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Mi. 18. Mai. 2022

輝け、原石たち
日本を飛び出し、ドイツで切磋琢磨する "若き血潮" を紹介します。


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佐久川未来さん 佐久川未来さん
1977年 東京都立川市生まれ
1999年 日本獣医畜産大学 獣医畜産学部卒業
(現日本獣医動物応用科学大学)
1999年〜 ヤマハつま恋乗馬クラブに乗馬指導員として就職、その間ドイツにて3カ月の障害者乗馬の実地研修を受ける
2004年〜 ドイツ国際平和村で1年間の研修
2006年〜 Fachschule des Sozialwesens在学、
デュッセルドルフ在住
現在、Heilerziehungspflegerinという、教育と介護の両面から障害者をケアする資格を取るために専門学校に通う。2年間の教育課程を終え、この夏から1年間のインターンが始まる。

「馬と子どもと私がいる、その輪が好き。人と馬との関係の中でたくさんのことを学べるし、何よりとっても楽しいんです」と、穏やかな口調の中に情熱を込めて語る。

佐久川未来さんが目指す「障害者乗馬」、中でも心理療法と教育を目的とした分野は日本ではあまり知られていない。知的障害や自閉症を持つ人が馬というパートナーを得て、馬との触れ合いを通してコミュニケーション能力や自制心を養ったり、乗馬しながら、右・左、信号機の色の意味など日常生活に応用できる様々な認識を学んでいく。

「人間だったら、障害者だから……という目で見てしまいがちだけど、馬にはそんなことは関係ない」

叩いたら暴れるし、可愛がれば、その分の愛情が自分に返ってくる。馬の反応から「なんでだろうね?」と自分の行動を省みるよう促すのが教育者の役目。そこから自制することを学ぶし、馬との関係が親密になるにつれて、やってあげたいという心が育つ。

大学の講義の中でたまたま障害者乗馬について知り、「これだ!」と思ったという。卒業後は乗馬クラブの指導員として働く。しかし、当時は障害者を馬に乗せているだけで知識や技術が伴っていなかったため、資格制度が整っているヨーロッパで勉強したいとの思いを強くする。

念願叶ってドイツで3カ月間の研修を受け、障害者乗馬の技術と理論を学び本格的にこの道を進み始めようとした矢先、突然、病魔に襲われた。背中にボルトを入れる大手術をして、一時はまったく歩けなかったという。その後、リハビリを経て日本で介護の仕事を始めた彼女は、やはり夢をあきらめることができず、ドイツ国際平和村の研修生としてドイツに戻って来た。そして再度、一から障害者乗馬の専門家への道を目指す。

「数年前の私には途方もない夢物語だったけど、やっと近づいてきた!」1年間のインターンを終えると障害者乗馬の資格取得、夢の実現まであと一歩。

(編集部:高橋萌)

レッスン風景
身体・知的障害を持つ生徒とのレッスン風景

馬たち
左)ポニーは子どもたちの人気者
右)調教、世話をしていた馬の角二郎とのツーショット
Information

障害者乗馬とは・・・・・・

障害を持つ人が乗馬を通してリハビリなどを行うこと。ドイツ語では「Therapeutisches Reiten」と呼ばれる。主に以下の3つの分野に分かれている

① スポーツとしての乗馬
「ドレッサージ」「カドリール」「軽乗」など、パラリンピックの正式種目でもある競技としての乗馬

② 理学療法としての乗馬
身体の機能改善・維持のために行うリハビリ。乗馬することにより筋肉や神経を刺激する。医療行為としての乗馬

③ 心理療法・教育を馬を介して行う分野
乗馬、もしくは馬との関わり、馬の世話を通して行う心理療法。馬の上でゲームをしたり遊んだりしながら、コミュニケーション能力や認識能力の向上などを目指す教育的なアプローチも行われる

 
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