車椅子バスケットボールのチーム「ハノーファー・ユナイテッド」で初めて、日本選手が活躍しています。2021年東京パラリンピック銀メダリストの高柗義伸さん。今シーズンの5月までプレイしています。
試合中の高柗さん。選手たちは筋肉隆々で、試合は迫力満点です
ドイツには、車椅子バスケのリーグが第1から第3まであり、ハノーファー・ユナイテッドは第1リーグの10チームのうちの一つです。また、ハノーファーのスポーツ寄宿舎には130人の生徒が在籍し、卓球や柔道など通常種目のほか、車椅子バスケのコースもあります。第1リーグのメンバー9人のうち、米国、オーストラリア、日本以外の選手6人がこの寄宿舎の出身で、地元で育てた選手を中心に戦っているのが自慢。寄宿制度により健常者はもちろん障がい者にも、プロ選手として生きる道が開けるのは素晴らしいです。なお、選手は心理学や不動産など、それぞれ専門分野を学校で学んだので、バスケ選手引退後は各分野で仕事をしているそうです。
チームのスポンサーであり、障がい者向けに自動車を改造する企業INDIVIDUALを見学する高柗さん
高柗さんは高校1年生のとき、ガンで左足の大だいたい腿切断をしたのをきっかけに、車椅子バスケを始めました。大学卒業後、アスリート雇用で株式会社キッズコーポレーションの社員に。経験を積むため渡独し、「チームメイトはみんな優しくて、歓迎してくれていると感じます。時々すごく議論しているのを見ますが、年齢に関係なくフラットに言い合えるのはいいなと思います」と語ります。
車椅バスケでは、障がいの度合いに応じて各人に1〜4.5ポイントが割り振られ、5人1チームで計14点以下でなければなりません。女性選手は自動的に1.5ポイント低くなります。高柗さんは4ポイントで、軽い方から2番目です。
チーム責任者のウド・シュルツさんは、高柗さんについて「車椅子の扱いが抜群にうまく、エネルギッシュ。言葉の壁があるにもかかわらず、いつも笑顔で、チームメイトにも笑顔が伝染します。いつも100%真剣に練習し、周りにも全力投球を要求するので、チームのレベルアップにつながっています」と評価しています。 高柗さんは車椅子バスケを始めて今年で10年。「ドイツはゲーム数が多く、毎週のように試合できるのは選手としてありがたい」といい、ホーム試合や遠征試合を満喫しています。
ハノーファー・ユナイテッドの選手やコーチ
チームの役員の方が、「車椅子バスケは、障がい者、健常者、女性、男性と誰もが参加できるとてもインクルーシブなスポーツ」と話していましたが、まさにその通り。私も新しい世界を知り、わくわくしています。
ハノーファー・ユナイテッド:www.hannover-united.de
日本で新聞記者を経て1996年よりハノーファー在住。ジャーナリスト、法廷通訳士。著書に『なぜドイツではエネルギーシフトが進むのか(学芸出版社)』、共著に『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿(光文社新書)』、『夫婦別姓─家族と多様性の各国事情(筑摩書房)』など。



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