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帆船の大パレード

キールに初めて来た際、日本の自分の部屋に張っていたポスターの帆船が、実際に目の前に停まっているのを思いがけず見つけた時の驚きと感動を今でも覚えています。そんな帆船好きの私にとって、6月末に開催された祭り「キーラー・ヴォッヘ」は、たくさんの帆船が集う光景を堪能できる嬉しいお祭りでした。

祭りの期間中は、たくさんの帆船がお客さんを乗せてキール湾を航行するのですが、今年は私も、実際に帆船クルーズする機会を得られたのです! オランダの中型帆船“Wytske Eelkje”に乗って、キール湾内のデュスターンブローク(Düsternbrook)からラボー(Loboe)までを往復3時間かけて潮風に吹かれてきました。途中、すれ違う様々な船やキール湾岸の景色を眺めつつ、ビールやワインなどを飲みながら、日常を忘れ、ゆったり海の上で過ごすひと時は贅沢なものでした。1年の半分以上をこの船の上で過ごしているという船長さんが、羨ましく見えたほどです。

また6月27日には、キール湾の海岸沿いに朝からおよそ12万もの人々が集まりました。帆船大パレード(Windjammerparade)を見るためです。このパレードは1972年のミュンヘン・オリンピック以来、キーラー・ヴォッヘの締めを飾る一大イベントとして定着しています。私も例年のように家族と一緒に、敷物・飲み物などを携えてピクニック気分で出掛けてきました。まずはパレードが始まる1時間前に、キール湾東側メンケベルク(Mönkeberg)の見晴らしの良い海岸の岩の上に見物場所を確保。すでに、砂浜や桟橋はたくさんの見物客で賑わっていました。

www.kieler-woche.de/MMP/_2009/video.php?video_id=54

帆船パレードの様子 帆船パレードの様子

パレードは、数隻の大型帆船がそれぞれ中・小の船を誘導するというフォーメーションを作り、午前11時にスタートの砲声とともにキール湾奥を出発しました。先頭は鷲の船首飾りが特徴の、ドイツの海軍練習帆船「ゴルヒ・フォック(Gorch Fock)」です。110以上の帆船、そして30の蒸気船および登録数には含まれない帆船や無数のスポーツボートが同行し、約2時間かけて堂々たるパレードを繰り広げ、バルト海へ出て行きました。これだけ多くの船が一斉に航行する姿を見られるのも、キール湾の地形があってこそ。世界でも、こういう地域はそんなに多くはないと思います。

ただ1つ残念だったのは、風向きが悪かったため、一部しか帆が張られていなかったことです。すべての帆が張られていたら、より一層美しかっただろうにと思いましたが、まあ、また来年に期待することにしましょう。なお、下記のURLでパレードの迫力を垣間見ることができます。

帆船“Wytske Eelkje”の船長と水夫さん 帆船 “Wytske Eelkje” の船長と水夫さん

ゼルヒャウ・ハンゼン美穂
福岡出身。2005年に渡独。夫と娘との3人家族。キール・フィルハーモニー合唱団所属の音楽好き。最近凝っているのは家庭菜園。
 
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