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2026年1月に新しい兵役制度がスタートドイツの軍事力強化
なぜ今必要なのか?

今年1月から新たな兵役制度が施行され、18歳の男性は兵役に関するアンケートに答えなければならなくなった。また、4月に連立政権が新たに策定した軍事戦略文書では「欧州最強の通常軍」を目指すことが明記され、ドイツでは着々と軍事力の強化が進んでいる。そんな状況を受けて、このままドイツも戦争に向かってしまうのではないか?と不安に思う人も少なくないだろう。そもそも今なぜ軍事力が必要なのか、新しい兵役制度はうまくいくのか。本特集ではそれらの問いに答えるべく、ドイツの安全保障問題について解説する。 (文:ドイツニュースダイジェスト編集部)

参考:ドイツ連邦軍ホームページ、連邦国防省ホームページ

ベルリンの連邦国防省で開かれた式典3月16日、ベルリンの連邦国防省で開かれた式典に参加する兵士たち

知っておきたいドイツ連邦軍の歴史

1. 主権回復のための再軍備

第二次世界大戦後、ドイツは連合軍に占領され、非武装化が進められた。その後、1949年にドイツ連邦共和国(西ドイツ)が建国されると、東西冷戦を背景に再軍備の議論がなされるように。当時のコンラート・アデナウアー首相(キリスト教民主同盟・CDU)は、西ドイツが西側同盟の一員となるため、欧州連合の前身となる欧州石炭鉄鋼共同体への加入し、北大西洋条約機構(NATO)への軍事参加を目指した。「防衛貢献」することで、西ドイツの主権を回復させようとしたのだ。1955年に西ドイツがNATOに加盟すると、同年11月12日に軍隊を創設。そして翌年3月、ナチス政権時の「国防軍」(Wehrmacht)と区別するため、「連邦軍」(Bundeswehr)という名が与えられた。

西ドイツの軍隊(のちの連邦軍)を視察するアデナウアー首相(中央左から3番目)1956年1月20日、まだ名前のついてなかった西ドイツの軍隊(のちの連邦軍)を視察するアデナウアー首相(中央左から3番目)

2. 過去の反省から「制服を着た市民」

過去の大戦では、兵士の盲目的な服従が国防軍の戦争犯罪の一因となったことから、連邦軍の兵士は「制服を着た市民」と表現され、基本法の価値に従って自ら行動することが求められた。当初の目標だった現役兵50万人の軍備を達成するには、志願兵だけでは不十分だったため、1956年には徴兵制の導入が決定する。1957年4月1日から18歳以上の男性は、基本法で保障されている「良心の自由に基づく兵役拒否権」を行使しない限り、連邦軍に従事することが義務付けられた。良心的兵役拒否者は、兵役に就く代わりに介護施設などの社会福祉施設で民間奉仕活動を行った。最初の10年間は、兵役を拒否する人の人数は年平均3000人だったが、学生運動とベトナム戦争によって反戦意識が高まり、1967年には6000人、1968年には1万2000人近くになったという。

3. 冷戦後の海外派遣という新たな課題

ドイツの再統一とソ連崩壊に伴い、東ドイツの国家人民軍(NVA)は解体されて西ドイツの連邦軍が引き継いだ。冷戦期の西ドイツは欧州の最前線だったため、それを守ることが連邦軍の仕事だったが、1991年の湾岸戦争、ユーゴスラヴィア紛争で海外派遣をどうするかという問題に直面。その後、1994年に憲法裁判所で連邦軍の海外派遣は合憲との判決が出た。ただし、ナチス時代の反省から、派遣期間や任務内容などを含め、連邦軍の海外派遣には議会の同意を得ることが条件となった。米英仏などでは必ずしも議会の権限は大きくないが、ドイツでは首相の一存ではなく、議会に非常に大きな権限を与えていることが特徴である。なお今年4月、メルツ首相が連邦海軍のホルムズ海峡への派遣を提案したが、ピストリウス国防相は停戦が重要な前提条件であることを強調しており、議会で承認を得る段階には至っていない。

戦後のドイツが目指してきた民主主義のための軍事力とは?

2022年2月に始まったウクライナ戦争を機に、ドイツは軍事力の増強に大きく舵を切った。その増強の中身とはどのようなものなのか、欧州においてドイツに求められている役割とは何か、政策研究大学院大学教授で、ドイツの安全保障問題について詳しい岩間陽子さんにお話を伺った。

岩間陽子さん 岩間陽子さん
Yoko Iwamai
1964年神戸市生まれ。政策研究大学院大学教授。ベルリン留学中にベルリンの壁崩壊を経験したことをきっかけに、国際政治、欧州安全保障を自身の専門分野とする。BS-TBS「関口宏の一番新しい近現代史」に出演中。毎日新聞書評欄「今週の本棚」執筆者。著書に『核の一九六八年体制と西ドイツ』(有斐閣)など。

ロシアの脅威の再来とやせ細ったドイツ連邦軍

― まず、ドイツが今これほど軍事力の強化に動いている背景を教えてください。

軍事力強化の原因は、やはりロシアの脅威の再来です。この時代に軍事力で領土を取りにこようとする国があるという現実のなかで、欧州はまずウクライナを助けなければならないですし、その後も自分たちを自分たち自身で守れるようになる必要が出てきました。

冷戦期はものすごい数の核兵器が欧州にあることによって、戦争を抑止していました。しかし、これは自殺を盾にして守っているような状況で、精神的にはあまり健全ではありませんでした。やっと冷戦が終わって核兵器を減らすことができましたが、今再び軍事的脅威が目の前に広がり、核兵器の議論が活発化してきています。ドイツでは特に核への依存を避けたい人が多いと思いますが、核に頼らないのであれば、人員増強をはじめ、装備品や基地の運用、戦闘機の購入など、通常軍備を分厚くしなければなりません。

― メルケル政権の時代にも問題は指摘されていたのに、なぜ長年にわたって軍拡が進まなかったのでしょうか

1990~2025年までの連邦軍兵士の数

メルケル政権期には第一次トランプ政権も重なり、特に2014年のロシアのクリミア併合以降に「欧州がちゃんとしなきゃいけない」という話はすでに出ていました。しかし結局は軍事費の増額にはつながらず、すでに徴兵制が停止されて10年がたつ2020年代初頭には、連邦軍が非常にやせ細り、装備品も状態が悪いという状況に。さらにドイツでは財政均衡主義が強くなって、赤字を一定程度以上出してはいけないということが基本法に盛り込まれ、政権の手足を縛る形になっていました。そして、昨年3月になってやっと基本法を改正し、防衛支出のうち国内総生産(GDP)の1%を超える部分を無制限に国債でまかなうことが可能になりました。これまで連邦軍へ投資がされてこなかった反動で、今ものすごいお金をつぎ込まなければならない状況になってしまっています。

― お隣のポーランドはすでにGDPの5%近くを防衛費に充てているそうですね。ドイツとの温度差の違いを感じますが、いかがでしょうか?

経済が好調というのもあると思いますが、ポーランドでは国民のコンセンサスがすごい。もう二度とロシアに蹂躙されたくないという強い気持ちが、ポーランド人と話していると伝わってきます。一方、ドイツ人にはそういった気持ちがなく、むしろプーチンと和解して手を打ったらどうだといった考えの人もいるように感じます。ドイツはなんだかんだいって欧州で一番大きい経済国で、地政学的にもど真ん中で物流の中心にある。トランプ政権が欧州から引いていって欧米間の気持ちが離れていっていくなかで、「ドイツが中心となって欧州の防衛を立て直さないといけない」という欧州からの期待に、ドイツは必ずしも応えられていません。

冷戦期の西ドイツにおける核共有という決断

―連邦軍の話をする上で、核兵器の問題は切り離せないと思います。そもそもなぜドイツの安全保障と核はこれほど深く結びついているのでしょうか。 

1950年代、アデナウアー首相(当時)は、米軍が核を西ドイツ領内に持ち込むことに反対しませんでした。陸続きで国境を隔ててソ連軍がいるという状況でしたし、アデナウアー首相は非常に反共主義的だったので、国を守るには最新の兵器が必要だと考えたのです。それから50年代末から60年代にかけて、核兵器を持つ国が少しずつ増えていくと、西ドイツではどうするべきかという議論が起こりました。1955年にNATOに加盟したとき、ABC兵器の所有・製造の放棄を宣言したのですが、持ち込みに関しては米軍が持ち込むことが分かっていたので、そこは制限をかけませんでした。

また、将来的に保有する可能性を残しておくか、核拡散防止条約(NPT)に加盟して核開発を放棄するかという対立があったと同時に、米国ではなくフランスの核兵器に頼るべきかという話も出てきます。この二つの議論が交錯するので、最終的にドイツ国内の若い世代やリベラルな層が、ドイツは核を持たずにやっていくという選択をしました。それが1968年の学生運動、1969年の社会民主党(SPD)のヴィリー・ブラント首相の誕生という転換点につながったのです。

政権交代後、すぐにNPTに署名して、ブラント首相は核戦争が起きない欧州にするため、緊張緩和外交をやっていくんですね。一方で核の均衡が欧州の平和を守っているという現実もあり、米国の核が必要だという考えも続いていました。そしてさまざまな妥協によって、米軍基地には核を置き、本当に戦争になったときには連邦軍もそれを使うという、NATOの核共有という形に落ち着きます。

― ドイツには現在、どのくらいの核兵器があるのでしょうか。

冷戦が終わった時点では、どんなに少なく見積もっても数千個の核兵器がドイツにはありました。一方で60年代に入ると、広島における核兵器の恐ろしさや放射能の害についても知識として広まり、ドイツでも反核運動が広がっていきました。80年代初頭に米軍の中距離ミサイル配備の際にものすごい大きな反対運動が起こり、特に若い人たちがNATOの核政策を支持しなくなっていきます。冷戦が終結すると、核兵器は「あること」自体が危険で、万が一テロリストの手に落ちたり、誰かが勝手に使おうとしたりしたらいけないということで、ドイツから急速に撤収されていきました。それでもドイツ国内の米軍基地には、今も最大で20~30発の核兵器があるといわれています。

推定される欧州の核弾頭数(2025年)

徴兵制停止で途切れた連邦軍の在り方

― ドイツでは2011年に徴兵制が停止されましたが、当時どのような議論があったのでしょうか。また、今振り返ってどう評価されますか。

停止する前、当時のロシアはすっかり弱りきっていて、欧州に脅威というものはほとんどなく、数カ月だけの徴兵はほとんど意味がないのではないかということが議論されていたんですね。一方で徴兵制を止めてしまうと、また始めるのは大変だということも言われていたのをよく覚えています。

私がドイツに滞在していた時は徴兵制はまだありましたし、今も韓国などがそうですが、駅や空港で軍服を着て重そうな荷物を背負った若者を見ることは普通の光景でした。良心的兵役拒否の人もいたけれども、みんな淡々と兵役を受け入れていたので、特に反対運動もありませんでした。必要になったらまたやればいいじゃないという感覚だったと思うのですが、今回の新しい兵役制度の状況を見ていると、現役兵士がそもそも少ないですし、若い世代から強い反発があり、やっぱり大変そうだなという印象を受けています。

兵役では、ある年齢層の男性のほとんどが1年なりを軍隊で過ごすわけで、連邦軍の上官は彼らの適性とかを見るわけですよね。この人は連邦軍に向いているな、こんな仕事に向いているなと、リクルートするチャンスがある。徴兵制がなくなることでその機会がなくなることがすごく惜しいという声も、停止するときの議論の中で聞かれましたね。

メルツ政権の目指す強いドイツは実現できるか?

― 極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)の台頭など、国内の政治状況も軍拡の行方に影響しそうですね。

AfDは、ウクライナ戦争にずっと反対してきました。その流れで、ドイツの軍備強化にも反対しています。ウクライナ戦争以降、物価がものすごく上がって、ガソリンも高騰して、インフレが再来しました。5月の日曜アンケートでもAfDが27%と、CDUの24%を抜いてトップに。9月にはザクセン=アンハルト州で州議会選挙がありますが、兵役は嫌だ、物価高は嫌だ、戦争は嫌だ、という人たちがみんなAfDに票を入れて40%の得票率を得れば、メルツ政権にとっては大打撃です。なので、必要な軍備増強がうまくできるかということに対して、黄色信号が出ているような気がしています。

新しい兵役制度については、強制的な徴兵は行わずに順調に連邦軍の人数がどこまで増えるのか。内政の争点としてもAfDが突いてくると思うので、どういう議論になっていくかは非常に注目されるところです。また、ウクライナ戦争初期には若者世代からウクライナ支援について強い支持がありましたが、最近はやはり関心が落ちてきています。若い世代がロシアや中国との安全保障をどう考えるのかは、今後の1~2年でいろいろな流れが出てくると思うので、そこは注視していきたいと思います。

支持政党ごとのウクライナ戦争への意見

―こうした現状も踏まえて、岩間さんはドイツの今後についてどのような見通しをお持ちですか。

ウクライナにとどまらず、ドイツの民主主義の行方を左右する時代に入っていると思います。生活が苦しいという面、目の前にロシア軍の強大な力があるという面と、いろいろな面が交錯していて、そのなかでどういう解決策を見出していくのか。メルツ首相は、民主主義を守るためにドイツ経済を復活させて強い連邦軍が欧州を引っ張っていくことを目指していますが、果たしてそこにたどり着けるかどうかは分かりません。

ドイツでは、自動車産業を兵器産業に転換することで何とかしようとする流れも出てきています。その背景には、ドイツ車が中国で急速に売れなくなってきて、中国の電気自動車(EV)が世界で売れる時代になってきたことがあります。ドローンをはじめ、ロボット兵のようなものも軍事で使われるようになることを考えれば、中国の技術と生産力がロシアの後ろにいることも無視できません。ロシアと中国、北朝鮮がくっついているという現実のなかで、ドイツが自分たちの価値と力をどれだけ強くできるのか。今私たちは分かれ道に来ていて、自分たちがどう変わっていくかで、世界の在り方も変わっていくのではないかと思っています。

ボリス・ピストリウス国防相ボリス・ピストリウス国防相(SPD)は、世論調査で最も人気のある政治家の座をキープしており、今後もその手腕が問われる

欧州最強の軍を目指すために新たな兵役制度にまつわるQ&A

ドイツの軍事力拡大の最初のフェーズとして、ドイツ連邦軍の人員増強が急務だ。今年から施行された新しい兵役制度では、18歳の男女を対象としたアンケートがすでに実施されている。ドイツが多額の防衛費をかけてスタートさせた新しい兵役制度は一体どのようなものなのか、Q&A方式で紹介する。

参考:ドイツ連邦軍ホームページ、連邦国防省ホームページ、tagesschau「Schulstreiks gegen Wehrdienst "Wir ziehen uns aus keiner Verantwortung"」

Q. そもそも兵士はどのくらい増やす必要がある?

軍務近代化法(Wehrdienst-Modernisierungsgesetz、WDModG)は新たな兵役制度に関する法的枠組みを定めた法律で、今年1月1日に施行された。兵役の魅力を高めることにより、連邦軍の人員増強を図る。同時に具体的な増員計画も定められており、2035年までに現役兵士を現在の約18万6000人から26万人以上に、基礎訓練を含めて軍務に就いた経験を持つ予備役兵士(Reservist)を約7万人から20万人以上、合わせて46万人以上の兵士を確保することを目標とする。

Q. 新しい兵役制度で徴兵制が復活したの?

今回の兵役制度の目的は、あくまでドイツ連邦軍が兵役に適した人材を特定し、志願者のみが兵役に就くことになるため、過去に行われていた強制的な徴兵制とは異なる。その準備段階として、今年1月から18歳になった男性はアンケート(次項)に回答することが義務づけられた。これはスウェーデンの徴兵制度を踏襲したもので、今後徴兵制が再開された時に備えて、徴兵を円滑に進めることを目的にしている。すでに今年4月29日までに約20万6000通が送付され、男性の9割以上の回答を回収しているという。さらに、2027年7月からは18歳男性に健康診断が義務付けられる。

Q. アンケートにはどのように答える?

ドイツ国籍を持つ18歳の誕生日を迎えた全ての男女に、オンラインアンケートのQRコードが記載された手紙が送付される。男性は回答必須で、女性は任意だ。質問票は12問あり、所要時間はおよそ15分、回答期限は1カ月以内となっている。また二重国籍の場合でも、ドイツ国籍を保有している場合は対象になる。トランスジェンダーなど第三の性の場合、戸籍に登録されている性別が男性の場合は回答しなければならない。なお、虚偽の申告をしたり、期限内に提出しなかったりした場合は、最高250ユーロの罰金が科されることが検討されている。

質問票の内容
  • ■ 個人情報(名前、住所、生年月日、性別、婚姻状況、国籍など)
  • ■ ドイツ連邦軍における兵役への関心
  • ■ 身長と体重
  • ■ 重度の障害の有無
  • ■ 学歴、スキル、資格
  • ■ 身体能力の自己評価;
  • ■ 外国の軍隊での兵役経験

兵役に関するアンケートが表示されているラップトップの画面を見る男性兵役に関するアンケートに回答する若者

Q. 兵役に興味がある場合はどうなる?

アンケートの回答に基づいて兵役に適していると判断された志願者に対しては、全国各地にあるキャリアセンターが窓口となり、適性検査が実施される予定。身体的、心理的、知的観点からそれぞれ適性と能力を総合的に評価され、本当に兵役に就けるのかどうかや、相応しい配属先などが検討される。志願者には検査最終日に兵役の可否と具体的な検査結果が伝えられ、今後についての最終面談が行われる。

Q. 兵役はどのように行われる?

兵役期間は6~11カ月で、臨時兵(Soldatin auf Zeit)として最長25年まで延長可能。配属先と勤務地は適性検査後に通知され、居住地からの距離、個人のスキルと資格、連邦軍のニーズが考慮される。また、職業訓練や進学等により、一定の条件のもと早期に除隊することも可能。兵役を終えると、予備役兵士として登録され、連邦軍に求人があり必要な資格を持っていれば、職業軍人に応募できる。

Q. 兵役での訓練内容は?

訓練はさまざまな武器を使用した戦闘方法、長距離移動、シェルターなしで数日間生き延びるためのサバイバルスキルなど、多岐にわたる。ほかにも応急処置、兵士としての考え方、基本法・国際法など幅広く学ぶことができる。また軍という共同体のなかで新兵同士が仲間意識を持って秩序や思いやりを学ぶ場でもあり、自身のリーダーシップの素質や厳しい訓練で自らの限界を知る機会にもなる。

Q. 兵士の給料や待遇は?

新しい兵役制度で志願した若者で、6~11カ月の場合は月額最低2600ユーロ(税込)の給与が支給される。軍が無料の医療サービスを提供するため、健康保険料の支払いは不要。連邦軍兵舎の宿泊費は原則無料で、相部屋で生活する。食堂では1日3回の食事(1日当たり約10ユーロ)が提供される。制服は全て無料で、制服着用中は勤務時間外でもドイツ国内の列車に無料で乗車できる。

Q. 志願兵だけで足りるの?

現時点では、連邦政府は志願兵のみによる兵士増強の達成を目指している。しかし今後の防衛政策や人員状況によっては、将来的に追加措置として徴兵制を導入することも検討される。現在検討されているのは、無作為に決定する抽選方式による徴兵。また徴兵制が復活した場合には良心的兵役拒否が認められるが、民間奉仕活動に従事しなければならない。

Q. 当事者である若者たちは納得しているのか?

新しい兵役制度は始まったばかりのため、現段階では若者へのアンケート調査などはまだ十分に行われていない。しかし、各地で若者による兵役反対デモがたびたび開催されており、若者の自己決定権が制限されることへの不満や、再軍備ではなく外交による戦争の解決を望む声が上がっている。家族や友人を守るという使命、魅力的な給与や待遇、キャリア支援など、連邦軍は若者たちへのアピールを続けているが、それがうまく機能するかどうかが、今後注目される。

新しい兵役制度に関する調査
  • ■ 徴兵制の再導入に賛成する人   全体 58%
      18~28歳 30%
  • ■ 兵役に就きたいと考える人   全体 23%
      18~28歳 14%
  • ■ 兵役が若者にとって有益な経験になると考える人   69歳以上 79%
      18~28歳 44%

横断幕を持って「兵役反対学校デモ」に参加する若者たち3月5日にベルリンで行われた「兵役反対学校デモ」に参加する若者たち

 
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