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キーラー・ウムシュラーク

2月と言えばライン川流域のカーニバルが有名ですが、北ドイツのキールでも2月下旬に春を呼び込むようなお祭り、キーラー・ウムシュラーク(Kieler Umschlag=キール市場)が開催されます。

その名の通り、もともとは野菜や家畜が売買される市場だったそうですが、現在ではたくさんの屋台や移動遊園地が並ぶ、よくある祭りの1つという感じです。ですが、この祭りの起こりは15世紀半ばと古く、その名残から、中世の衣装を身につけた人々が手工芸品のお店を出したり(レプリカの剣まで売っています!)、通りをパレードしたり踊ったりする姿が見られます。

中世の衣装を着た人たちによる演奏 中世の衣装を着た人たちによる演奏

祭りのスタートも、18世紀初めに市民から大変人望があったというキール市長アスムス・ブレーマー氏とその奥さんを演じる2人を眠りから起すパフォーマンスで始まるというユニークなものです。(同氏はキールの経済発展のためにキーラー・ウムシュラークを大規模なものにした人です)アスムス・ブレーマー・プラッツには、木陰のベンチに腰掛けている彼の銅像があります。祭りの期間中はその傍らに特別なポストが設置され、キール市民なら誰でも市への要望を手紙に書くことができます。祭りが終わった後、手紙はすべて市長に届けられるそうなので、もしかしたらあなたの要求が通るかも?!

広場では楽しそうな踊りも見られる 広場では楽しそうな踊りも見られる

また、毎年たくさんの応募カップルの中から1組が「キーラー・ウムシュラークのカップル」に選ばれ、祭り期間中に結婚式を挙げています。式の費用等は祭りのスポンサーが負担してくれる上、大勢の人々から祝福されるため、人気が高いそうです。コレクターに人気の“Umschlagsthaler”という、毎年デザインが変わる特別硬貨も発売されます。この硬貨は残念ながら買い物には使えません。今年のモチーフは、昨年創立20周年を迎えたキールのビール醸造所(Die Kieler Brauerei)だそうです。そのほか、ニコライ教会や野外ステージで様々なミニ・コンサートが開かれるなど、イベントも盛りだくさんです。カーニバルほどの華やかさはないかもしれませんが、毎年この祭りが始まるともう春も近いんだなぁと感じる私です。

今年は2月26日~3月1日の4日間、キール市内のAlter MarktからSophienhof(ショッピング・アーケード)にかけて開催されます。

ブレーマー市長夫妻のパレードブレーマー市長夫妻のパレード

ゼルヒャウ・ハンゼン美穂
福岡出身。2005年に渡独。夫と娘との3人家族。キール・フィルハーモニー合唱団所属の音楽好き。最近凝っているのは家庭菜園。
 
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