私は子どもの頃から手を動かして何かを作るのが大好きで、ドイツに移ってからは仕事の一部になっています。そんな私が数年前から気になっていた場所が、自宅から自転車で10分ほどの距離にある、ライプツィヒ市北部のゴーリス地区の「Makerspace Leipzig」(以下 、Makerspace)です。
大好きな広々とした木工スペース
Makerspaceは、ライプツィヒ市内中心部にあるソーシャルカルチャーセンター「Die VILLA」の非営利のコミュニティによって運営されている、ものづくりのためのスペース。運営母体のDie VILLAはgGmbHという公益目的の法人で、市民・文化活動を支えることを目指しています。木工や洋裁、陶芸、電子工作、金属加工など、目的に応じたスペースがあり、ボール盤や木工旋盤、レーザーカッター、3Dプリンターまで、個人ではなかなかそろえられない本格的な設備も。ものづくり好きにとっては夢のような場所で、まさに大人の秘密基地です。
これまで何度か説明会や公開イベントに参加して、長い間、会員になるかどうか迷っていました。というのも、平日の開館時間が夕方から夜にかけてで、家族との時間と両立しにくく、メンバーになっても利用できないかなと考えていたからです。そんななか、昨年から木材加工を含む仕事を始めて、この夏についにMakerspaceの体験会員になりました。実際に通ってみると、意外にも日常生活と両立しやすく、子どもも気に入っていて、ついてくることもあります。
木工旋盤のような大きな機械も完備
基本は自分の責任で作業するスタイルですが、経験豊かなメンバーがいることもあり、困ったときには快く助言してくれる雰囲気があります。私自身、木工に挑戦した際、久しぶりに使う木工旋盤の使い方を教えてもらったり、材料選びを手伝ってもらったりと、とても心強く感じました。Makerspaceでは、ものづくり以外にもさまざまなコミュニティ活動が行われていて、私も一度子どもと一緒にコミュニティの朝食会に参加しました。移民向けのドイツ語の練習を目的としたゲームやピクニックも毎週企画されていて、私もいつか参加したいと思っています。
気になるお値段は良心的で、私は2カ月の体験会員として50ユーロを支払いました。金額はメンバーシップによりますが、高くても月額30ユーロほど。大人が趣味を楽しむための毎月の出費としては、お財布に優しい金額といえるのではないでしょうか。
木製のチャットロボットの制作もMakerspaceで行っています
そろそろ体験会員の期間も終わり。庭仕事が落ち着く秋冬が来ることもあって、本会員としてメンバーシップを延長しようと考えています。気軽に見学できる雰囲気なので、ものづくりが好きなライプツィヒ在住の人も、ほかの街のものづくりの拠点を見てみたいという人も、連絡をとって立ち寄ってみてはいかがでしょうか。私も何か作っているかもしれません!
Makerspace Leipzig:https://makerspace-leipzig.de
IT系の翻訳者・プログラマー。オーストリア、インドを経てドイツへ。ライプツィヒには2016年より在住。三度の食事と、手に入らない食材を自分で育てるのが何よりの楽しみ。古巣のアート分野に戻りつつある。