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NPDの違憲審査申請、政府は不参加
野党や州政府からは批判の声

連邦政府は3月20日、連邦参議院が決議していた極右政党ドイツ国家民主党(NPD)の違憲審査を連邦憲法裁判所に求める申請に参加しない方針を明らかにした。

州政府の代表からなる連邦参議院によるNPD禁止申請について、レスラー副首相(自由民主党=FDP)はこれを「尊重する」としながらも、「(極右のような)愚行は禁止するのではなく、政治的に対峙していかなければならない」と述べ、連邦政府としては禁止申請を行わない意向を明らかにした。これに対し、野党・社会民主党(SPD)からは批判が噴出。同党のオッパーマン幹事長は、「メルケル首相(キリスト教民主同盟=CDU)が本件に対する責任を州政府に負わせるというのは、耐えがたいこと」とコメント。ザクセン=アンハルト州のハーゼロフ首相(同)は「極右テロ組織NSUによる犯罪があった事実を踏まえ、これに対する明確な政治姿勢を示さなければならない」と述べ、NPD禁止申請の意義を強調した。

連邦政府の決定を受け、禁止申請の是非に対する論議が再燃。ノルトライン=ヴェストファーレン州CDUのラシェット代表は、「州政府はNPD禁止申請の実施について、もう一度熟考すべきである」として、「禁止を実現するためには、NPDが民主主義を根本から脅かす存在であるという証明が必要。それを踏まえて考えると、連邦憲法裁が違憲判断を下すかどうかは不確実」と発言。一方、ドイツ・ユダヤ人評議会は今回の連邦政府の決定に「失望している。間違った判断だ」との見解を発表した。

連邦参議院では昨年12月、連邦憲法裁に対するNPD禁止申請を決議している。しかし、10年前にも連邦政府、議会および州政府によるNPD禁止申請が行われたが、NPD上層部に捜査当局の情報提供者が多数いたことから、申請そのものが却下された経緯がある。

一方で、13年前に開始された極右組織からの脱退を促進するプログラム「エクジット」に関しては、今年の5月1日付で、連邦政府および欧州連合(EU)からの支援期限が終了する。これまで年間合計16万5000ユーロの助成金を得ていた同プログラムを存続させるかについて、政府は連邦労働省を交えて議論する予定。

 
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