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ハッピー・バースデー!ヴァイスヴルスト

ミュンヘン・レポーター ゲッペルみどり

白ソーセージ
主人がきれいに盛りつけてくれました

みなさんご存知でしたか?ミュンヘン名物ヴァイスヴルスト(Weißwurst)が、今年生誕150周年を迎えました。

ヴァイスヴルストは主に子牛肉を使った白ソーセージで、パセリなどの香草を混ぜているものが主流です。レモンも入っているので、柔らかでジューシーなのにさっぱりとした味わいが楽しめます。

時間が経つと味が落ちるため、作りたてを食べる直前に茹でるのがおいしく味わう秘訣です。冷蔵庫がなく、ソーセージも茹でずに保存しなければならなかった時代の名残りとして、「ヴァイスヴルストは正午の鐘の音を聞いてはいけない」という風習があります。そのため、レストランではいつでもヴァイスヴルストが食べられるわけではありませんのでご注意ください。

ヴァイスヴルストの歴史は、1857年2月22日にまで遡ります。ミュンヘンのマリエンプラッツにある家族経営レストラン「Zum Ewigen Licht」のオーナーのセップモーザー氏が、焼きソーセージ用の羊の腸を切らしてしまったある日、代わりに豚の腸を使ったところ、羊の腸に比べ太く仕上がったため、焼くとはじけてしまうのではと頭をひねり、茹でて調理したのが始まりでした。その後、このソーセージは大好評となり、南バイエルン地方に広まったといわれています。

しかし、ミュンヘンの情報マガジン「GO」3月号によると、違う説もあるようで、そこには「ヴァイスヴルストはミュンヘンで誕生したものではなく、ハンブルクで最初に考案され、北から南に輸入されたものだという説がある」と書かれています。私は「ハンブルク発祥地」説があることをまったく知らなかったので驚きましたが、これだけミュンヘンで愛されているヴァイスヴルストなのですから、ミュンヘン生まれのソーセージであることには変わりないと思ってい ます。

一方、GOのコラムニストは、次のように続けています。「ミュンヘン人にとって、ヴァイスヴルストは150年もの間、人生の晴れの日も雨の日も、なくてはならない存在として共に歩んできたものなのだ」


「Zum Ewigen Licht」で注文したヴァイスヴルストと
ブレッツェン、ヴァイスビア袋に入った甘いマスタード

ヴァイスブルストの伝統的な食べ方は2種類あります。1つ目は、先端にナイフで切り目を入れ、手に持って中身を吸い出す方法です。ドイツ人の夫は、これこそ正当な食べ方だと主張しています。新鮮なヴァイスヴルストであればあるほど、中身をチュルッと吸い出すことが簡単にできるとか。2つめは、お皿の上で縦半分にナイフで切れ目を入れて転がせて皮を取る方法です。一般的な食べ方なので、レストランではこの食べ方をお勧めします。

というのも私自身の失敗談なのですが、我が家では夫にならい中身をチュルッと吸う方法でしか食べたことがなかったため、切って転がせて皮を取る方法を知りませんでした。初めてレストランでヴァイスブルストを食べた時、上手に転がせて皮を取ることができずに苦労したのを今でも覚えています。

そしてヴァイスブルストには、なんといっても白ビール(Weißbier)と甘いマスタード(süßer Senf)とブレッツェン(Brezen)が欠かせません。私はヴァイスブルストとブレッツェンを食べて、白ビールを飲んでいる時、ミュンヘンに住む1人の人間として誇りを感じます。ヴァイスヴルストは、それくらいミュンヘンの生活に深く馴染んだソーセージなのです。

ご家庭でのヴァイスブルストのおいしい茹で方ですが、大きめの鍋に水を入れ、沸騰させます。沸騰したらコンロから鍋を下ろし、温度が75~80度くらいになったら塩とヴァイスヴルストを入れます。絶対に沸騰させてはいけません。また塩を入れるのもお忘れなく。塩がないと味気ないヴァイスヴルストになってしまうからです。パセリやレモンの皮を少し鍋に入れてもいいですね。15分くらいお湯につけるのが目安ですが、ヴァイスヴルストの先の皮が少し開いて中身が見えるようになったら、調理終了の合図です。できたてをホクホク味わいましょう。

私がお薦めするおいしいヴァイスヴルストが買える肉屋は2つあります。バイエルン州に245店舗ある大手の「VINZENZMURR」と、我が家の近くの伝統のある肉屋「SEDLMEIR」(Pfanzeltplatz 14)です。この肉屋は、なんと今年の2月に「ヴァイスヴルスト金賞」を受賞しました。以前に一度、日本人の知人にそのお店で買ったヴァイスヴルストをごちそうした時、彼女はあまりにもおいしくて4本食べてしまったくらいです。私もおいしくて4本食べてしまいました。人間っておいしいものに出会うと夢中で食べてしまうの かもしれませんね。

みなさんもミュンヘンのヴァイスヴルストを一度味わってみませんか。

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