Hanacell
小野選手インタビュー

この人の来独を、どれだけ多くの在独日本人が待っていたことか。1月末に入団発表をしてから約1カ月。2月22日には4戦目にしてついに90分フル出場を果たし、試合毎に「ボーフムのシンジ・オノ」としてドイツでも知名度を上げている。日本では”天才“の異名を持ち、確固たる地位を築いた彼も、この国ではデビューしたばかり。いまはまだ挑戦の日々が続く。

サッカーが好きな人もそうでない人も、ぜひ一度、ピッチに立つ小野の姿を見て欲しい。有名人と言えども、彼もまた、祖国を離れ、異国の地に挑む一人の若者なのだから。

「条件云々じゃなく、もう一度欧州で自分を試したかった」

「またこっちに来れたというのが、自分の中で嬉しかったですね。多少、帰ってきたなぁという感じはします。ここはオランダと、天気も言葉も似ていますから。だからドイツ語で相手が何を言っているのか、わかるときもあります。右・左はオランダ語と同じ単語のようなので、試合中も使ってますね」

約6年間暮らしたオランダの港町ロッテルダムを離れ、帰国したのが2006年のこと。そしてこの度、2年ぶりに欧州へ戻ってきた。ルール工業地帯の旧炭鉱町・ボーフムへ来てから、ちょうど1カ月になる。

小野選手「まだボーフムには慣れていないかな。でも、来てすぐに町を探検しましたから、何がどこにあるかはわかります。中華やイタリアン、アルゼンチンなどのレストランや良さそうな洋服屋も見つけました。この前は、同じ時期に入ったアレクセイ(アレクセイ・ベリク、ウクライナの選手)が、中華を食べたことがないと言うので連れていきました。喜んで食べてましたね」

入団発表の4日後、ブンデスリーガ後半戦初戦となる強豪ブレーメン戦で、途中出場ながらもいきなり2アシストの活躍。翌週のホームで行われたコットブス戦では、自らが蹴ったフリーキックがゴールの糸口となった。

「あの時間帯ではあれぐらいやらないと。目標はスタメン。とりあえず今シーズンは2部に落ちないように、毎試合たくさん点を取ることが大事だと思うので、それだけを考えてやっていきたいですね。そしてもっと活躍して、周りから喜ばれるようになりたい。

ボーフムのファンは温かいな、という印象を受けました。途中出場するときの、あの掛け声がおもしろいと思って。『シンジー』と場内アナウンサーが叫ぶと、ファンが『オーノ』と応える。オランダにはなかったな」

この移籍には「挑戦」という意味合いが強い。Jリーグ浦和レッドダイヤモンズのときと比べると、年棒が半減しているからだ。条件面だけを見れば、浦和に残っていたほうがよかったといえる。

「オランダにいたとき、思い切りやっていなかった部分があったので、もう一度世界の舞台で自分を試したかった。またそういうチャンスを与えてもらえて、本当に嬉しいです。年棒の件は全然気になりません。海外にはお金で買えないものがあると思うから」

試合修了後、ピッチから去るとき、グラウンドに向けお辞儀をする。欧州の選手の中で、その姿はとても印象的だった。

「小学生のときに教わってから、ずっとやっています。ありがとうという意味を込めてね。でもブレーメン戦では、初戦ということで興奮していて忘れてしまいましたけど(笑)」

小野選手

7人が男という10人兄弟の5番目。名前から想像するに2番目かと思ったが、「母が牧伸二のファンで」と笑う。ビリヤードの腕前はかなりなもの。カラオケが好きで、酒も相当いける。

今回来独したときは、フランクフルト空港からバスでデュッセルドルフに着いたそうだ。サッカーの高度なテクニックだけでなく、そんな気取らない人柄と時折目を逸らせながらも誠実に答えようとする姿が、多くの人が彼に惹き付けられる要素なのだろう。

「ドイツにお住まいの皆さん、すぐ近くから見れますので、遠慮なく練習を見に来てください。たくさんの人が見に来てくれるように、僕もがんばります」

最近、ホテル住まいから家を見つけて引っ越した。いまは家族が日本から訪れているが、基本的には単身赴任ということになる。「寂しいですけど、僕にはサッカーがありますから」 との言葉に、彼の決意を見たような気がした。

小野選手
ホームデビューとなった2月9日のコットブス戦。
後半途中出場ながら、得点にからむ活躍を見せた

プロフィール

1979年9月27日、静岡県生まれ。175cm、74kg、O型

1995年 沼津市立今沢中学校卒業
1998年 静岡市立清水商業高校卒業後、浦和レッドダイヤモンズに入団。フランスW杯に最年少で出場
2001年 オランダ1部リーグ「フェイエノールト」へ移籍
2002年 UEFAカップで優勝
2006年 浦和レッドダイヤモンズへ移籍
2008年 ドイツ1部リーグ「VfLボーフム1868」へ移籍、背番号23

高度な技術を持つMF。利き足は右だが、左足も利き足のように操れるため、ボールを利き足へ持ち替えるということは見られない。過去3大会連続W杯出場。

小野選手を応援に行くためのbonAbisZ

チケットを取ろう

チケット売り場ボーフムのホームスタジアム「rewirpowerSTADION」へ応援に行くなら、まずはチケットを取らなければ始まらない。下の図を参考に、チケットを予約しよう。生粋の地元ファンといっしょに熱く盛り上がりたい人は、N~Qの立見席がおススメだ。

通常はチケットを郵送してくれる。でも試合日が近いときは、現地で受け取れるのでご安心を。

スタジアム

A-D
25ユーロ、14歳までの子ども10ユーロ
30~35ユーロ
3
11ユーロ
4
20ユーロ
5
27~32ユーロ
6
35ユーロ

※ 対ボルシア・ドルトムント、シャルケ04、バイエルン・ミュンヘン、ヴェルダー・ブレーメン、ハンブルガーSV、VfBシュトゥットガルト戦の場合は、下記の料金にプラス5ユーロ(立見席はプラス2ユーロ)となる。
※ インターネットで予約する場合や前売りチケットの場合は、下記の料金に手数料が加算され、若干高くなる。

● チケット予約
ファンショップで:月~金10:30~19:00、土10:30~ 14:00、
試合のある日はキックオフまでオープン
電話で:01805-951848(毎日8:00~20:00)
インターネットでwww.vfl-bochum.de


スタジアムへ行こう!

スタジアムへ行こうチケットを無事に入手したら、あとは現地へ行くだけだ。デュッセルドルフからなら約40分とそれほど遠くないし、フランクフルトやハンブルク、ベルリンからでも十分に日帰りできる。

ボーフム中央駅に着けば、あとは簡単。正面出口側にある地下鉄の入り口へ行き、308か318の「Gerthe」方面行きに乗って2駅目の「rewirpowerSTADION」で降りよう。スタジアムはすぐ目の前だ。

スタジアム地図

● スタジアム
「rewirpowerSTADION」
住所:Castroper Straße 145, 44791 Bochum


応援グッズを入手しよう!

さあ、会場に着いたら、応援グッズをゲットしよう。ファンショップはインフォメーションの前にある。これが熱狂的なボーフムファンのいでたちだ。

サポーター

item1

ユニフォーム「Heimtrikot07/08」59.95ユーロ

背番号と選手名を付けるとプラス11.95ユーロ
さらに袖にブンデスリーガのロゴを付けるとプラス3ユーロ
※ファンショップでは2月22日から、最大4割引きのセールを実施中。在庫限りなのでお早めに。

item2

マフラー「Schal」11.95ユーロ

item3

キャップ「Cap」 11.95ユーロ

item4

Fiegeビール「Moritz Fiege」
スーパーで1ユーロくらい

VfLボーフムのスポンサーでもある地ビールの「フィーゲ」。ボーフムでしか味わえない少し苦味の効いたビールを、スタジアムに入場する前に1杯飲んでおこう。スタンドに売りにくるのも、もちろんこのビール。

item5

ファン雑誌「Mein VfL」 1ユーロ

Bochumitem6

CD「Mein VfL」 4.95ユーロ

VfLボーフムの応援曲「Mein VfL」と「Wir steh'n zu dir」の2曲入り

CD「Bochum」
Herbert Grönemeyer Before Gro(EMI)1984

Bochum試合前やハーフタイムにスタジアムで流れるのが、この町で育ったドイツを代表する歌手、ヘルベルト・グリューネマイヤーの歌う「Bochum」だ。ボーフムは美しくないし世界都市でもない。モードショーもないが、心はある……と歌うご当地ソング。プリントアウトした歌詞を持っていっしょに歌えば、スタジアムで一躍人気者に!!

いよいよ試合開始!

もうこれで準備万端。遅くとも試合開始30分前にはスタジアムに入りたい。スターティングメンバーの紹介やピッチで練習する選手を見て、キックオフまで気分を高揚させよう。地元ファンには「Glück auf!!!」と、声をかけるのを忘れずに。

サポーター


試合後は町へ繰り出そう!

ボーフムにあるドイツ一有名なもの、それは……?

応援で身も心も熱くなった後は、町へ繰り出して、試合の余韻に浸りたい。ボーフムの飲み屋街は、「Bermuda dreieck」という三角になった地域。地下鉄で中央駅よりもう一つ向こうの駅「Engelbert-Brunnen/ Bermudadreieck」で下車するとすぐだ。中央駅からも徒歩圏内で、正面口を出て大通りを左へまっすぐ歩いた左手にある。ここにはさまざまな居酒屋やレストランが建ち並び、飲んで騒ぎたい人や静かに試合の興奮に酔いたい人など、自分の好みに合った店を選べる。隣りに座った生粋のボーフムサポーターと意気投合して、試合談議に花を咲かせるのもいい。

飲み屋街

小腹がすいたときにぜひ訪れてほしいのが、この地域の一角にあるカレーソーセージの屋台「Bratwursthäuschen」 だ。なんと“ドイツの中でいちばん有名な屋台”と言われている。その理由は、Schritt3でも紹介したグリューネマイヤーが、1982年に発表した曲「Currywurst」によるところが大きい。彼はゲッティンゲン生まれだが、ボーフムで育ち、「Bochum」の歌からもわかるようにこよなくこの町を愛している。「町へ行こう、何が君のお腹を満足させてくれるか?それはカレーソーセージさ」と歌う「Currywurst」は、ドイツ人で知らない人はいないくらい有名な歌だ。

細かく切った白ソーセージに温かいカレーソースがかかったここのカレーソーセージは、まさに絶品。カレーのピリ辛がよく効いていて、これを試さずにボーフムを去るのは実に惜しい。ぜひ、お試しあれ。

カレーソーセージ

Bratwursthäuschen
Kortumstr.18, 44787 Bochum
TEL:0234-684270
営業時間:日~木10:00~24:00、金・土10:00~27:00
料金:カレーソーセージ 2.2ユーロ

耳より情報
練習場小野選手を間近に見たい人は、平日の練習を見に行ってみよう。運が良ければサインがもらえたり、話しかけたりできるかもしれない。でも監督や他の選手もいることを忘れずに、マナーを守って観戦を。練習は、スタジアムのすぐ横で行われる。たいていは10時からだが、午後のときもあるので、正確な時間はV f L ボーフムのホームページ「Terminplaner」で要チェック!www.vfl-bochum.de

● 各地からボーフム中央駅までの所要時間と運賃
デュッセルドルフから:REで直通約40分、9.1ユーロ
フランクフルトから:ICEで約2時間30分、78ユーロ
ハンブルクから:ICで直通約3時間、62ユーロ
ベルリンから:ICEで直通約3時間30分、89ユーロ

※ 試合のチケットを持っていれば、デュッセルドルフからスタジアムまでの往復運賃は無料となる。その他の地域からでも片道29ユーロなどの割引切符もあるので、早めの予約を。

※ 所要時間と運賃は2月26日現在。運賃は普通切符の値段。曜日や時間、乗る電車、予約時期によって異なるため、出かける前に確認を。
ドイチェ・バーン(DB) TEL:11861 www.db.de

 
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