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NSU事件の実行犯がVマンの会社に勤務

(デュッセルドルフ 4月15日)2000~06年にかけての外国系市民の連続殺人事件。その実行犯の一人と見られる極右過激派グループNSUのウーヴェ・ムントロース(2011年死亡)が、一連の犯行初期にVマン(連邦憲法擁護庁に内部情報を提供する極右グループ関係者)の一人が経営する会社に勤務していたことが明らかになった。

公共放送ARDのドキュメンタリー番組「Der NSU-Komplex」の調査によると、ムントロースはマックス=フローリアン・ブルクハルトの名前で2000~02年にかけてマーシュナー建設サービス社に勤務。同社の経営者、ラルフ・マーシュナーはネオナチで、同時期に「プリムス」というコードネームで連邦憲法擁護庁にVマンとして情報提供を行っていた。マーシュナー社がニュルンベルクとミュンヘンの建設工事を請け負っていた時期に、NSUによる連続殺人事件の最初の犯行がニュルンベルクとミュンヘンで起きている。また時を同じくして、マーシュナー社は、同社名義で複数のレンタカーを長期間使用しており、これが犯行に使われたのではないかとの見方もあるが、確証は得られていない。また、連邦憲法擁護庁に情報提供を行っていたマーシュナーが、ムントロースが自社で勤務していた事実を当局に報告済みであるかどうかも明らかにはなっていない。マーシュナーは2002年以降、連邦憲法擁護庁への情報提供は行っておらず、2007年以降は国外に潜伏していることが突き止められている。

今回の報道に対して連邦憲法擁護庁のマーセン長官は、「当時、そのような事実があったのか、まだ事実関係を確認できていない」とコメント。しかし、警察当局、政治家、そして事件の関係者の間には衝撃が広がっており、NSU事件の犠牲者遺族は、「国家によって雇われていた情報提供者が、殺人事件に関与していたという事実は耐え難い」とコメントしている。

同事件の実行犯と見られるムントロースは、共犯者のウーヴェ・ベーンハルトとともに、事件発覚直前の2011年、自殺とみられる状況で死亡している。現在、唯一生存中の共犯者ベアーテ・チェーペ被告の裁判が行われているが、彼女は自身の殺害への参加容疑を否認している。
 
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