Hanacell

ガウク大統領がベルヴュー宮殿で演説
欧州の結束、英国の参与を呼び掛け

ガウク大統領は2月22日、ベルリンの大統領官邸ベルヴュー宮殿で初の綱領宣言となる演説を行ない、欧州のさらなる結束と、英国の欧州連合(EU)への積極的な参与を呼び掛けた。ヴェルト紙が伝えた。

同演説は、ベルヴュー宮殿で行なわれる対話と講演のイベント「ベルヴュー・フォーラム」の開幕演説に当たり、ローマン・ヘルツォーク元大統領が始めた「ベルリン演説」の伝統を引き継ぐもの。同イベントには、多くの若者を含む200人のゲストが招かれた。

演説の中で大統領は欧州のさらなる結束の必要性を訴え、「一部のエリートによる欧州ではなく、一般市民レベルでの欧州」を標榜して、市民フォーラムの立ち上げを提唱。独仏共同運営テレビ局arteのような、全欧州を網羅するインターネット受信可能なテレビ局を設立し、例として「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」や独公共放送ARDの刑事ドラマ「Tatort」の欧州版の放映を提案した。また、欧州各国の日常生活を紹介するルポルタージュなどを通して他国の事情や文化を学び、対話の機会をより多く作る必要性を訴えた。さらに、欧州内での疎通言語が必要であり、これは英語であるべきだと述べた。

大統領はこのほか、EU残留の是非が取りざたされている英国について言及。「親愛なるイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド、そしてすべての英国市民の皆さん」と呼び掛け、「私たちには、あなたたちが必要です。最も古い議会制民主主義の歴史を持つあなたたちの経験と伝統、理性を必要としています」と述べた。そして「第2次世界大戦への参戦によって、英国は欧州を救う手助けをした」と、ウィンストン・チャーチル元英首相の言葉を引用しつつ、英国が欧州の一員であることを強調した。

大統領はさらに、「ドイツ連邦議会に大衆迎合主義的、国家主義的な党が存在しないことに感謝する」とも言明。EUを「価値の共同体」と表現し、欧州のアイデンティティーは他者を閉鎖的に排除するところにあるのではなく、国家、民族、文化、宗教の違いを超えたところで有効であるとして、欧州に暮らすイスラム教徒も当地の一員であることを明らかにした。

 

FDPレスラー党首をめぐり人種差別論争
党員の「アジア人の外見をした副首相」発言で

ヘッセン州のハーン法務・統合相(自由民主党=FDP)が、同党の党首兼副首相のレスラー氏について、「我々の社会が、アジア人の外見をした副首相をどこまで受け入れることができるか、非常に興味がある」と発言し、論議が起こっている。8日付のヴェルト紙が伝えた。

レスラー党首はベトナム出身。ベトナム戦争で親を亡くし、幼少時からハンブルクのドイツ人家庭で養子として育てられた。今回のハーン氏の発言に対し、同州の社会民主党(SPD)のルドルフ氏は「趣味の悪い失言で、ハーン統合相本人に人種差別的傾向があることを浮き彫りにした」と批判。これに対してハーン氏は、「レスラー氏を攻撃したつもりはない」としている。

一方、FDP関係者によると、FDP支持者からでさえ、レスラー党首をめぐる人種差別的見解を耳にすることは珍しくなく、「その背景を踏まえた上での発言」としてハーン氏の発言を擁護する声が挙がっている。レスラー党首本人も「ハーン氏とは政治家としてだけでなく、個人的にも厚い信頼関係にある」とコメントしている。

 

若年失業者に「第2のチャンス」を
労働省と労働局が就業促進プログラム開始

連邦労働省および連邦労働局は7日、25~35歳の若年失業者を対象に、新たな就業促進プログラムを立ち上げることを発表した。ヴェルト紙が伝えた。

学校を中途退学したり、職業訓練先を見付けることができなかったり、職業訓練を期間満了前に中断したなどの場合、正規に就業するきっかけを掴めず、若いうちから生活保護を受給し始めるケースが多いという。新たな就業促進プログラムでは、これらの失業者に「第2のチャンス」を与え、3年以内に10万人分の職業訓練の機会を創出することを目指す。現在、職業訓練を修了した経験を持たない25~30歳の失業者の数は30万人に上る。

 

精子提供者の匿名は「不可」
人工授精児に知る権利認める判決

匿名の提供者の精子によって人工授精で生まれた経緯を持つ女性が、実の父親を知りたいと精子バンク経営者を訴えていた件で、ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州のハム上級裁判所は6日、訴えを認める判決を下した。

訴えを起こしていたのは、NRW州プレッテンベルク出身の学生ザラ・Pさん(21)。判決ではフォクト裁判長が、「ザラさんが自分自身の生物学的来歴を知ることは本人の基本的人権と尊厳に関わることであり、アイデンティティーの形成にも結び付くことである」と言明。その上で精子バンク経営者に対し、精子提供者に関する情報をザラさんに明らかにするよう命じた。

 

博士号はく奪受け、シャヴァン教育相が辞任
メルケル政権に、相次ぎ逆風

1980年に提出した博士論文に盗用があるとされ、5日にデュッセルドルフ大学から博士号をはく奪されたアンネッテ・シャヴァン教育相(キリスト教民主同盟=CDU)が9日、大臣職を辞任すると発表した。

シャヴァン氏はメルケル首相(CDU)とともに記者会見に臨み、博士論文における盗用の事実を改めて否定。同件について行政裁判所に提訴する意向を表明したが、「政府や職務に支障をきたすことがあってはならない」と、辞任に至った経緯を説明した。メルケル首相は「大変重苦しい気持ちで辞任を受け入れた。アンネッテ・シャヴァン氏は教育および学術部門における非常に有能な政治家だ」と同氏を擁護した。後任には、前ニーダーザクセン州教育相のヨハンナ・ヴァンカ氏(CDU)が就任する。

シャヴァン氏が1980年にデュッセルドルフ大学に提出した哲学の博士論文「人物と良心」における盗用疑惑は2012年5月、匿名の人物によってインターネット上で指摘されたことから浮上。これに対し、シャヴァン氏自身が大学に盗用疑惑の検証を要請していた。そして今年2月5日、同大学の学部協議会が同氏の論文に「盗用による意図的なごまかしがあった」として博士号のはく奪を決定した。

シャヴァン氏の博士号はく奪を受け、野党・社会民主党(SPD)や緑の党からは「教育相としての信頼を失った」として辞任を求める声が上がっていた。一方、世論調査機関フォルザの調査によると、博士号はく奪直後は市民の3分の2が「辞任すべき」と表明していたが、メルケル首相がシャヴァン氏への信頼をアピールしたためか、辞任直前の調査ではその割合が2分の1に減少していた。

シャヴァン教育相の辞任を受け、与党・キリスト教社会同盟(CSU)のゼーホーファー党首は「非常に残念で悲しいこと」として、「首相に、シャヴァン氏は政界にとどまるべきと申し上げた」と述べた。また、カウダーCDU・CSU院内総務も「私自身、1人の法律家として今回の大学のやり方は理解に苦しむ」とのコメントを発表している。

今年9月に連邦議会選挙を控えるメルケル政権は、1月のニーダ―ザクセン州選挙での敗北に続き、今回の教育相辞任と、逆風が続いている。

 

高ニーダーザクセン州で政権交代へ
州議会選でSPDと緑の党の連立が過半数獲得

ニーダーザクセン州議会選挙が1月20日に実施され、与党・キリスト教民主同盟(CDU)が第1党の座を保持したものの、野党・社会民主党(SPD)と緑の党の連立が議席の過半数を占める結果となり、政権交代が確定した。

ニーダーザクセン州議会選挙は、今年9月に予定されている連邦議会選挙の行方を占うものとして注目されていた。CDUは第1党の座を維持したものの、得票率を前回選挙の42.5%から36.0%と大きく減らした。一方、SPDの得票率は32.6%で前回の30.3%をやや上回った。

また、苦戦が予想されていた自由民主党(FDP)は予想外の9.9%(前回8.2%)と躍進を見せた。今回、最も大きく得票率を伸ばしたのが緑の党で、前回の8.0%から13.7%に。左派党は3.1%(前回7.1%)で議席を失い、海賊党は2.1%と議席獲得には至らなかった。なお、今回の選挙の投票率は60%だった。

この結果を受け、SPDと緑の党による連立が僅差で議席過半数を獲得し、CDUとFDPの連立に代わる連立政権が樹立されることになった。これにより、全16州のうち、同州とブレーメン市、ノルトライン=ヴェストファーレン州、バーデン=ヴュルテンベルク州、ラインラント=プファルツ州、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州の6州がSPDと緑の党の連立政権州となった。この6州の合計人口は4400万人で、ドイツ全体の人口の過半数を占める。また、首相ポストをSPDが占める州の数は9となり、州議会の議席数が反映される連邦参議院の勢力図も変化、SPDと緑の党が過半数となる。

今回の選挙の結果、連邦議会選で政権交代が起こる可能性が増大し、緑の党のロート党首は「SPDと連立を組むに当たって、対等な力関係を求める」と発言。1998年にSPDと緑の党の連立政権が誕生した際、シュレーダー元首相(SPD)がフィッシャー元外相(緑の党)に対して「力関係を明確にしなければいけない。大きい方が料理人で、小さい方がウェイターだ」と言ったと伝えらえているが、これについてSPDのガブリエル党首は、「シュレーダー氏の発言は過去のもの。それに私は(連邦議会で)レストランを開くつもりはない」とコメントしている。

 

独仏友好の礎となったエリゼ条約締結から50周年
オランド仏大統領がドイツ訪問

ドイツとフランスの友好関係を約束したエリゼ条約締結から50周年を迎えた1月22日、ベルリンでメルケル独首相とオランド仏大統領の出席の下、記念式典が開かれた。

同条約は第2次世界大戦後、当時のアデナウアー西独首相とドゴール仏大統領により、パリのエリゼ宮で締結された。今回、50周年を記念してオランド仏大統領がベルリンを訪れ、連邦議会で演説を行った。同大統領は「独仏間にはすでに電気が流れており、追加の電気機器は不要」と述べ、独仏間の協力関係を強調。その上で、「これまでの両国間の関係は決して長く緩やかな道ではなく、常に困難な時があった」と語った。また、将来の構想として「外交、国防、若者の失業率問題などにドイツと共同で取り組みたい」と述べた。一方、メルケル首相は「我々が平和の力と自由を忘れず、変える勇気を持つことができれば、共に困難を乗り越えられると信じている」と述べた。

メルケル首相とオランド仏大統領は共に58歳で、メルケル首相は食事の席でオランド氏に親称の「Du」で話すことを提案し、大統領がこれに同意したという。

 

職業訓練生の4人に1人が中断
11年、統一以来最多を記録

連邦職業訓練研究所(BiBB)が1月24日発表した調査報告で、職業訓練生の4人に1人が定められた期間内に訓練を満了せず、資格を習得しないまま辞退していることが明らかになった。ヴェルト紙が報じた。

同調査によると、2011年の職業訓練中断件数は14万9760件で訓練件数全体の24.4%。1990年の東西ドイツ統一以来最多を記録した。最も中断率が高い職種は、飲食店のホールスタッフおよび引越し業者で、2人に1人の割合で職業訓練を中途でやめている。一方、満了率の高い職種は管理マネージメント、電気工、銀行員などで、職業訓練を満了する割合が90%を超えている。

 

カトリック信者の教会への不満が高まる
聖職者の独身制、叙階などに反対

カトリック教会独自のメディア広報サービス(MDG)が、信者を対象に行った意識調査で、教会に対する信者の不満や不信感が高まっていることが明らかになった。1月25日付のヴェルト紙が伝えた。

最大の批判対象は「女性差別」と「聖職者の独身義務」。次いで批判が大きかったのが、「再婚者および他宗派の人と結婚した信者に対する聖餐式からの除外」「同性愛者蔑視」などだった。さらに、近年相次いで報じられている教会内での性的虐待問題に関しても、伝統を重んじるカトリック教徒にとって、教会への信頼を大きく揺るがす出来事であったことが同調査で浮かび上がっている。

 

ベルリン新国際空港、4度目の開港延期
ヴォーヴェライト市長が監査役会代表を辞任

ベルリン市郊外で建設中のベルリン・ブランデンブルク国際空港の運営会社は7日、今年10月27日に予定されていた開港予定日の延期を発表した。ヴェルト紙が伝えた。

同空港の開港予定日は、これまでにも3度延期されており、今回で4度目。この事態を受け、ベルリンのヴォーヴェライト市長(社会民主党=SPD)は運営会社の監査役会代表を辞任すると表明。ただし、監査役会には引き続きとどまるという。開港予定日の延期については、正式発表に先駆けてビルト紙が「空港関係者の間で2014年以前のオープンは不可能との見方が強まっている」と報道。これに続いて、運営会社を構成するベルリン市とブランデンブルク州、連邦政府が4度目の延期を正式に発表した。

同空港運営会社の監査役会代表を辞任するヴォーヴェライト氏の後任には、ブランデンブルク州のプラツェック首相(SPD)が就任する。ベルリン市議会内では、野党・自由民主党(FDP)および緑の党から「ヴォーヴェライト氏は責任を取って市長を辞任すべき」との声が上がっており、緑の党のポップ議会内代表はヴォーヴェライト氏への不信任案を提出する意向を表明した。

運営会社は2012年12月19日、工期が延びることに伴って生じる12億ユーロの追加費用の出資許可を欧州委員会から取り付けたばかりだったが、今回のさらなる延期により、新たな追加費用が発生するのは必至で、開港が2014年秋になった場合、最低でも5億ユーロが必要になるとみられている。また、開港延期によって運営会社の負担額は月々2000万ユーロに達している。

工期の遅れに関する報道によると、1000本の木が間違った場所に植えられていたことが発覚するなど、建設現場での数々の問題が露呈。さらに、2012年6月の開港が延期になった時点で報じられた防火装置の問題も解決しておらず、開港が2015年まで延びるとの見方も出ている。

同空港技術責任者のアマン氏は、「このまま工事を続行することに意味があるのか、調査する必要がある」と言明。FDPのデーリンク事務局長は、「ヴォーヴェライト氏とプラツェック氏は、州間財政調整で得た税金をいとも簡単に台無しにしてくれた」と批判している。

 

国民1人当たりの食肉消費量は年間60キロ
国内最多はテューリンゲン州の男性

ドイツ人が消費する肉の量は1人当たり年間平均60キロに上ることが、環境自然保護連盟とハインリッヒ・ベル基金が10日発表した共同調査で明らかになった。

調査によると、ドイツ人が一生の間に消費する肉の量を動物の頭数で換算すると、牛4頭、羊4頭、ガチョウ2羽、アヒル37羽、豚46頭、七面鳥46羽、鶏945羽。

ドイツ人の85%は毎日、肉やソーセージを食べており、州および性別で見ると、消費量が最も多いのはテューリンゲン州の男性で、最も少ないのはラインラント=プファルツ州の女性。また、現在の食肉の消費量は19世紀半ばのドイツ人の食生活と比較して4倍に上るという。

 

高齢者介護施設での虐待の実態を調査へ
国内1万2000軒が対象

法務省の出資法人である虐待問題対策庁が、国内1万2000軒の高齢者介護施設に対し、虐待の実態調査に乗り出すことが明らかになった。11日付のヴェルト紙が伝えた。

高齢者介護施設の入居者への虐待および暴力は、監査機関による度重なる視察にもかかわらず、日常的に起こっていると言われ、介護保険組合の予測では、法的指示のない状態でベッドに縛り付けられている入居者の数は1万4000人。介護問題の専門家は、「老人ホームの入居者の5人に1人は暴力を体験したことがある」と指摘している。

さらに人員不足から食事介助が行き届かず、3万6000人が十分に飲食できていない状態とされる。

 

SPDの次期首相候補シュタインブリュック氏の人気が低迷
最新のドイチュラント・トレンド調査

最新の世論調査ドイチュラント・トレンドによると、最も人気のある政治家はメルケル首相(キリスト教民主同盟=CDU)で、野党・社会民主党(SPD)の次期首相候補であるシュタインブリュック氏は大きく後れを取っていることが明らかになった。11日付のヴェルト紙が伝えた。

1000人の市民を対象に行われた今回の調査では、「政治家としての仕事ぶりに満足している」という項目で、メルケル首相は65%の支持を獲得し、前回調査を5ポイント上回った。メルケル首相に次いで人気が高かったのはデメジエール国防相(CDU)で、支持率は63%、ショイブレ財務相(同)は59%で3位だった。

一方、SPDが首相候補に推すシュタインブリュック氏の支持率は36%で、自由民主党(FDP)のヴェスターヴェレ外相の48%を下回った。今秋の連邦議会選でどの政党を支持するかとの質問では、CDU・CSU(キリスト教社会同盟)が41%、SPDが28%、緑の党13%、左派党が6%。FDPと海賊党はそれぞれ4%と3%で、ともに議席獲得に必要な5%を満たしていない状態となっている。

 

保健省機密データの盗難が発覚
法案やメールなど、2年以上にわたって流出

連邦保健省の機密データが、過去2年以上にわたって盗み取られ、外部に流出していたことが12日、明らかになった。ヴェルト紙が報じた。  

盗み取られていたのは、同省の未発表の法案や報告資料、職員の電子メールなど。その他、患者の個人情報などが悪用されていたことも判明した。連邦検察は、フリーランスの薬剤師ロビイスト2人が本件に関与している可能性が高いとして、捜査を進めている。これを受け、バール保健相(自由民主党=FDP)は「前代未聞の事態である」と激怒。「たとえ法案を阻止するための策略だったとしても、保健省には何ら影響はない」と述べた。

 

<< 最初 < 31 32 33 34 > 最後 >>
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


時事通信ニュース

Nippon Express ドイツ・デュッセルドルフのオートジャパン 車のことなら任せて安心 習い事&スクールガイド バナー

デザイン制作
ウェブ制作

ドイツ便利帳サーチ!

詳細検索:
都市
カテゴリ選択