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ドイツニュースダイジェスト
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Mo. 21. Mai. 2012

赤のぶどうたち

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ドイツには、昔から主に赤ワインが生産されてきた地域がいくつかあります。ラインガウ地方のアスマンスハウゼン一帯、アール地方、そしてヴュルテンベルク地方です。現在もアール地方の赤ワイン生産量は全ワインの88%、ヴュルテンベルク地方では70%を占めています。

ドイツの赤を代表する品種はシュペートブルグンダー(仏語名ピノ・ノワール)で、ラインガウ地方のアスマンスハウゼンでは13世紀から、アール地方では18世紀から栽培されていたと言われています。同種の栽培面積は赤品種の中では最大で、最近では世界的に通用する「ピノ・ノワール」という名称を使う造り手が増えています。ピノ・ノワールもリースリングと似て土壌の特徴をよく反映し、造り手によって異なるニュアンスのワインが生まれます。また、ヴュルテンベルク地方ではトロリンガー(チロル地方ではヴェルナッチと言う)を中心に、シュヴァルツリースリング(仏語名ピノ・ムニエ)、レンベルガー(別称ブラウフレンキッシュ)が栽培されています。

ドイツの赤品種のリストも、白品種と同じくらい長くなります。ピノ・ノワールに次いで多く栽培されているのが、ドイツ系の交配品種ドルンフェルダーとオーストリアがルーツと言われるポルトギーザー。ただ、ピノ・ノワールが増加傾向にあるのに対し、この2品種は現在、やや減少気味となっています。

その代わりに人気が出てきているのが、レンベルガー、サン・ローラン(仏語名ピノ・サンローラン)、フリューブルグンダー(仏語名ピノ・マドレーヌ)などの伝統品種です。いずれもヴュルテンベルクでは古くから栽培されており、同地方を超えて少しずつ栽培面積が増えています。中でもフリューブルグンダー(直訳/早熟ブルゴーニュ種)はその名の通り、シュペートブルグンダー(直訳/晩熟ブルゴーニュ種)より早熟で、シュペートブルグンダーの突然変異種(ミュータント)でもあり、質の良いワインが出来るため、両方を栽培する醸造家も増えています。

ほかにも栽培面積が増加している品種があります。それは、これまでドイツでは栽培が不可能だったフランス品種、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローです。中にはカベルネ・フラン、さらにはシラーまで栽培している醸造家もおり、赤ワインにおいても白同様フランス品種がどんどん北上していますが、この傾向は温暖化に向かっていると言われる現在の気候とも関連があります。

カベルネ・ソーヴィニヨンは非常に優れたワインができる晩熟種です。ドイツでもすでに1970年代から同品種をベースとする交配種の研究が行われており、10年程前から徐々に栽培が始まっています。現在、カベルネ・ソーヴィニヨンとドイツ品種との交配であるカベルネ・ミトスとカベルネ・クビン(ともにレンベルガーとの交配)、カベルネ・ドリオとカベルネ・ドルサ(ともにドルンフェルダーとの交配)の栽培面積が少しずつ増えています。このほか、ビオの造り手を中心に無農薬、低農薬栽培が可能な交配種レゲントも着実に増えています。

Jean Stodden, Das Rotweingut ジャン・シュトッデン醸造所
(アール地方) 

ジャン・シュトッデン醸造所(アール地方)

シュトッデン家は、ドイツでは例外的な赤ワインの産地アール地方で1578年からワイン造りを営んできた。特級畑、レッヒャー・ヘレンベルクを所有。「赤ワインの醸造所」と看板を掲げている通り、シュペートブルグンダーとフリューブルグンダーが、合わせて90%以上を占めている。極限まで剪定し、さらに房を間引いて平均収穫量を1ヘクタール当たり47ヘクトリットルにまで抑え、凝縮したワインを造ることに精力を傾けている。

Rotweinstrasse 7-9, 53506 Rech
Tel. 02643-3001
www.stodden.de


2006 Spätburgunder JS
2006年産 シュペートブルグンダーJS(辛口)19,00€

2006 Spätburgunder JS

黄土と粘土が混在する風化スレート岩土壌の急斜面で栽培されたシュペートブルグンダーを93エクスレで収穫。このJSシリーズは、いずれもオークの小樽、バリック樽を使用し、16カ月樽熟成させたもの。(新樽を8割ほど使用)チェリー、ブラックカラント、そしてミントが薫る。スパイシーでほんのりチョコレートを思わせる味わい。ラム肉やジビエ(野生肉)にぴったりのワイン。
 
岩本順子(いわもとじゅんこ) 翻訳者、ライター。ハンブルク在住。ドイツとブラジルを往復しながら、主に両国の食生活、ワイン造り、生活習慣などを取材中。著書に「おいしいワインが出来た!」(講談社文庫)、「ドイツワイン、偉大なる造り手たちの肖像」(新宿書房)他。
www.junkoiwamoto.com
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