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Fr. 14. Dez. 2018

日本人初の栄誉 Deutscher Nachhaltigkeitspreis 2012 仙台市の奥山市長が
「ドイツ持続可能賞 名誉賞」を受賞

Deutscher Nachhaltigkeitspreis今を生きる我々の生活の発展だけでなく、未来を見据えることでより豊かな社会のあり方を模索する時代に突入した21世紀。環境問題やエネルギー問題を論じる際、特に重視される概念が「持続可能性」だ。そのことを象徴するように2008年に設立された「ドイツ持続可能賞」では昨年、仙台市の奥山恵美子市長が、震災復興の取り組みを評価され、日本人として初めて「名誉賞(Ehrenspreis)」を受賞した。仙台市とドイツ持続可能賞を結び付けた東日本大震災後の取り組みについて、奥山市長にお話を伺った。(Text: Megumi Takahashi)

ドイツ持続可能賞とは?
2008年から毎年、持続可能な社会の実現を促すために活動した個人や企業、団体に賞を授与している。名誉賞は国際レベルで持続可能性に多大な貢献をした人に授与され、過去には、英国のチャールズ皇太子も受賞(2008年)した。 www.nachhaltigkeitspreis.de

ドイツ持続可能賞 名誉賞
ペトラ・ロート氏(前フランクフルト市長)と
奥山市長(左から)

ドイツの国会議事堂のガラスのドームを手掛けるなど、建築によって持続可能性を実現するノーマン・フォスター、1960年代に人気女優として上り詰め、現在はユネスコ親善大使として活動しているクラウディア・カルディナーレ、政治・社会運動に積極的な取り組みを見せるスコーピオンズやディ・プリンツェンらスターに並び、ドイツ持続可能賞の名誉賞を受賞した奥山市長。

2012年12月6日、約1200人のゲストが見守る中、奥山市長が「『杜の都』と呼ばれる仙台の緑は津波によって奪われてしまいましたが、再び1本1本、木を植えています……市民が希望を持てるように復興を進めることが私の仕事」「震災を通して持続可能な都市計画の重要性を実感した」とスピーチすると、大きな拍手が会場を包んだ。


受賞の一報を受けてどのような感想をお持ちになりましたか?

奥山市長:大変名誉なことです。特に、ドイツは環境問題に関して様々な先進的な研究や試みをしている国。我々としてもドイツを目標としてきた面もあります。そのドイツから、「これからも頑張れ!」という趣旨も含めて賞をいただいたということは、大変励みになりました。

仙台市内だけでも、死者・行方不明者を合わせて約1000人、建物の被害は10万戸以上に及んだ東日本大震災後の復興計画。これまでの都市計画との決定的な違いはどこにありますか?

奥山市長:1つは、津波に対する考え方です。日本では戦後、大規模な工事を行い、あらゆるところに巨大な堤防を造りました。これによって、海岸沿いに家を建てても人命が失われるようなことはないだろうと考えられてきたのです。それは、相当に浅はかな考えだったわけですが、改めて、いくら文明が進んでも自然災害をすべて防ぐことはできない、大規模災害に際しては基本的に逃げるしかないのだと、基本的な価値観を変えたところが大きいと思います。

また、都市生活が、いかに電力や燃料に依存していたかということも実感させられました。電気がないと、エレベーターも動かないし、水道も(上の階には)供給されない。停電することが悪いのではなく、我々の生活が、潤沢なエネルギーが供給されることを前提として成り立っていたことが問題です。そのライフスタイルそのものが、甘かったのです。これからは、今よりもはるかに低いエネルギーレベルでも最低限の生活が成り立つよう、地域全体で使用するエネルギー量を下げた「スマートシティー」のような新しい街を作っていこうとしています。

新しい街づくりに、「コミュニケーション」というキーワードも掲げられていますね。

奥山市長:日本では、昔から「向こう3軒両隣」という考え方があり、人と人が交流することを前提とした社会に生きてきたはずです。この災害をきっかけに、もっとコミュニケーションを楽しむ街づくりを考えても良いのではないかと思います。今回の災害で、一番素晴らしかったのは市民の力。災害は、大規模になればなるほど、第一に人命救助、ライフラインの回復と問題が山積し、自治体や国は、すぐに市民の側に行くことができないのです。その間は被災された方同士、お互いに協力しながら暮らしてもらわなければならない。今回は、奇跡的にそれができたんです。

授賞式
(左から)シュテファン・シュルツ・ハウスマン氏(ドイツ持続可能賞ファンデーション理事長)、
ロート氏、奥山市長、通訳者、ディルク・エルバース(デュッセルドルフ市長)

暴動など、目立った混乱が起こらなかったことが、海外では注目されました。

奥山市長:そこには、日本の町内会という仕組みがあるのではないでしょうか。仙台は、大都市であるにもかかわらず、町内会組織率が約90%。ある地域に住む人が、半強制的に参加する町内会という特殊な団体が、今も一定の権威を持っていることが、初期の避難所の運営に役立ちました。色々ご不満もあったでしょうが、誰一人、暴動や空腹によって避難所で命を落とす方がおられず、10万人の被災者が支え合って、最初の1週間以上を生き延びてくださった。その間に電気が回復し、全国からも救援部隊が駆け付けて、避難所が本格的に運営されるようになったのです。

大規模な都市計画は、市民の理解を得る難しさがあると思います。「市民力」を復興の要に掲げる市長にとってはいかがですか?

奥山市長:大きなプロジェクトが動く際には、反対の利害を持つ人がいるものです。スマートシティーに反対される方もいらっしゃいますし、これからも海岸沿いに住みたいと主張される方もいます。しかし、安全に関しては当自治体としてしっかり規制する条例を作りました。海岸沿いなどの指定区域には、これ以上新しい家を建ててはいけないという内容です。一方で、多くの市民が3.11で苦労されたので、自分たちと同じように苦しむ可能性を子孫に残したくない、課題はあるけれども自分たちが新しい方向に足を踏み出し、後の世代が安心して暮らせる社会を、と願っています。そういった面では、市民間で共通の合意形成、前に進んでいこうと気持ちを同じくしていると思っています。

最後に、読者の皆さんに向けて、一言メッセージをお願いします。

奥山市長:ドイツおよび在独邦人の皆様からは、かなり早い段階から多額のご支援をいただきました。改めて、日本とドイツとの繋がりが歴史的に深いものだったことを実感し、感謝しております。また、ドイツからのご支援で特徴的なことは、目的がはっきりしたものだったということ。教育と福祉、そして文化へのご支援を多くいただき、例えば、宮城県内の被災した孤児たちの就学費用に使わせていただいたり、子どもたちが失くした楽器を補充するためにご支援をいただいたりしました。まだまだ、住宅が再建されるまでには時間が掛かると思いますが、あと2年後には、相当の数の方が新しい家に入っていると思います。そういう形で、日本も頑張っています!


2012年のドイツ持続可能賞受賞者リスト
Deutscher Nachhaltigkeitspreis 2012

名誉賞

奥山 恵美子 ノーマン・フォスター クラウディア・カルディナーレ スコーピオンズ ディ・プリンツェン
奥山 恵美子
仙台市長
ノーマン・フォスター
Norman Foster
英国人建築家
クラウディア・
カルディナーレ

Claudia Cardinale
イタリア人女優
スコーピオンズ
SCORPIONS
ドイツのハードロックバンド
ディ・プリンツェン
Die PRINZEN
ドイツのバンド

大都市部門
フライブルク イム ブライスガウ Stadt Freiburg im Breisgau

中規模都市部門
ノイマルクト i. d. オーバープファルツ Stadt Neumarkt i. d. Oberpfalz

小都市部門
ヴンジーデル Wunsiedel

統治&行政部門
ゾーリンゲン  Stadt Solingen

気候&資源部門
アルハイム  Gemeinde Alheim

生活の質&都市構造部門
ライプツィヒ Stadt Leipzig

ユネスコ特別賞 「持続可能な発展についての教育」
ゲルゼンキルヒェン Stadt Gelsenkirchen
 
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