Fujitsu 202601

癒しと健康のオアシス 潮風が吹くザリネンタールへ

海から遠く離れた場所なのに、潮風が楽しめる場所がある。そんな魅力的な誘い文句に導かれ、冬休みを兼ねて友だち家族と一緒に、バート・クロイツナハにある野外吸入療法施設「ザリネンタール」を訪れました。

茅葺き屋根のような巨大なGradierwerk茅葺き屋根のような巨大なGradierwerk

この場所はフランクフルトから1時間ほど西へ走ったところにあります。現地に行くと、想像以上に大きな、枝が刺さったような木造構造物がいくつも目の前に広がっています。茅葺き屋根を横にしたような形をしているそれは「Gradierwerk」といわれる、伝統的な塩の濃縮塔でした。この地域では、自然の地質条件によって土に塩分が豊富に含まれていて、地下深くから湧き上がる水が地層を通る過程で、塩分濃度の高い「かん水」になるそうです。この濃縮塔は、地下からくみ上げた塩分を含んだ水を上部から流し、枝を伝って下へと滴らせる過程で水分が蒸発し、空気中に塩分が放出されることで、まるで海の近くにいるかのような潮風が楽しめるというものでした。

凍ったナーヘ川凍ったナーヘ川

かつては、塩の生産が行われていましたが、保養地としての歴史もあり、現在は欧州最大級の屋外吸入療法施設として、スパや主に呼吸器系の療養のために利用されています。塩分を含む空気を吸うことで、気道を潤し、呼吸を楽にする効果が期待できるそうです。皮ふ疾患やリウマチなどの治療にも使われ、古くから健康と癒しの場として親しまれています。

散歩道では水車も見ることができます散歩道では水車も見ることができます

調べずに現地に行ってビックリ。なんと潮風が楽しめるのはイースター頃〜11月までの期間だそうで、私が行った冬には濃縮塔は止まっていました……。それは残念でしたが、園内にはナーヘ川が通っていて、寒空で凍った川を叩き割り、かき分けながらカヌーをしている人たちを見ることができました。このナーヘ川沿いには、ジュニアからトップアスリートまで幅広く活動しているカヌークラブがあり、国内外の大会でメダリストを数多く輩出しているクラブのようです。2021年の東京オリンピックで金メダルを獲ったリカルダ・フンク選手はこのクラブ出身で、多くの写真が掲載されていました。

園内にはほかにも、緑豊かな自然に囲まれながら開放的な気分で遊べるガラス張りの温水プール「Salinenbad」がありました。このプールは塩水ではないそうですが、屋外プールが開く時期には、潮風を楽しみながら泳げる場所となっているそうです。圧巻の伝統建造物を見たり、ナーヘ川沿いで潮風を楽しんだり、カヌーの体験をしたりと、自然の中でゆったりとした一日を過ごすのにとても良い場所でした。

S. ヨーコ
2013年からヴィースバーデンに在住。日本とドイツで出産を経験し、現在は2児の母。つたないドイツ語にあくせくし、日々格闘中。人の工夫が伝わる建造物や食器を見るのが好き。

 
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