ドイツでは、ガーデニングが趣味としてとても人気です。アパート住まいで庭がない人でも、市などが運営するクラインガルテン(市民農園)を借りて、多くの人がガーデニングにいそしんでいます。そのため庭造りの展示会なども盛んに行われており、今回、ミュンヘン郊外で開催されている「ガーデンデイズ」に足を運びました。会場は、フュルステンフェルトブルック(Fürstenfeldbruck)にある修道院です。
荘厳なバロック様式の教会堂に設置されたパイプオルガン
このイベントは今年で22回目の開催。例年通り、聖霊降臨日(今年は6月8日)を挟んで開催されました。私が訪れた初日は快晴で、修道院に到着する手前にある駐車場も平日ながら満車。多くの人々がこのイベントを心待ちにしていたことが伝わってきました。
イベントのメインは植物とガーデニング用品の展示即売会なのですが、会場である修道院にはバロック様式の教会堂があるので、まずはそちらの見学に。一歩足を踏み入れた瞬間、その壮麗さに圧倒されます。教会堂の見学だけでも、十分に訪れる価値があったと思いました。それもそのはず、教会内部の装飾は、バロック・ロココ様式の最高傑作とされるミュンヘンのアザム教会を建設した、アザム兄弟が手掛けたものだったのです。もともとはシトー派の修道院として建立されましたが、現在では広い敷地を生かし、さまざまな催し物の会場としても利用されています。
会場となった修道院の庭に、花や苗の販売ブースがずらりと並ぶ
さて、会場に戻ると、所狭しとブースが並び、花壇用の花の苗やバラなどの木々のほか、野菜や果物の苗も販売されていました。個人的には、小さなサボテン系の苗に興味を惹かれました。これなら庭がなくても、植木鉢で育てることができます。ガーデニング用品ということで、剪定ばさみや庭に飾る置物、ハンモック、石の水がめ、ガーデンハウスなどのコーナーまであり、来場者は真剣な表情で品定めをしていました。販売だけでなく、ガーデニングに関するワークショップやテーマ別の講演会も行われており、ガーデニングに関する幅広いニーズに応える内容となっています。
ガーデン用の装飾品が人気を集めていた販売コーナー
修道院は広いので歩くのが大変ですが、会場内にはビアガーデンがあるほか、所々にカフェブースがあり、座って一休みできるようになっているのがうれしいポイント。サックスなどの生演奏も行われていました。子どもたちのためには遊具が完備されていて、家族で遠足気分を味わえる催しでした。
会場を出て家路へ向かう人々は、本日の収穫(花の苗など)を両手に抱えて、皆さんニコニコ顔。きっと、自分の庭がこれらの花で彩られ、すてきになっていくのを想像しているのでしょう。そんな人々を眺めながら、私も幸せな気持ちになりました。
イエス・キリストに出会って、声楽専攻から牧師に転身。2022年よりミュンヘン日本語キリスト教会牧師。今でも少女マンガ、オペラ、ダンスは大好きです。 www.muc-japan-christ.com/