のパン」としてドッペルボックが滋養のために造られており、アンデックスもまた伝統的な醸造が継承されている。醸造所のロゴに刻まれた言葉は「Genuß für Leib undSeele」(体と魂の楽しみ)。ビールが心身に与えてくれる幸福感は、きっといつの時代も変わらない。

www.andechs.de

vol.66
Doppelbock Dunkel

Doppelbock Dunkel

 
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