ジャパンダイジェスト

試験管で菩提樹を生育

メクレンブルク=フォアポンメルン州にある築約280年のバロック様式のボトメール城。その庭園に、造園学的に唯一無二の存在と評される菩提樹の並木道がある。道の両脇の樹冠が270メートルにもおよぶ花づなを形作る風景は、世代を超えて人々を魅了してきた。だが、今や樹齢が進み、若木を植えなければ並木道は消えてしまうという危機的状況だ。そこで立ち上がったのが、ベルリン・フンボルト大学の遺伝子研究チーム。並木道の菩提樹の葉芽の細胞を試験管に入れ、栄養液を入れて培養を試みたのだ。ただ、菩提樹は根付くことが非常に困難な植物で、2011年の実験開始当初に用意された約1000個の細胞のうち、培養に成功したのはわずか約80個。今は80cm程にまで成長し、上手くいけば10年後には並木道に移植できるそうだ。
 
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