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Mo. 29. Nov. 2021

社会や歴史も深掘りできる!今見るべき、ドイツのテレビドラマ12選

テレビドラマは時代を映し出す鏡だといわれる。ドイツのテレビドラマは、人々の生活や文化をリアルに描くだけでなく、歴史や現代社会が抱える問題にも、時にユーモアをもって切り込んでいくのが特徴だ。そんな数々のドラマから、選りすぐりの12作品をご紹介。テレビドラマを通して、ドイツ社会や歴史についての新たな発見があるかも?(文: ドイツニュースダイジェスト編集部)

※情報は2021年11月現在のものです。

ドイツのテレビドラマ12選

犯罪ドラマ

ドイツの定番ドラマといえば、犯罪ドラマは欠かせない。いわゆる「刑事が犯人を逮捕する」という王道の流れだけでなく、社会に対する鋭い眼差しと説得力のあるストーリー展開が人気の秘訣だ。ここではドイツを代表する犯罪ドラマ2作と、ドイツジョークの効いた作品をピックアップ

ドイツが誇る犯罪ドラマの金字塔Tatort

公開年:1970年〜
各話:約90分
言語:ドイツ語
最新話は毎週日曜日20:15~放送
ARD Mediathekでも視聴可

1970年に西ドイツで制作されてから50年以上続く、刑事ドラマシリーズ。ベルリンやハンブルクをはじめ、ミュンヘン、ケルンなどを舞台に、それぞれの都市ごとに捜査チームが組まれ、毎週異なる刑事チームが事件を解決に導く。扱われるテーマは今日のドイツ社会を反映したものが多く、環境問題や難民、外国人労働者、ネオナチ、貧困などさまざま。オープニングに流れるレトロなタイトルデザインと緊迫したジャズのメロディーは、1970年当初からほぼ変わっていない。

作品をもっと知る

Tatortの魅力は何と言っても、各都市ごとに組まれる個性的な刑事チームの面々。優等生タイプはどちらかといえば少数派で、感情的になって失敗したり、プライベートで問題を抱えていたりと、人間味溢れる刑事たちがドラマの魅力を引き立てる。例えばミュンスターのTatortは、皮肉っぽい法医学者のティールと、それに振り回されるサッカー好きの刑事ボーアの絶妙なコンビネーションで人気が高い。さらにドラマに映し出される各都市の街並みや、登場人物たちが話す方言も見どころだ。

DDR時代に生まれた犯罪ドラマPolizeiruf 110

公開年:1971年〜
各話:約90分
言語:ドイツ語
ARD Mediathek、AppleTVで視聴可

Tatortが放送された1年後の1971年に、ドイツ民主共和国(DDR)で製作された犯罪ドラマ。Tatortとは対照的に、このドラマでは日常の小さな犯罪を扱い、犯人の心理を理解できるような構成になっているのが特徴だ。ベルリンの壁崩後に放送が中止されたが、東西双方で人気が高かったため、1993年に復活。最近の「Bis Mitternacht」(2021年)というエピソードでは、物語の中心となる性犯罪者と殺人事件の容疑者の動機が詳細に分析されており、内容も奥深い。

作品をもっと知る

DDR時代の社会主義体制下では、そもそも犯罪が起きないことが前提。内務省が脚本をチェックし、撮影にも立ち会っていた。そのため、加害者が犯罪を犯した理由を詳細に説明する必要があった。この物語構造こそが、後にPolizeiruf 110の強みに発展していったのだ。Tatortとの違いは、捜査員の固定チームがないことと、舞台となる地名がほとんど出てこないこと。またPolizeiruf 110では、1971年の最初のエピソードで女性捜査官が活躍するが、Tatortで女性捜査官が初登場したのは1978年。

殺人現場の清掃人による異色コメディーDer Tatortreiniger

公開年:2011〜2018年
各話:約25分
言語:ドイツ語
Netflixで視聴可

主人公のショッティは、ハンブルク周辺で清掃員として働いている。といってもただの清掃員ではなく、凶悪犯罪の現場で警察が捜査を終えてから、遺体を片付けたり血痕を掃除したりするのが専門だ。警察と関わりはないので、事件の詳細については何も知らない。しかし現場を清掃する過程で、ショッティは見ず知らずの被害者の遺族や知人に出会い、不思議な状況に陥る。その出会いから、人間の生と死をめぐる奇妙で難解な会話が展開されていくのだった。

作品をもっと知る

NDRのコメディシリーズで、放送開始当初は広告を控えていたため、一部の人にしか見られていなかった。しかし熱狂的な支持者によって徐々に広まり、評論家に高く評価されたことで、第2シーズン以降は脚光を浴びるようになった。この作品の特徴は約25分間のエピソードが室内劇のように一つの場所で展開され、毎回数人の俳優のみが登場すること。知的なユーモア、秀逸な台詞回し、そして役者の力強い演技が魅力だ。

サスペンス

ドイツのサスペンスドラマといえば、暗い、重い、難解……なのにどんどん深みにハマってしまう!ここで紹介する三つの作品もそうした特徴を持ちつつ、壮大なスケールで独自の世界観を描き出している。手に汗握る展開に、夢中になること必至。

難解すぎる展開にハマる人続出Dark

公開年:2017〜2020年
各話:45〜73分
言語:ドイツ語(日本語字幕あり)
Netflixで視聴可

舞台は田舎町ヴィンデン。原子力発電所が中心に佇むこの町で、住民たちは最近起きた子どもの失踪事件に心を痛め、また不安に包まれている。主人公のヨナスは、数カ月前に父親が自殺したことにショックを受けて学校を休んでいたが、周りにはパリに留学していることにしていた。ようやく復帰するも、夜に友人たちと一緒に森の中の洞窟へ肝試しに行った際、さらに仲間の一人が失踪。それきっかけに、この町に暮らす4家族の親子何世代にもわたる秘密が暴かれていく。

作品をもっと知る

ミステリーとタイムトラベルが組み合わさったドラマで、物語も人間関係もあまりに複雑なため、混乱しながらも深みにはまっていく視聴者が続出。登場人物が多いだけでなく、お互いに恨みを持っていたり、あるいは不倫関係にあったりとドロドロ。また2019年、1986年、1953年という主に三つの時間軸が絡み合うので、綿密に組み立てられたストーリーはもちろん、各時代のファッションや音楽なども注目すべきポイントだ。全体を通してほの暗く美しい映像と音楽が、物語の世界をより立体的に魅せる。

美しく退廃的なベルリンに酔うBabylon Berlin

公開年:2017年〜
各話:約45分
言語:ドイツ語(日本語字幕あり)
ARD Mediathek、Amazonプライム・ビデオで視聴可

ヴァイマール共和国崩壊前のベルリンに、ケルンから刑事ゲレオンがやってくる。品行方正なゲレオンだが、第一次世界大戦の退役軍人でPTSDを抱えていた。もう一人の主人公シャルロッテは貧しい家計を助けるため、昼は警察庁の記録係として、夜はナイトクラブで娼婦として働く。ある時彼女は、警察庁のトイレで発作を起こしたゲレオンを助けたことから、捜査を手伝うように。きらびやかで退廃的なベルリンを舞台に、二人は次第に巨大な陰謀に巻き込まれていく。

作品をもっと知る

ドイツのテレビドラマ史上、最大規模の製作費が投じられた超大作。情勢が不安定なヴァイマール共和国期のベルリンでは、民主主義を崩壊させようと企む「黒い国防軍」のほか、トロツキストや共産主義者、ナチ党員など、さまざまな政治的陰謀が絡み合う。さらに世界恐慌によってドイツが混乱に陥るなか、それまで注目されていなかったナチスがどのように勢力を増していくのか、その歴史的な正確さを追求する姿勢も評価されている。政治家の汚職や貧富の差、性的アイデンティティーなど、今日に通じるテーマも。

最先端科学と「倫理の境界線」Biohackers

公開年:2020年〜
各話:約45分
言語:ドイツ語(日本語字幕あり)
Netflixで視聴可

ミアが入学したのは、遺伝子研究の第一人者であるロレンツ教授がいるフライブルク大学医学部。実は彼女には秘密があった。教授がまだ医師として病院に勤務していた時に、ミアの弟のベンが遺伝子研究に利用され、死亡したのだ。ベンが亡くなった後に交通事故で両親も失ったが、それにもロレンツ教授が関与していると疑っていた。まずは教授の助手のヤスパーに接近し、助手になる。そして「ホモ・デウス」という名の計画があったことをつかみ、家族の死因へと迫っていく。

作品をもっと知る

自分の兄弟や両親に起きた悲劇の真相を探るべく、事件に関わっていると思われる教授に接近するSF&サスペンスドラマ。配信開始を予定していた2020年4月は、ちょうど新型コロナの感染拡大が始まった時期。ドラマの中でウイルス感染症のシーンがあることから視聴者の感情に配慮し、8月まで配信が延期された。今日、合成生物学は著しく進歩しているが、同時に倫理的な問題も引き起こしているため、リアリティー抜群。

歴史・文化

二度の世界大戦や、その後の東西分裂時代など、ドイツの歴史をテーマにしたドラマも人気ジャンルの一つ。ドイツが経験してきた激動の時代と、そこを全力で駆け抜けた人々の姿は、現代を生きる私たちにも勇気を与えてくれるだろう

ドイツの歴史も見える医療ドラマCharité

公開年:2017~2021年
各話:約45分
言語:ドイツ語
ARD Mediathek、Netflixで視聴可

1888年のある日、シャリテー病院にイーダ・レンツェが駆け込んできた。盲腸を患っていた彼女は一命を取り留めたものの、治療費を払えないため、そのまま看護師として勤務することになる。シャリテーには、細菌学者のロベルト・コッホをはじめ、後世に名を残した研究者らが所属し、多くの男子学生が学んでいた。イーダは自分のように貧しい人々を看病するかたわら、研究者たちに付いて働いたり、大学の講義に紛れ込んだり、自身も医師になりたいと夢見るようになる。

作品をもっと知る

ベルリンに実在するシャリテー病院はペストが流行していた1710年に創立され、その後大学病院となった。主人公イーダは架空の人物だが、実在した人物も多数描かれており、コッホに師事した細菌学者の北里柴三郎も登場する。医療ドラマでありながら、女性の権利向上のほか、反ユダヤ主義や軍国主義などの問題を取り込んでいるところはドイツドラマらしい。シーズン2は第二次世界大戦期、シーズン3は東ドイツ時代が舞台で、その時代ごとの問題意識を通じてシャリテーの歴史を描く。

実話に基づいたビールをめぐる抗争Oktoberfest 1900

公開年:2020年〜
各話:約45分
言語:ドイツ語(日本語字幕あり)
ARD Mediathek、Netflixで視聴可

1990年、野心的な醸造家カート・プランクがミュンヘンにやってきた。彼はビールの祭典「オクトーバーフェスト」で、6000人を収容できる巨大なビールテントを建設するという壮大な夢を抱いているが、そのためには脅迫や賄賂、殺人も辞さない構えだ。カートはミュンヘンの伝統的な五つの小規模醸造家から土地を奪い取ろうと画策し、壮絶な覇権争いが幕を開ける。職人たちのビール造りへの情熱や、ビール醸造協会と政治的な思惑、さらに許されざる恋など、見どころあるシーンも盛りだくさん。

作品をもっと知る

主人公のカート・プランクのモデルになったのは、ニュルンベルクの実業家ゲオルグ・ラングという実在の人物。実際、19世紀のオクトーバーフェストでは、会場のテレージエンヴィーゼで各醸造家が小さなブースでビールを提供するだけだった。1889年にラングは五つの屋台スペースを確保して巨大なテントを建設。ドラマのような血みどろの抗争はなかったものの、そこから世界最大のビール祭りへと発展していった。

冷戦最盛期のリアルなスパイドラマDeutschland 83, 86, 89

公開年:2015〜2020年
各話:約45分
言語:ドイツ語
Amazon プライム・ビデオほかで視聴可

舞台は1983年、冷戦の最盛期の東ドイツ。国家人民軍の若き兵士、マルティン・ラウフは、シュタージの対外諜報機関に属する叔母のレノラによって、スパイ任務につくことが決まった。マルティンは病気の母とガールフレンドを東ベルリンに残していけないと一度は拒否したものの、目覚めるとすでに西ドイツの首都ボンにいた。彼に与えられた任務は、ドイツ連邦軍に潜入してNATOの計画を暴くという重要かつ危険なもの。そして、名前も経歴も全てを偽り、スパイ生活をスタートさせるのだった。

作品をもっと知る

2015年のベルリン映画祭で公開後、米国で初めてドイツ語(英語字幕付き)で放映されたドラマシリーズで、数々の国際的な賞を受賞したヒット作。原案には、80年代に実際にドイツ連邦軍のラジオ局で働いていたヨルク・ヴィンガーが携わっており、よりリアルな物語に仕上げられている。続くシーズン2は86年、シーズン3ではベルリンの壁が崩壊した89年が舞台に。任務遂行下で東西の異なる価値観に挟まれ、イデオロギーに揺らぎを感じていくマルティンを時代の流れとともに描く。

戦後の激動を駆け抜ける三姉妹Ku'damm 56, 59, 63

公開年:2016〜2021年
各話:約90分
言語:ドイツ語
ZDF、Netflixで視聴可

ベルリンでダンススクールを経営する保守的な母親・カテリーナ。彼女は3人の娘の社会的地位を結婚によって上げようと必死だ。長女のヘルガは将来有望な若手弁護士ヴォルフガングと結婚し、三女のイーファは上司で富豪のファスベンダー教授を狙っている。しかし二女のモニカは何をやってもうまくいかず、学校からは追い出される始末。ただしモニカはダンスの才能に恵まれていた。ヘルガの結婚式の日、カテリーナはモニカに裕福な工場主の息子で気難しいヨアヒムを紹介したが……。

作品をもっと知る

Ku'dammシリーズは、1956〜63年という第二次世界大戦の終戦から経済成長を遂げるまでの時代が舞台。シリーズ1〜2では、戦後の混乱期に保守的な母親の元で育った娘が、経済成長を遂げる社会と共に新たな価値と向き合っていく姿が描き出される。そしてシリーズ3では1960年代初頭、社会的な制約や個人的な制限から解放され、娘たちが新たな自立への道を探していく。まさに激動の時代を生きた女性たちのドラマだ。

クロスカルチャー

今やドイツ全人口の25%が移民を背景に持ち、名実ともに移民国家となったドイツ。異文化同士の交流は、時に衝突を生むこともあるが、新たな発見や多様性の中で生きることの大切さを教えてくれる。クロスカルチャーを題材にしたこれらのドラマは、近年のドイツ社会を反映した注目すべきジャンルだ。

ドイツ×トルコ家族のドタバタ新生活Türkisch für Anfänger

16歳のレナは、ある日弟のニルスと共に母親のドリスのボーイフレンドと会うことに。そのお相手とはトルコ人のメティンだった。そして、メティンと息子のジェム、娘のヤグムルとの共同生活がスタートする。宗教も考え方も異なる人々が一つ屋根の下、小さなハプニングは日常茶飯事。多感な時期の子どもたちの悩みは尽きない一方で、ラブラブなドリスとメティンも彼らに寄り添おうとして空回りしてしまう。そんな一見シリアスともいえる状況を笑いをもって描きつつ、それぞれが少しずつ変化してゆくファミリードラマ。

作品をもっと知る

ドイツには数百万人ものトルコ系移民がいるが、「ドイツの中のトルコ」は異文化を象徴するものとしてたびたび話題になる。タイトルの「初心者のためのトルコ」の通り、特に厳格なムスリムであるヤムグルは、まさに異文化的な存在として分かりやすく描かれている。また国籍問わずパッチワークファミリーが多いドイツでは、レナの家族も新しい家族スタイルの一つともいえる。描かれる文化や家族のすれ違いには、実は誰もが経験することも含まれ、「あるある」と笑ったり考えさせられたりするシーンもあるはず。

ベルリンで見つけた自由と解放Unorthodox

公開年:2020年
各話:約50分
言語:ドイツ語(日本語字幕あり)
Netflixで視聴可

ニューヨークに住む19歳のエスティ。彼女は、ハンガリー出身でホロコーストの生存者である祖母のもとで育ち、超正統派ユダヤ教コミュニティーの一員だ。同じく超正統派のヤンキーと見合い結婚をしたが、子どもにも恵まれず不幸な結婚生活を送っている。ある安息日、エステルは全てを捨てて、ベルリンへと旅立った。ベルリンでは、さまざまな国から来た音大生たちと出会い、初めて多様性や自由を知る。しかし夫とその家族は、彼女を連れ戻そうと計画する。

作品をもっと知る

2012年に出版されたデボラ・フェルドマンの著書『アンオーソドックス』(辰巳出版)が原作で、イディッシュ語(東欧のユダヤ人の間で話されるドイツ語に近い言葉)で初めて制作されたドラマ。 超正統派ユダヤ教では、女性は結婚すると髪を剃ってスカーフやカツラで頭を覆い、できるだけ多くの子どもを産む義務があるという。1人の女性が産む子どもの数は、なんと平均6.6人。その背景には、ホロコーストによって尊い命を失った過去があり、そのため子孫を増やさなければならないという考えに基づいている。

 
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