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旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた“旅ール(タビール)をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『Coralway』(日本トランスオーシャン機内誌)など、さまざまなメディアで執筆。 www.jbja.jp/archives/author/kogo

ミュンヘンに「ホップ中毒者」続出中

バイエルン州の州都ミュンヘン。言わずと知れたビールの都だ。醸造所直営の酒場、公園内のビアガーデン、世界最大のビール祭りオクトーバーフェストなど、ビール好きなら誰もが一度は訪れたいと願う街だ。ビール原材料を定めた法律「ビール純粋令」はバイエルンが発祥であったこともあり、ミュンヘンの人たちはビールに関してはかたくなに伝統を遵守してきた。そんなミュンヘンに2011年、ビール界に風穴を開ける革命児とも言える醸造所が誕生した。「CREW Republic」である。若手ながらも注目を集める醸造所だ。

コンサートのマネージメントの仕事をしていた2人の青年マリオ・ハネル氏とティム・シュニグラ氏が、アメリカで飲んだクラフトビールに衝撃を受けたことが始まりであった。「ドイツこそビールの都だと思っていたのに、世界にはこんなユニークなビールがあるとは!」。帰国後2人は自家醸造を開始し、ドイツの醸造学校を卒業したアメリカ人とタッグを組み醸造所を立ち上げた。ユニークなラベルデザインや銘柄名からもアメリカを意識していることが分かるが、ただ模倣しているのではない。麦芽の豊かな風味と、何杯でも飲める飲みやすさはドイツらしい。ドイツビールの伝統に軸足を置きながら、さらに発展させている醸造所だ。

ビアスタイルである「IPA」とは、インディア・ぺールエールの略。昔、英国からインドに赤道を超えてビールを運搬するにあたり、アルコール度数を上げ防腐作用のあるホップを大量に投入したことが由来とも言われている。アメリカで進化し、世界中のクラフトビールファンをとりこにしているスタイルだ。アルコール度数が低いIPAは「セッションIPA」と呼ばれる。「HOP JUNKIE」はマスカットを連想させるホップの香りと苦みが軽快で、飲む手が止まらなくなる。その名の通り、もはや「中毒」だ。ミュンヘンの晴れ渡った空の下、ゴクゴクと飲みたい。

vol.20
HOP JUNKIE

HOP JUNKIE

 
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