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Hautarztpraxis Dr Chen プライベート皮膚科診療院 Dr. チェン
Do. 17. Jan. 2019
新春特集 - 2019年を楽しむために

ユーモアと健康の関係を探り続け
ドイツの医療現場に笑いを届ける
医療コメディアン Dr. med.
Eckart von Hirschhausen
エッカート・フォン・ヒルシュハウゼン

「笑うことは最高の薬」と話すのは、ドイツ各地の病院にたくさんの赤鼻ピエロを派遣してきた「ユーモア・ヒルフト・ハイレン(HUMOR HILFT HEILEN)」創設者のエッカート・フォン・ヒルシュハウゼンさん。笑いが健康に良いことが科学的にも立証されつつある今日、どのようにして医療の現場にユーモアを持ち込めるかを長年試行錯誤してきた。2018年に創立から10周年を迎えた団体の取り組みに加え、ドイツの笑いについて詳しくお話を聞いた。

Dr. med. 
Eckart von Hirschhausen 
エッカート・フォン・ヒルシュハウゼン

エッカート・フォン・ヒルシュハウゼン 1967年フランクフルト生まれ、西ベルリン育ち。1995年まで小児神経科の医師を務めた後、医療コメディアンとしてテレビなどにも出演してきた。2008年にユーモア・医療財団「HUMOR HILFT HEILEN」を設立した。ドイツ語の著書多数。ロリオーの大ファン。

笑いで奇跡を起こした赤鼻ピエロ

即興音楽や寸劇で小児病棟の子どもたちを笑わせる赤い鼻のピエロ。彼らはユーモア・ヒルフト・ハイレン(以下HHH)でトレーニングを受けた「ホスピタル・クラウン」(Klinikclown)だ。HHH創設者のヒルシュハウゼンさんは、病気の子どもたちにとって笑うことがいかに重要であるかを身をもって体験したと話す。

「もう何年も前のことです。とある体育館で医師としてマジック・ショーをしたとき、心身症専門の小児科医がショーの間に起きたことを話してくれました。当時彼が担当していた場面かん黙症*で人前で話せない男の子が、なんと周りの子どもたちと一緒に笑ったり、驚いたりしていたと言うのです。そのときから、私はユーモアや音楽、芸術は治療の役目を果たすのではないかと考えるようになり、それがHHH誕生のきっかけになりました」。

*家庭では話せるが、学校や職場など特定の場所で全く話せなくなる精神的な症状

ドイツ医療業界で広がるユーモアの輪

その後、ヒルシュハウゼンさんは財団を立ち上げ、何年もかけてドイツ各地に自身のプロジェクトを広めていった。現在では、HHHのホスピタル・クラウンは小児科を訪れるだけではなく、高齢者施設などでの緩和ケアも行っている。

「ホスピタル・クラウンの派遣は、私たちの活動の一部に過ぎません。優秀なユーモア・トレーナーとユーモア・セラピストと協力し、より専門性のあるホスピタル・クラウンの養成に努めています。また、看護師や看護学校での教育のために特別なモジュールを開発し、すでに全国で1万人以上の看護師が実践しました。現在は、より多くの人がこのモジュールを実践できるよう、アプリの開発も進めています」。

また一方で、HHHは健康とユーモアの関係性を研究する機関でもある。これまで、笑いが病気の治療に有効であることを科学的にも立証してきた。

「ポジティブな感情が心身にもたらす効果については、すでにいくつかの研究がされています。例えば、小児科の手術室にホスピタル・クラウンが患者に同行するという検証では、信頼性を強めるホルモン『オキシトシン』の分泌が増えることが確認されました」。

ユーモアのないドイツ人……はウソ

笑いを専門的に研究するヒルシュハウゼンさんだが、世間で語られる「ドイツ人はユーモアがない」ことについて尋ねてみると、それはただの固定観念でしかない、と答えた。

「ドイツ人にユーモアがないと言われる所以の一つに、『仕事が第一』という炭鉱夫の精神が考えられます。鉱山には全くと言っていいほど、楽しみというものがなかったのです。しかしながら、今日はもちろんそんなことはありません。むしろ、笑いは健康的なことで科学であるということの方が、現代のドイツ人の間では知られていると思います。

2017年に、健康科学と心理学の研究におけるアプローチ方法に大きな変化が起こりました。それまでは、何が人間を病気にするのかということだけが研究されていたのが、何が人間を健康にするのか、何が人間を精神的ストレスから守るのかということも注目されるようになったのです。ユーモアの強みは、まさに人間をストレスから守ることです。ドイツ人の国民病でもある、うつ病や肥満なども気分の変化と大きく関係していることが分かっており、心理療法の分野でも研究が進んでいます」。

今後はより多くの医療関係者にユーモアが持つ力について知ってほしい、と話すヒルシュハウゼンさん。最後はこんなジョークで締めくくった。「病院に持ち込むべきたった一つの『病原体』は、ずばり感染力の高い『笑い』です! 」。

 
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