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Hautarztpraxis Dr Chen プライベート皮膚科診療院 Dr. チェン
Fr. 19. Okt. 2018

輝け、原石たち
日本を飛び出し、ドイツで切磋琢磨する "若き血潮" を紹介します。

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薬学博士
藤川 雄太さん YUTA FUJIKAWA


藤川 雄太さん
1980年 福岡県北九州市生まれ
2004月3月 千葉大学薬学部
薬学総合薬品科学科卒業
2009年3月 東京大学大学院
薬学系研究科博士課程修了。
薬学博士号取得
2009年9月~ ドイツがん研究センターにて
博士研究員。ハイデルベルク在住

薬剤師の資格が取れる、薬という物質の作用を多角的に見ることができるという理由で薬学を修めたが、新薬開発のきっかけになり得るような生命的現象の発見につながる研究をしたいと思い、渡独。がん研究センターに、博士研究員(ポスドク)として勤務している。

科学者ならば、誰しもが「世紀の大発見」を夢見るのではないだろうか、その分野が薬学なら、病気に苦しむ人々を救う画期的な新薬の開発に望みをかけるのではないか―そう思っていた。しかし薬学博士、藤川雄太さんの話を聞く限り、研究とはそれほど単純なものではなさそうだ。  世界中から科学者を集め、がんなどの疾患の解明に取り組むドイツがん研究センターで、藤川さんはがん細胞に多いとされる活性酸素を捉える方法論の開発に励んでいる。「方法論」という言葉が気になった。がん組織の研究ではないのか。  

「生命科学の研究とは、生体内で起こる現象を計算式や論理を用いて記述し、理解するもの。ただそこにはいくつかの階層があり、新しい実験方法を開発する研究、未知の現象を明らかにする研究、それを基に実際の医療などに応用していく研究……。それぞれの研究分野に役割がある」と藤川さんは言う。彼の研究に当てはめれば、出現する細胞もタイミングも作用も全く異なる、捉えどころのない活性酸素という分子をいかに見えるようにするか、そのための方法を開発する役割を担っているのだ。それを使って未知の現象の解明を目指す研究者が実験を行い、活性酸素がいつ、どこで、どのように発生するのか、がんの進行にどう寄与しているのかが分かれば、その仕組みを遮断する新薬開発の道が開けるかもしれない。つまり発見とは、様々な研究の積み重ねによってのみ得られるものであり、藤川さんが行う研究は、その過程の土台作りといったところ。  

一大発見によって世界から注目を浴びるようなポジションではない。しかし、もし誰かが藤川さんが開発した方法論を用いて成果を挙げたなら、それは彼にとっても大きな功績となるだろう。「自分が関わる人々にインスピレーションを与えられる人間になりたい」と語る藤川さんは、この8月で3年間のドイツ生活を終え、日本の大学で助教職に就く。謎に満ちた自然界の紐解きを支える“縁の下の力持ち”の本領が発揮されるのは、これからだ。

(編集部:林 康子)

実験風景
DKFZの研究室での実験風景。危険な試薬を扱うため、白衣を着用。自分の名前が入った白衣が支給される
研究室のメンバー
研究室のメンバー。出身国はさまざまで、インターナショナルな雰囲気セミナーの風景
がん研究センターでのセミナーの風景。関連分野の研究者たちの前で自分の研究を発表し、ディスカッションを行う
 
がん研究センター
がん研究センター

ハイデルベルクにあるドイツがん研究センター(DKFZ)は、地元の大学病院などと提携した臨床応用向けの研究からがんの基礎生物研究まで、広範な視点でがんの実態に迫る、この分野では世界トップレベルの国立研究機関。2008年には同センターのハラルト・ツア・ハウゼン博士が、子宮頸がんを引き起こす「ヒトパピローマウイルス」の発見によってノーベル医学生理学賞を受賞している。

Deutsches Krebsforschungszentrum
Im Neuenheimer Feld 280, 69120 Heidelberg
www.dkfz.de
 
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