【ブリュッセル 7月17日 時事】欧州連合(EU)欧州委員会は16日、2028~34年を対象とする次期中期予算案を提示した。規模は2兆ユーロ(約344兆円)と過去最大。産業競争力や防衛力の強化に重点配分するのが特徴だ。
予算規模はEU加盟27カ国の域内総所得の1.26%に相当し、現行の1.13%を上回る。
次期予算案では、米中両国に対抗可能な産業基盤の構築などを目指して設立する「欧州競争力基金」に4510億ユーロを充てる。このうち、防衛・宇宙分野には現行の5倍に当たる1310億ユーロを配分。また、移民管理・国境警備には3倍の340億ユーロ、ウクライナ支援にも1000億ユーロを割り当てる。
予算の大部分を占める加盟国の拠出金は現行水準を維持しつつ、電子ごみやたばこへの課税、大企業からの徴収といった新たな財源も盛り込んだ。予算案の成立には加盟国の全会一致による承認が必要で、協議次第で内容が修正される可能性もある。
フォンデアライエン欧州委員長は記者会見で「これは新しい時代のための予算だ。欧州の野心に応え、課題に立ち向かい、独立性を強化する」と語った。
18 Juli 2025 1246号
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