「ジジジ」と目覚ましが鳴る。真っ暗な中で目を覚ますと、
ドイツの冬の到来を否応なしに実感する。
当地の冬は、寒さはもとより暗闇がなかなか堪える。
そんな冬の暗さを 明るく照らすのが、クリスマスマーケットという存在。
吐く息の白ささえ、雰囲気を盛り上げる一助となり、
「寒いね」と語らう言葉には笑顔が寄り添う。
そんな冬の幸せな風景が、クリスマスマーケットの開店とともに
あなたの街にもやって来る。 (編集部:高橋 萌)
Nürnberger Christkindlesmarkt
ニュルンベルクの繁栄、苦難の時代
クリスマスマーケットが照らした人々の笑顔
おもちゃ箱をひっくり返したような」と形容されるニュルンベルクの旧市街が黄金に輝き、ブロンドのカールを軽やかになびかせながらクリストキントが微笑む。世界一有名なクリスマスマーケットとして国内外の人々を惹き付けて止まない、ニュルンベルクの「クリストキントレスマルクト」の魅力とは?
ワーグナー作曲の楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の舞台となった16世紀のニュルンベルクは、神聖ローマ帝国内でもケルンと並ぶ大都市の1つに数えられていた。腕利きの職人たちが集まり、手工芸の中心地として最盛期を迎えたこの頃、この地で初めてクリスマスマーケットが開かれたと伝えられている。クリスマスを待ち遠しく思う気持ちは、中世も今と変わらないものだっただろうか・・・・・・。いや、現代より夜の闇が深く、娯楽も少なかった時代のこと、私たちの想像以上に特別なイベントだったはず。
時代は変わり、20世紀初頭。ナチスの台頭を許したドイツにあって、ニュルンベルクは「帝国党大会の街」と呼ばれ、ナチス支配を象徴する街となる。一時はその活気を失っていたクリスマスマーケットもこの時代、奇しくもナチスのプロパガンダに利用される形で、再び鮮やかに蘇る。だが、ナチスの拠点であったがために、第2次世界大戦では徹底的に空爆され、街は壊滅状態に。ナチスの戦犯を裁く「ニュルンベルク裁判」が1945年11月に開かれ、戦争が残した爪あとが重く街を覆っていた。裁判が閉廷した翌月、1946年11月末になるとしかし、瓦礫の中に小屋が立ち始め、小規模ながらもクリスマスマーケットが復活したのだ。
ニュルンベルク市民の復興の象徴として開催された、瓦礫の山のクリスマスマーケットは、絶望の中に灯る一筋の希望の光だったのかもしれない。
その後、旧市街を完璧に復元し、工業都市として発展を遂げたニュルンベルクで、クリスマスマーケットも年々規模を拡大。毎年約200万人が訪れる一大イベントに成長し、現在の「世界一」の名声を得るまでになった。
ニュルンベルクのクリスマスマーケットは、中世から続く職人の腕と、苦難を乗り越えてきた市民の底力に支えられている。ドイツ各地のクリスマスマーケットにも共通する、地元を愛する市民の情熱。変わり行く時代の中で、変わらぬ価値を大切にするその姿勢が、ドイツの冬の風物詩を一層輝かせているのだろう。そんな風に考えると、クリスマスマーケットでのちょっとした人々との触れ合いもまた、楽しみの1つになってくる。
オープン: 2012年11月30日(金)9:30~22:00
クローズ: 2012年12月24日(月)9:30~14:00
場所: Hauptmarkt
時間: 9:30~20:00、金・土9:30~22:00、日10:30~20:00
www.christkindlesmarkt.de
Dresdner Striezelmarkt
ドイツで最も歴史ある
クリスマスマーケットは見栄っ張り?
ドイツ最古のクリスマスマーケットとして知られるドレスデンの「シュトリーツェルマルクト」は、1434年にすでにその存在が確認されている。ザクセンの中心地として栄華を極めた古都の市民はきっと、ちょっと見栄っ張り。クリスマスマーケットには、世界最大としてギネスブックに登録された、高さ14.61メートルの巨大なクリスマスピラミッドがそびえ立ち、42体の人形を乗せてくるくると回っている。
そして、クリスマスに欠かせない香辛料たっぷりのお菓子「シュトレン」は、ドレスデンが本場。その本場の威信を掛けて1730年頃からアウグスト強王の命により始まったのが、シュトレンフェスト(2012年は12月8日)。長さ3メートルにもおよぶ巨大なシュトレンが訪問者にふるまわれる。巨大なものが目玉のマーケット。
オープン: 2012年11月28日(水)16:00~21:00
クローズ: 2012年12月24日(月)10:00~14:00
場所: Altmarkt
時間: 10:00~21:00、12月7日10:00~23:00
www.dresden.de/striezelmarkt
Stuttgarter Weihnachtsmarkt
自動車の街シュトゥットガルトの
マーケットはど派手!
ドイツ三大クリスマスマーケットの1つに数えられる(ほかニュルンベルク、ドレスデン)シュトゥットガルトでは、とにかく上ばかりを向いて歩くことになるだろう。なにせ、屋台の屋根の上がてんこ盛りに装飾されているのだ。それぞれの屋台が飾り付けを張り切る理由は、最も美しい屋台を決めるコンテストがあるから。
ちなみに昨年は、シュヴァーベン地方の名物料理シュペッツレの屋台Christine Winkleが1位に輝いた。規模の大きさ、派手さ、歴史の深さ、どれを取っても南ドイツNo.1のこの地のクリスマスマーケットには、スイスやオーストリアからも人が押し寄せ、毎年400万人以上の来場者で賑わうという。期間中は、旧宮殿、新宮殿、シラー広場と、歴史的建築物の宝庫でもある市内中心部がイルミネーションで輝く。
オープン: 2012年11月28日(水)18:00~21:00
クローズ: 2012年12月23日(日)11:00~21:00
場所: Marktplatz
時間: 10:00~21:00、日11:00~21:00
www.stuttgarter-weihnachtsmarkt.de
Märchenweihnachtsmarkt Kassel
絵本の中に迷い込んだような
クリスマスマーケット
カッセルは、グリム兄弟が青年期に学び、後に仕事を得て家族と暮らした地。それゆえメルヘン街道の中心的役割を担うカッセルのクリスマスマーケットのテーマは、もちろん「メルヘン」。世界最大のメルヘンピラミッドをはじめ、マーケットの一角に白雪姫と7人の小人が現れ、屋台の屋根からカエルの王様が訪問者を覗くといった様子で、あちらこちらにメルヘンの世界が再現されている。中世の衣装を着たガイドによる物語のような解説を聞きながらめぐるツアー「Kassel im Lichterglanz」も人気。
今年、グリム童話刊行200周年を祝うこの街では、クリスマスマーケットも例年以上に気合いが入っているようで、当初の開催期間は12月23日までだったが、年末30日まで延長することが決まっている。
オープン: 2012年11月26日(月)11:00~20:00
クローズ: 2012年12月30日(日)11:00~20:00
場所: Königsplatz, Friedrichsplatz, Opernplatz, Karlsplatz
時間: 11:00~20:00(飲食屋台は22:00まで)、12月24、25日は休み
www.weihnachtsmarkt-kassel.de
Lübeck - Weihnachtsstadt des Nordens
ハンザの女王の懐では、
中世からの伝統が今に息づく
北ドイツ一美しいクリスマスの街と言われるリューベック。「ハンザの女王」と謳われ、北海・バルト海交易で富を得た街はこの季節、一斉に光に包まれる。世界遺産に指定されている旧市街で開かれるクリスマスマーケットはどれも個性的。マリエン教会周辺には歴史的なクリスマスマーケット、そのすぐ側には、童話の世界を再現したメルヘンの森が広がる。さすがハンザ同盟の盟主とうならせられるのが、海のクリスマスマーケット(Maritimer Weihnachtsmarkt)。
その他、期間限定で手工芸の職人が集まるクラフトマーケットも開催される。中でも最大規模のマーケットは市庁舎前のもので、ここには約150の屋台が並び、リューベック名物マジパンの屋台が甘い香りを漂わせる。
オープン: 2012年11月26日(月)11:00~21:00
クローズ: 2012年12月30日(日)11:00~21:00
場所: Marktplatz, Breite Straße
時間: 11:00~21:00(Breite Straßeは20:00まで)、金土11:00~22:00
11月30日11:00~23:00、12月24日11:00~14:00、12月25日は休み
www.luebecker-weihnachtsmarkt.de
文豪ゲーテも楽しんだ
Weihnachtsmarkt Frankfurt
オープン: 2012年11月26日(月)10:00~21:00
クローズ: 2012年12月23日(日)11:00~21:00
場所: Römerberg, Paulsplatz, Mainkai
時間: 10:00~21:00、日11:00~21:00
www.frankfurt-tourismus.de
クリスマスクリッペの品揃えはドイツ随一
Münchner Christkindlmarkt
オープン: 2012年11月26日(月)10:00~21:00
クローズ: 2012年12月24日(月)9:00~14:00
場所: Marienplatz
時間: 10:30~21:00、日10:30~20:00
www.christkindlmarkt-muenchen.de
世界最大規模のアドヴェント・カレンダーがある
Leipziger Weihnachtsmarkt
オープン: 2012年11月27日(火)17:00~21:00
クローズ: 2012年12月23日(日)10:00~20:00
場所: Marktplatz, Augustusplatz, Burgplatz
時間: 10:00~21:00
www.leipzig.de/weihnachtsmarkt
7つの個性的なマーケットに出会える
Düsseldorfer Weihnachtsmarkt
オープン: 2012年11月22日(木)11:00~20:00
クローズ: 2012年12月23日(日)11:00~20:00
場所: Marktplatz, Heinrich-Heine-Platz, Schadowplatz, Jan-Wellem Denkmal Marktplatz, Flinger Straße, Stadtbrückchen, Gustaf-Gründgens-Platz
時間: 11:00~20:00、金土11:00~21:00、11月25日は休み
www.duesseldorf-tourismus.de/weihnachtsmarkt
クリスマスマーケット人気ランキングの上位常連
Erfurter Weihnachtsmarkt
オープン: 2012年11月27日(火)10:00~20:00
クローズ: 2012年12月22日(土)10:00~21:00
場所: Domplatz
時間: 10:00~20:00、木~土10:00~21:00
www.erfurter-weihnachtsmarkt.eu
高さ45メートルのクリスマスツリーが自慢
Dortmunder Weihnachtsmarkt
オープン: 2012年11月22日(木)10:00~21:00
クローズ: 2012年12月23日(日)12:00~21:00
場所: Alter Markt
時間: 10:00~21:00、金土10:00~22:00、日12:00~21:00
11月25日は休み
www.dortmunderweihnachtsmarkt.de
ドイツ最大の旧市街で開かれるマーケット
Bamberger Weihnachtsmarkt
オープン: 2012年11月29日(木)9:00~20:00
クローズ: 2012年12月23日(日)11:00~20:00
場所: Maxplatz
時間: 9:00~20:00、日11:00~20:00
www.bamberg.info
大聖堂の麓で輝く星のようなマーケット
Kölner Weihnachtsmarkt
am Kölner Dom
オープン: 2012年11月26日(月)11:00~21:00
クローズ: 2012年12月23日(日)11:00~21:00
場所: am Kölner Dom
時間: 11:00~21:00、木金11:00~22:00、土10:00~22:00
www.koelnerweihnachtsmarkt.com
お城で開かれるロマンチックなマーケット
Romantischer Weihnachtsmarkt
auf Schloss Thurn und Taxis
オープン: 2012年11月29日(木)12:00~23:00
クローズ: 2012年12月23日(日)12:00~22:00
場所: Schloss Thurn und Taxis
時間: 12:00~22:00、木~土12:00~23:00
入場: 5.50€(土日6.50€)、子ども(6~16歳)1€ www.romantischer-weihnachtsmarkt-thurnundtaxis.de



インベスト・イン・ババリア
スケッチブック

































車は片手で持ち上げられる?太鼓を叩いてロウソクの火を消せる?鏡で後姿を見るには?世の中には不可能と思われていても、実は意外と簡単にできてしまうことがたくさんある。ここは、そんな不思議な現象の謎を、五感を使って解き明かすための場所。対象は200以上の自然化学、物理学的な現象。北海沿岸の町カロリーネンジールとルール地方のエッセンには、系列の博物館「Phänomania」がある。
普段、頻繁に耳にするけれど、その実態は意外と知らない「気候変動」。同博物館では、世界各地の気温と湿度を体感できる「旅」、大気中の要素と気象の関係に焦点を当てた「要素」、地球誕生の歴史、人類が引き起こした気候変動、そして今後の行方を紐解く「展望」、今私たちが地球のためにできることを考える「新たな道」の4つの展示ゾーンを通して、地球上の気候とその変化を包括的に学ぶことができる
総面積5500㎡の広大な会場は、科学研究所とアミューズメントパークが一体になったような空間。科学者たちによって作られた約200点の展示物には、子どもの冒険心を駆り立てる仕掛けが詰まっている。ヒトの進化や遺伝、性について学ぶジャングル、光の速度で道路を走る感覚をバーチャル体験できるサイバースペースなど、7つのテーマ別ゾーンで、質問に答えながら遊び感覚で科学の知識を身に付けよう。
「発見・体験・認識」をテーマにしたこの博物館は、さながら子どもの興味や才能を発掘するための巨大な実験室。エネルギー&環境、技術&イノベーション、人間&コミュニケーション、人間&余暇という4つのエリアには、触れて試せるインタラクティブな展示物がいっぱい。日常に溢れる道具を使って様々な実験を行い、思いがけない発見をすれば、自然科学やテクノロジーへの関心がぐんと高まるだろう。
ろう人形館と言えば、英国発で2008年にベルリンにもオープンした「マダムタッソー」が有名だが、こちらは130年以上続くドイツ最古のろう人形の館。建設当初、同館は今の映画館のような役割を担っていたという。当時の面影が残る古い建物内には、ゲーテやベートーベンなどの歴史上の人物から現代の人気歌手ウド・リンデンベルクの人形まで、120体以上のろう人形が並ぶ。お化け屋敷のような雰囲気の一角も……。
馬はドイツで最も愛されている動物の一種。そのため、ドイツ国内には馬博物館が複数存在するが、こちらはヴェストファーレン地方の馬に特化したもの。「野生馬の進化と家畜化」「生態と行動」「働く馬」など、8つのコーナーを通して、1億年も前から存在するという馬の全貌と、当地の人々と馬が共に歩んできた歴史を明らかにする。敷地内のアリーナ「Hippomaxx」で定期的に開かれている馬のショーは、ここの人気プログラム。
ヒルデスハイム出身の美術蒐集家ヴィルヘルム・ペリツェウスと、その活動を支えた政治家ヘルマン・レーマーに因んで1911年に建てられた博物館は、突出した古代エジプト・コレクションを擁することで世界的にその名を知られている。中でも目玉は、ウィーン、ボストン、カイロの博物館と同館のみが所蔵するというギザの大ピラミッドからの発掘品や、同ピラミッドの建設を指揮したヘミウヌの等身大の像。
1560年代頃からバイエルン公アルブレヒト5世が興味本位で蒐集し始め、ミュンヘンの邸宅に置いていたという硬貨。やがて硬貨の蒐集は貴族たちの間で一種のステータスとなり、18世紀にそれらの一般公開がスタートした。古くは小アジアから、ギリシア、ローマ、ルネッサンス期を経て近現代に至るまで、この博物館には世界各地から集められた貴重な硬貨や宝石メダル、紙幣のコレクションがずらり勢揃いしている。
ノーベル文学賞作家トーマス・マンが自身の子ども時代を基に綴った小説「ブッデンブローク家の人々」。ここでは、その物語を追体験できる。机やハルモニウム、当時の新聞などの展示品の脇には、それぞれ小説の何ページに登場するかが記されており、物語の中の光景がまざまざと浮かび上がるという仕組みだ。年に一度、クリスマスの時期には同家の幸福な日々の記憶を呼び起こすリースがお目見えする。
同博物館はバロック期を代表する作曲家ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの偉業を伝承すべく、2008年に設立されたヘンデル財団が運営している。2009年にヘンデル没後250年を機に始まった常設展「ヘンデル―欧州人」では、ハレに生まれ、欧州を股に掛けて活躍したヘンデルの日常や、楽曲が生まれた背景を知ることができる品々を展示。同館が誇る約700点の歴史的な楽器のコレクションも見逃せない。
1845年に織物商一家に生まれ、物理学者となったヴィルヘルム・レントゲンは、1895年にヴュルツブルク大学で薄暗く光る線を発見した。これが、後に医療診断に革命をもたらすX線。その成果は、ノーベル物理学賞第1号の授与という形で称えられた。同博物館では、様々な体験型展示を通して、彼がたどったX線発見までの道のりや、その後それが医学の分野でどのように応用されていったかをリアルに実感できる。
活版印刷技術の発案者ヨハネス・グーテンベルクの功績を中心に、15世紀から現代までの製本・印刷・活字の発展を俯瞰する博物館。グーテンベルクが印刷した世界的に有名な42行の聖書や古い印刷機、植字機など、ここでしか観られない貴重な展示品が並ぶほか、東アジアやイスラム圏など欧州以外の地域の活字や印刷技術も紹介している。印刷の歴史にまつわる約8000冊の専門書を備えた図書館も併設。
















「ふぐ」の調理に熟練した技と資格が要るように、今年オープンしたFUGUのキッチンで包丁を握るのは、選び抜かれた料理人だけ。魚市場のすぐ側に位置し、食材にもこだわりを持つ同店では、ワサビも日本の本ワサビを使用。ワンランク上の味を楽しむための洗練された空間では、スタンダードなお寿司から、オリジナルのアレンジが効いた新感覚のカリフォルニアロールまで、様々な日本食が振舞われる。さらに、同店が自信を持ってお勧めするのが和牛のステーキ。この贅沢な食材を、お得感を感じられる価格で提供している。



































スイス生まれのパウル・クレーは、20世紀のドイツを代表する画家である。1911年にワシーリー・カンディンスキーと知り合い、表現主義のグループ『青騎士』に参加。20年代には造形学校バウハウスのマイスター、そしてデュッセルドルフ美術アカデミーの教授を歴任するが、ナチスの台頭後まもなく“退廃芸術家”とみなされて国を追われ、1940年にスイスで死去している。 










