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ドイツのDIY精神を体験!市民学校の工房開放日

僕がドイツに来て驚いたことの一つは、なんでも自分で作る人たちに出会ったことでした。自分で家をリノベーションしたり、オリジナルのビールを作っていたり。車、自転車、家電の修理もとりあえずやってみて、手に負えない作業を業者に任せるといったような姿勢です。そのため、家庭に作業場や修理道具がそろっているという人も少なくありません。また幼稚園で、電動ドリルでコルクに穴を開ける園児を見たときは大変驚きました(もちろん大人がそばについていますが)。今回は、そうしたドイツのDIY精神を感じられるイベント「Tag der Offenen Werkstatt」(工房開放日)を紹介したいと思います。

ライトペインティングを撮影中ライトペインティングを撮影中

4月に催されたこのイベントは、ブラウンシュヴァイクのVHS(市民学校)が運営する職業訓練校(VHSArbeit und Beruf)が企画したもの。校内にある各種工房(金属、木工、裁縫、クリエイティブ、自転車、メディア)を市民に開放し、200名以上の人々が参加しました。ちなみに僕の勤め先でもあるのですが、これらの工房は普段、職業訓練の場として活用されています。例えば、将来メディア関係の職業に就きたいと希望する人が、メディア工房に来て写真の撮り方や、デザイン、映像編集などを学ぶことができます。

工房開放日のイベントのチラシ工房開放日のイベントのチラシ

イベント当日は、各工房でさまざまなワークショップを提供し、訪れた人たちは実際にものづくりを体験しました。例えば、裁縫工房ではミシンを使って刺しゅうしたり、クリエイティブ工房では色を使って遊んだり、木工工房では動物の置物を作ったり。専門家と一緒に道具の正しい使い方を学び、自分の手で作業することを大切にしています。

僕が担当したメディア工房では、ライトペインティングに挑戦。真っ暗な部屋でペンライトを持った子どもが動き回ると、その軌跡が写真に残ります。出来上がった写真を確認して、「なぜこんな風に映ったのか」「次はどうしたいか」とアイデアを出し合います。それを実現するために、子どもたちと一緒に考えていく過程が楽しかったです。

ライトペインティングの写真が完成!ライトペインティングの写真が完成!

工房開放日には、小さな子どもを連れた家族も多く見かけました。共同作業を通じて家族が交流している姿はほほ笑ましかったです。かくいう僕は、実はあまり手仕事が得意ではありません。振り返ってみれば、家で日曜大工の作業に参加することや、学校で技術を習得する機会はそれほどなかったように思います。今になってミシンの使い方を覚えたり、自動車のタイヤを交換したり、暖炉にくべる木を切断したりする時間が新鮮です。これからも工房での経験を通じて、自分が覚えた手仕事を次の世代にも伝えていきたいです。

国本 隆史(くにもと・たかし)
神戸のコミュニティメディアで働いた後、2012年ドイツへ移住。現在ブラウンシュバイクで、ドキュメンタリーを中心に映像制作。作品に「ヒバクシャとボクの旅」「なぜ僕がドイツ語を学ぶのか」など。三児の父。
takashikunimoto.net
 
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