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インフルエンザ&コロナ2023年秋の動向は?

日本のニュースでは、インフルエンザによる学級閉鎖が増えていると報道されています。ドイツにおけるインフルエンザや新型コロナウイルスの感染は、今どうなっているのでしょうか?それぞれ予防接種を受けた方が良いかどうか、悩んでいます。

Point

  • 日本では9月よりインフルエンザが増加
  • ドイツでも9月から新型コロナの感染が増えている
  • 現在はオミクロン変異種XBB.1.5がほぼ100%
  • 9月よりXBB1.5に有効なコロナワクチン接種可能
  • インフルエンザと新型コロナワクチンの同日接種も可能

インフルエンザ(Influenza, Grippe)の今季の傾向

9月上旬より感染増

東京都の9月4~10日(第36週)の1週間でのインフルエンザ感染者は2481名、新型コロナウイルス感染者は6824名と報告されています(東京都感染症情報センター)。この時期のインフルエンザ感染者数としては、例年(2012~2013年3月)と比べ、かなり早い時期からの感染者増加です。

日本ではすでに学級閉鎖も

特に小学校での集団感染が目立っていて、第36週の1週間にインフルエンザの症状で学級・学年閉鎖や休校となったのは、全国で計793施設にも及んでいます(9月15日の厚労省発表)。

ドイツの現状

今秋に入りインフルエンザ感染者は増えているものの、第36週時点では日本と比べればまだ低い水準です(9月12日のロベルト・コッホ研究所[RKI]発表)。

インフルエンザ流行型

日本では今のところ、A型インフルエンザ(H1N1とH3N2)の流行がみられています。A型は例年では11月から2月ころまで、B型は3月から4月に流行します。

インフルエンザの症状

潜伏期間

多くの場合は1~4日で、感染経路はせきを介した飛沫感染です。

急な発熱、筋肉・関節痛

急激な38~39℃を超す発熱で発症、筋肉痛、頭痛、体の節々の痛み、全身倦怠、目の充血が主な症状です。発症して2~3日ころにせき、鼻汁を伴い、人によっては腹部症状も。

新型コロナウイルスのワクチン

流行期前にワクチン接種を

インフルエンザワクチン(Grippeschutzimpfung)は感染を100%予防するものではありませんが、感染後の発症の可能性を減らし(相対的に60%減少、平成11年度の厚労省研究費研究事業)、発症した際の重症化を抑えます。

ワクチン接種の対象は?

ドイツでは60歳以上の全ての人、妊娠第2期以降の全ての妊婦(基礎疾患がある妊娠第1期の妊婦も)、基礎疾患のある人、医療スタッフ、老人ホームや養護施設の入所者やその家族にインフルエンザのワクチン接種が勧められています(RKIのワクチン接種常設委員会、STIKO)。

ワクチン製剤

4価(4種類)のウイルス株に有効な不活化ワクチンが用いられます。2~17歳の子どもでは、点鼻型の生ワクチンを用いることもできます。60歳以上の高齢者には有効性を高めた高用量ワクチンが推奨されています(RKI)。

予防効果が出始めるまで1~2週間

接種した翌日から予防効果があるわけではありません。インフルエンザに対する予防効果が十分になるために10~14日かかります。

かからないために気を付けること

インフルエンザの感染を予防するためには、外出後の手洗い、十分な休養と栄養、オフィスでの空気の換気、流行時に人混みや繁華街への外出を控える(やむを得ないときはマスクの着用)が有効です(厚労省のインフルエンザQ&Aより)。

抗インフルエンザ薬

いくつかのインフルエンザ治療薬があります。その効果は症状が出始めてからの時間や病状により異なります。ウイルス増殖期に当たる発症から48時間以内に使用すると、発熱期間は1~2日間短縮され、鼻や口からのウイルス排出量も減ります。ドイツでは、日本ほど多くは用いられていないようです(2021年のGMSI nf ect Di s誌)。

新型コロナウイルスの今季の傾向

秋から再び増加

ノルトライン=ヴェストファーレン州では、8月に入ってから新型コロナウイルスの増加がみられ、実際に感染者数も増えてきています(8月28日のRheinischePost紙)。パンデミックは終わったものの、新型コロナウイルスは消滅していません。

変化する変異株

ウイルスは常に変異していて、現在はオミクロン変異種であるXBB.1.5変異株がドイツにおける新型コロナ感染のほぼ100%を占めている状況です(9月11日のRKI の報告)。

インフルエンザの予防と治療

変異株に対するワクチン

欧州医薬品庁(EMA)の認可を受けたオミクロン変異種XBB.1.5に適合したワクチン(バイオンテック社)を、9月中旬から接種できるようになりました。接種回数は1回です。

ワクチン接種が勧められる人

変異株に対応した新しいコロナワクチンは成人の誰でも接種できますが、RKIは60歳以上の高齢者、慢性病患者、医療施設が介護施設で働く人、免疫の低下した人のほか、これらに該当する人の親族へのワクチン接種を勧めています。

妊婦や60歳未満の健康成人は?

STIKOは、18歳以上の全ての人が少なくとも3回の抗原接触(ワクチン接種、感染)によって基礎免疫を持つことを推奨しています。60歳までの健康な成人や妊婦には、それ以上のブースター(追加)接種は特に推奨されていません(RKI)。

子どもは必要?

STIKOは、健康な18歳未満の青少年は新型コロナワクチン接種の推奨対象にしていません。重症化するリスクのある基礎疾患を患う子どもや青少年のみ、年1度のブースター接種が勧められています。

インフルエンザとコロナワクチンの同時接種が可能

インフルエンザワクチンとコロナワクチンの混合ワクチンはありませんが、ドイツでは同じ日にそれぞれ接種することができます(RKI)。

風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルスの違い
風邪(感冒)* インフルエンザ 新型
コロナウイルス**
症状 のどの痛み、鼻汁、せき 高熱、筋肉痛、頭痛、関節痛 嗅覚、味覚障害、呼吸器症状、無症状のことも
症状の
現れ方
ゆっくり 急激 急な悪化もあり
発熱 微熱が多い 高熱 (数日続く)
* 季節性のコロナウイルス感染は冬風邪の原因の一つです
** 初期症状はインフルエンザと似ていることも
 
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馬場恒春 内科医師、医学博士、元福島医大助教授。 ザビーネ夫人がノイゲバウア馬場内科クリニックを開設 (Oststraße 51, Tel. 0211-383756)、著者は同分院 (Prinzenallee 19) で診療。

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