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ベルリナーレで賞を獲得!日本の今を知る映画4選

ベルリン国際映画祭では、これまで黒澤明監督や宮崎駿監督などの日本を代表する映画監督をはじめ、日本映画界の若手監督や俳優たちに数々の輝かしい賞が授与されてきた。特に近年のパノラマ部門やフォーラム部門などでは、日本の現代社会を独自の視点で描き出した作品が注目を集めている。ここでは、近年ベルリナーレで高い評価を受けた日本映画をご紹介。

人間の五感に心地よく響く グレート・ラビット

グレート・ラビット

監督・脚本・編集・声・アニメーション:和田淳
公開:2012年
上映時間:7分
http://kankaku.jp

「間」と「気持ちいい動き」をテーマに制作を行う和田淳氏のアニメーションは、ふくよかで温もりのある線が特徴。本作が第62回ベルリン国際映画祭短編部門で「銀熊賞」を受賞したほか、これまで和田氏のアニメーション作品はさまざまな国際映画祭に出品されてきた。この作品に登場するのは、かつて「グレート」と呼ばれていた崇高で神秘的な存在。しかし、時代の変遷とともに人々の思考や思想も変化し、グレートがグレートである由縁がだんだんと不明瞭になっていく……。人や動物などのユニークな動きが柔らかく不思議な世界観を生み出す一方、作品の根底には現代社会に対する普遍的な問いが感じられる。

人間の闇に鋭く迫る FORMA

FORMA

監督・原案:坂本あゆみ 脚本:仁志原了
公開:2013年 上映時間:145分
出演:松岡恵望子、梅野渚、ノゾエ征爾、光石研 ほか
http://forma-movie.com

2人の女性による行き場のない憎しみが連鎖する悲劇の物語を描いた、坂本あゆみ監督の「FORMA」。長編デビューとなった本作は、第64回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門で「国際批評家連盟賞」を受賞し、国内外で高い評価を得ている。物語は、高校の同級生だった保坂由香里と金城綾子が偶然再会するところから始まり、由香里は綾子に誘われて同じ会社で働く。しかし綾子は徐々に由香里に冷たくなり、由香里は次第に追い詰められることに。映画のタイトルである「FORMA」とはラテン語で「本質」。人間の心に潜む「悪意」や「闇」が、斬新なカメラワークとリアルな人物描写で描き出されている。

セクシャル・マイノリティーの一歩先へ 彼らが本気で編むときは、

彼らが本気で編むときは、

脚本・監督:荻上直子
公開:2017年 上映時間:127分
出演:生田斗真、桐谷健太、柿原りんか ほか
http://suurkiitos.com

「かもめ食堂」や「レンタネコ」などで知られる荻上直子監督。自身オリジナル脚本による本作は、第67回ベルリン国際映画祭で、LGBTをテーマにした作品を対象に選出される「テディ賞」の特別賞に輝いた。優しさに満ちたトランスジェンダーの女性・リンコ、彼女の心の美しさに惹かれる恋人のマキオ、そしてマキオの姪で母が家出中の小学生・トモ。3人の奇妙で温かい共同生活の様子が、こまやかな日常描写によって丁寧に描かれている。セクシャル・マイノリティーへの差別や不理解というところにとどまらず、現代のさまざまな家族のあり方や愛情の形について考えるきっかけをくれる作品だ。

ひとりの女性の冒険と成長 37セカンズ

37セカンズ

脚本・監督:HIKARI
公開:2020年 上映時間:127分
出演:佳山明、神野三鈴、大東俊介 ほか
http://37seconds.jp

ロサンゼルスを拠点に活動するHIKARI監督は、本作で長編デビューを果たすとともに、第69回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門で史上初めて「パノラマ観客賞」と「国際アートシアター連盟賞」をダブル受賞。本作の主人公・ユマは、生まれるときに37秒間息をしていなかったことで、脳性麻痺を抱えて車いす生活を送る23歳。漫画家志望だが、現在は親友のゴーストライターとして働き、息苦しさを感じながらも過保護な母とともにひっそりと暮らしている。そんな彼女がさまざまな人と出会うことで自立しようともがき、やがて女性としてドラマティックに成長していく。

 
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