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日本とこんなに違う!ドイツの入学式に参加して

桜が舞い散る4月に迎える「入学式」の情景は、日本で育った僕にとって当たり前のものでしたが、ここドイツでは夏が終わる頃に「入学式」がやってきます。ドイツは州によって学制が異なりますが、僕らが住むニーダーザクセン州では小学校は4年生まで。多くの子どもは5年生から次の学校に進学します。今年8月の終わり、子どもの入学式に参加したので、今回はブラウンシュバイクの学校の入学式について書きたいと思います。

僕が「日本の入学式ってどんなものですか」と聞かれて思い浮かべるのは、「校長先生の講話」です。もちろんさまざまな形があると思いますが、学校の体育館にずらっと並び、先生の話を聞く生徒の光景が印象的ですが、うちの子どもが通う学校の入学式はまるで違っていました。

制服もなく服装も自由制服もなく服装も自由

入学式は3部形式になっていて、最初は地元の教会によるセレモニー。参加は自由ですが、ほとんどの人が参加していました。ドイツの学校はキリスト教系でなくても教会との距離が近く、校長先生より牧師の話を聞く機会の方が多いです。子どもたちが聖書の一節を暗唱する姿を見て、僕自身とは違う文化圏で育ったことを改めて感じました。面白いと思ったのは、それぞれの「座り方」。生徒や家族の座る場所が決められておらず、椅子や芝生の上、友だちの隣、家族と一緒になど好きなように座っているのです。

次に講堂で入学式が始まりました。場所を講堂に移し、司会の先生が短くあいさつをしましたが、メインは在校生の催し物。コーラスクラスによる歌が始まり、学校生活の一幕をユーモアを交えながら描いていきます。その後は、クラス旅行のドタバタを描く演劇。出発前に何度もトイレへ駆け込む生徒の演技を見て、これから入学する子どもたちが笑っていました。

歌、劇、ダンス歌、劇、ダンス

最後に在校生の親が用意したパーティーに参加します。一緒に歌って、演劇を見て、コーヒーとケーキを味わった「入学式」。最後まで校長先生の講話はなく、どなたが校長先生なのかすら分からずに終わりました。

翌日、イタリア・ドイツ系家族の「入学パーティー」に参加しました。庭に設置されたテントに、豪華な食事とお酒。さらに子どもの顔がプリントされたケーキまであり、まるで結婚式のパーティーのようです。子どもの「入学」を親しい人たちと祝いたいという、親の愛情を感じました。こうして別の文化圏の式を経験すると、日本のセレモニーの特徴が改めて認識できますね。入学の祝い方はそれぞれですが、子どもが学校へ通える大切さを改めて感じた時間でした。

国本隆史(くにもと・たかし)
神戸のコミュニティメディアで働いた後、2012年ドイツへ移住。現在ブラウンシュバイクで、ドキュメンタリーを中心に映像制作。作品に「ヒバクシャとボクの旅」「なぜ僕がドイツ語を学ぶのか」など。三児の父。
takashikunimoto.net
 
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