ドイツといえばジャガイモ、そして秋はジャガイモの季節。最近、子どもが学校でジャガイモの授業があったと言って、習ったことをあれこれ教えてくれます。古くはイタリア語の 「tartufolo」(小さなトリュフ)から、「Tartoffel」(タルトッフェル)と呼ばれるようになり、現在の「Kartoffel」(カルトッフェル)という名前が定着したという、面白いエピソードも子どもに教えてもらいました。
ザクセン州で生産されているジャガイモの展示
私も子どもも無類のジャガイモ好き。毎年秋にザクセン州のジャガイモ協会による「Sächsisches Kartoffelfest」(ザクセン州のジャガイモ祭り)のポスターを見かけては気になっていました。今年は開催日にちょうど近くを通る予定があり、念願かなってジャガイモ祭りをのぞくことができました。
ジャガイモ祭りは、ライプツィヒ市内中心部に設けられたテントで開催。思っていたよりも小規模でしたが、名前の通りザクセン地方で育てられているジャガイモが、所狭しと紹介されていました。もちろん試食もできます。ジャガイモと一口に言っても品種によって味わいはさまざま。10種類を超えるゆでたジャガイモを試食させてもらい、私的には「アントニア」と「テレーザ」という品種がおいしいという結論に。かわいい名前が付いていると、ジャガイモがより身近なものに感じられます。
ジャガイモの試食コーナー
試食コーナーの先には、レシピコーナーもありました。紹介されるレシピは毎年違うそうですが、今年のレシピはホワイトクリームとジャガイモのグラタン。試食させてもらうと、秋冬の寒い季節にぴったりな味わい。ぜひ家でも作ってみたいと思い、レシピカードをもらってきました。屋台コーナーでは、ジャガイモを使った軽食が良心的な値段で提供されていました。ちょうどお昼時だったこともあり、子どもと以前から気になっていたトルネードポテトを一緒に注文。味はもちろん、見た目でもテンションが上がり、思わず家でも再現できないかなと考えてしまいます。
くるくるとスライスされたポテトが串に刺さった「トルネードポテト」
帰りがけには、ジャガイモのお試しパックを二つお土産に購入しました。家に帰ってからオーブンで皮ごとグリルし、刻んだハーブを混ぜて塩こしょうで味つけしたクワークを添えて、家族で食べました。焼きたてのジャガイモはほくほくで、シンプルながら大満足の味わい。買ってきた分を一晩で完食してしまいました。「来年もまた行きたいね」と子どもと話しながら、あらためて季節の味わいっていいなと思うのでした。来年も地域の味を楽しみに、ジャガイモ祭りに足を運びたいです。
IT系の翻訳者・プログラマー。オーストリア、インドを経てドイツへ。ライプツィヒには2016年より在住。三度の食事と、手に入らない食材を自分で育てるのが何よりの楽しみ。古巣のアート分野に戻りつつある。



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