Hanacell

日独経済産業交流の変遷と展望

デュッセルドルフ、そこは食も物品も、そして桜の木も、遠い故郷を感じさせるもので溢れる在欧日本人の憩いの場。この街の歴史的背景に目を向けると、時代の先端を担いつつ、苦境を乗り越えてきた、たくましい企業人たちの背中が見えてくる。日本とドイツ、150年の交流が繋ぐ過去と未来を、経済展を通してじっくりと感じてみませんか。
(文:編集部・高橋 萌、協力:デュッセルドルフ日本商工会議所)

開催によせて「日独交流の歴史、
それはライン川の流れのように豊か」

今日、デュッセルドルフには欧州最大規模の日本人社会が形成され、両国の経済交流が活発に行われています。「デュッセルドルフ日本デー」が象徴するように、経済・産業分野だけでなく、文化・音楽・スポーツと、あらゆる分野で両国の交流が盛んに行われている今、日独交流の大きなうねりは、まさにライン川の流れのように不変のようであります。

その始まりは1950年以降と考えておられる方が大半ではないでしょうか。今回の経済展の目的の1つは、日独交流の「ルーツ探し、源流探し」から始まりました。そして、150年前に、その源流の一端を発見するに至ったのですが、まさに歴史に人ありです。明治という近代国家黎明期に活躍した、当地と縁の深いドイツ人が2人見付かりました。日独貿易拡大のパイオニア、ルイス・クニフラーと日本の鉄鋼産業発展の礎となった鉱山技師クルト=アドルフ・ネットーです。同展では、彼らの足跡にスポットを当てます。

その後、第2次世界大戦中に地下に潜伏していた覆水は戦後再び地表に現れ、50年代に小さな流れを生み、当地日系企業の欧州販売統括拠点へと繁栄するとともに、小川から大河へと姿を変えていきました。

経済展では日独企業31社が出展、その過去・現在・未来への活動状況をご覧頂けます。150年の日独交流の歴史の流れを振り返って、現在に立ち止まり、未来へのステップに思いを馳せ、そして日本の厳しい状況を克服する勇気と希望を持って頂く機会になればと切望しております。

デュッセルドルフ日本商工会議所
事務総長 柚岡一明

1961年のインマーマン通り
1961年、インマーマン通り

経済展の見どころ
徹底分析!!

「経済展」というと、少し堅苦しいイメージを抱いてしまいがちだが、バラエティーに富んだ展示内容と体験型アトラクションが、知的好奇心を存分に満たしてくれる。大人から子どもまで楽しめる経済展の魅力の一部をご紹介します。 (展示品の解説言語はすべて日独併記)

地図

1まずは入場
来場者プレゼント&抽選会あり

ライン川沿いのプロムナードを散歩しがてら、または旧市街の観光の合間に、思い立ったらすぐに立ち寄れる絶好のロケーションにあるNRWフォーラム。入場無料の同経済展、そこで展示される資料や展示品は、ほかでは体験できない特別なものばかり。また、経済展開催中は、特製うちわや、日本製の水ヨーヨー、キッコーマンの醤油とミニレシピのセット※と、お祭り気分を盛り上げる来場者プレゼントや、デジタルカメラが4名に当たる豪華抽選会も予定されている。まずは、会場へ足を運んでみよう!

※1日につき先着100名様限定

デジタルカメラ
リコーのデジカメ「GXR P10kit」(左)を1名、「CX5」を3名に

2タッチセンサー型テーブルで情報収集

タッチセンサー展示会場の中央にある「タッチセンサー型 情報テーブル」には、年代、ジャンル、企業別に日本の文化や日独交流の歴史に関する情報が網羅されていてる。上面がタッチセンサーパネルになっているから、指で触れて、情報をまさに手繰り寄せる感覚。表示される映像や情報は、テーブル上だけでなく、左右に設置されたスクリーンにも映し出される。展示品を見ながら疑問に思ったこと、気になることが出てきたら、すぐにこの情報テーブルにタッチ!

3歴史をたどるパネル展示


ルイス・クラフニー商会のポスター

歴史の浪漫とダイナミズムを感じさせる、日独交流150年のすべてをパネルで紹介。1861年、日本とプロイセンの間で「友好通商航海条約」が締結されたことに始まり、光を当てるのは、2人のドイツ人の物語。日独貿易のパイオニアであるクニフラーと、鉄鋼産業の発展に尽力したネットー。欧米列強国に肩を並べようとする明治政府の情熱と、未知の土地に可能性を見出したドイツ人の開拓者魂が、1万キロも離れた2つの国の関係を切り開いたのだ。彼らの足跡を追うとともに、ネットーの直筆デッサンも展示される。彼の目から見た明治時代の日本の姿にご注目。

昼食会を開いての日独交流の様子(1965年)
昼食会を開いての日独交流の
様子(1965年)

もう1つの見どころは、日本企業のドイツ進出が進んだ1950年代以降。なぜ「デュッセルドルフ」だったのか?日本との通信や物資の供給が難しかった当時の苦労は? 同展は、そんな素朴な疑問に答え、発展を続けてきた日本人社会の歩みをおさらいする。

4日独企業の歩みを知る

500社を超える日本企業が活動しているNRW州だが、どんな企業が、どの分野で活躍しているか、ご存知だろうか?ここでは、当地で活躍する日本企業と日本に進出しているドイツ企業が、それぞれの歴史と日独社会に提供している自慢の一品を披露する。最新の自動車技術やロボットスーツといった未来の技術、世界初のノートパソコンやファクシミリ、カメラ技術の歴史などの歴史的遺産、そして化粧品、食品など生活に関わるものまで多岐にわたる展示品。それらには、実際に目にしなければ伝わらない、実物とともに語られるからこそ得られる説得力がある。

日独企業の歩み

5野外展示スペースには未来の自動車

未来の車

会場の外に出ると、トヨタの燃料電池ハイブリッド車「FCHV-adv」と、三菱の電気自動車「i MiEV」が待ち構えている。「FCHV-adv」は水素電池を搭載したハイブリット車で、1回の水素充填による航続距離が約830kmという性能の高さで世界から注目を集めている。また、昨年の春、一般向けの販売をスタートさせたばかりの三菱の「i MiEV」は試乗会を開催。エコ社会への変換を迫られている現代に必須のテクノロジーに触れ、遠くない未来の車社会を体感しよう。

6イベント会場も盛りだくさん

同経済展の開催中は、会場内で毎日さまざまな催し物が予定されている。こちらも、もちろん参加は無料。ドイツ人と一緒に日本文化を体験する交流の場として、または専門家の講演に耳を傾ける学びの場として、いつでも飛び入り参加して楽しもう!

5月22日(日)14:00~17:00
日本文化の紹介 (着物の試着、書道、折り紙)

5月23日(月)18:00~20:00
セミナー「ドイツで働く」※要申し込み(www.djw.de参照)

5月24日(火)14:00~17:00
日本文化の紹介(書道)

5月24日(火)18:00~20:00
講演会(ドイツ語) “Die ersten Japaner im Rheinland(1862)”
(ラインラント地方にとって初めての日本人)
※要申し込み(www.jihk.de参照)

5月25日(水)14:00~17:00
日本文化の紹介(生け花)

5月25日(水)18:00~20:00
講演会(ドイツ語) “Japanische Bergarbeiter im Ruhrgebiet”
(ルール地方の日本人炭鉱夫たち)
※要申し込み(www.djg-duesseldorf.de参照)

5月27日(金)14:00~17:00
日本文化の紹介(折り紙)

5月28日(土)14:00~17:00
日本文化の紹介(茶道)

f0f2a2

電子顕微鏡TM3000
子どもたちにもっと理科の楽しさを知ってもらいたいと開発された、日立の電子顕微鏡。顕微鏡で見る世界を体験しよう!
※グループ対象のデモンストレーション。
要申し込み (www.jihk.de参照)

最新のナビゲーションシステム
1981年、世界初のカーナビを本田技研工業と共同開発したアルプス電気が、最新のナビゲーションシステムのプロトタイプを展示場で披露する。実際に手に取って遊んでみよう!

マクロカメラ
リコーのマクロカメラを使って、見慣れた被写体をクローズアップ撮影。そこに広がるのは、見逃していた細部が活きる「ミニワールド」。マクロ撮影を体験し、新たな写真の魅力を発見しよう!

電気自動車の試乗会
野外の展示スペースでは、三菱の電気自動車i-MiEVに試乗するチャンス。この機会に電気自動車ならではの乗り心地を体感してみよう。試乗会、期間中11:00~18:00まで!

基本情報

日時 2011年5月21日(土)~28日(土)
開館時間 11:00~20:00 金11:00~24:00 ※21日のみ14:00~20:00
入場料 無料
会場 NRW-Forum Düsseldorf(2階)
住所 Ehrenhof 2, 40479 Düsseldorf
最寄駅 Tonhalle/Ehrenhof, Nordstraße

問い合わせ先
デュッセルドルフ日本商工会議所
Japanische IHK zu Düsseldorf e.V.
E-Mail: このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください
担当者: 柚岡、リー
TEL: 0211-630760
www.jihk.de

\sl141\slmult0 団体・グループでの見学について
同経済展は、団体やグループでの見学を歓迎しています。ご希望の際は、事前に上記までご連絡ください。

主催者
デュッセルドルフ日本商工会議所、NRW.INVEST GmbH、NRW州政府
主催者

出展企業一覧

出展企業


次はベルリンへ巡回!

「日独交流150周年記念経済展」が、ベルリンでも開催される。デュッセルドルフで展示されたパネルとタッチセンサーテーブル、そして各企業からの展示品もお披露目される予定。

日時 6月11日(土)~19日(日)
NRW州政府代表本部の営業時間内
会場 NRW Landesvertretung in Berlin
(ベルリンのNRW州政府代表本部)
住所 Hiroshimastraße 12, 10785 Berlin
入場料 無料
主催 デュッセルドルフ日本商工会議所、
NRW.INVEST GmbH、NRW州政府

※記載されている情報は予告なく変更される場合がございます。ご了承ください。

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


Nippon Express ドイツ・デュッセルドルフのオートジャパン 車のことなら任せて安心 習い事&スクールガイド バナー

デザイン制作
ウェブ制作
pickup_doitsu