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ドイツニュースダイジェスト
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Mo. 21. Mai. 2012

醸造の手法 ゼクトの場合

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醸造の手法、4回目はゼクト(=シャウムワイン/Schaumwein)の製法をご紹介しましょう。ゼクトはベースワインをさらに発酵させて造ります。二次発酵と呼ばれる2度目の発酵は、タンク内で行う場合と、瓶内で行う場合(伝統的瓶内発酵法/シャンパンと同じ製法)があります。ここでは、後者を中心にご紹介しましょう。

シャンパンと同等のゼクトを醸造する場合は収穫後、除梗や破砕をせずに圧搾します。シャンパンに倣い、ぶどう4000キログラムにつき一番搾り果汁(キュヴェ)を2050リットル、続いて二番搾り果汁(タイユ)を500リットル圧搾し、それらを別々に醸造している醸造所もあります。

ベースワインの醸造法は白ワインに準じます。ヴィンテージ別、品種別、醸造所によってはキュヴェ、タイユ別に、様々なベースワインのコレクションが出来上がったら、これらをモザイクのように組み合わせて試飲を繰り返し、最終的なアッサンブラージュを決めます。もちろん、1品種から造られるゼクトもあります。

ブレンドが決まったら、大型タンクにベースワインとティラージュ(ベースワイン、酵母、規定量の砂糖の混合液)を加え撹拌します。これをボトリングして王冠などで栓をし、温度管理したセラーで二次発酵させます(約4週間)。瓶内で発生した炭酸ガスがゼクトの泡となります。二次発酵後、通常のゼクトであれば最低6カ月、原産地呼称ゼクト(Sekt b.A)、伝統製法のヴィンツァー・ゼクト(Winzersekt)の場合は最低9カ月、酵母滓を取らずに寝かせておきます。2、3年と長期にわたって寝かせる場合もあります。

その後、ピュピトルと呼ばれる専用台に瓶を差し込み、角度をつけながら左右に動かし、酵母滓を瓶の口に集めます(ルミアージュ)。手作業なら21日間、ジロパレットと呼ばれる機械を使用すれば約1週間で終了します。ルミアージュで集めた酵母はボトルの口を急冷却して凍らせ、王冠を外して取り除きます。そして最後にリキュール(ドサージュ、加えない場合はドサージュ・ゼロ)を加えてコルクを打ち、アグラフェと呼ばれる針金の留め具でそれを固定します。ドサージュに含まれる糖分の量が、ゼクトの味覚(エクストラ・ブリュット、ブリュットなど)を決定します。この一連の作業をデゴージュマンと言い、全行程は機械化されていますが、手作業で行っている醸造所もあります。

ただし、上記の伝統製法で造られるゼクトはドイツ産ゼクトの約1割。それ以外はタンク発酵法(シャルマ製法)で造られています。また、瓶内二次発酵であっても、デゴージュマンの手間を省くため、出来上がったゼクトを加圧タンクに入れてフィルターで酵母を取り除き、ボトリングするという方法(トランスファー方式)がとられる場合もあります。

ところでドイチャー・ゼクトとは、100%ドイツ国内で収穫されたぶどうを使用しているゼクトのこと。また、Sekt b.A.と表記してあるものは、それぞれ13の指定生産地域で収穫されたぶどうから造られています。ヴィンツァー・ゼクトには、瓶内二次発酵が義務付けられています。ドイツ産クレマンは地域ごとに使用品種が限定されており、残糖値の上限などゼクトとは異なる基準が設けられています。このほか、圧力およびアルコール度数がゼクトより低い、パールワイン(Perlwein)と呼ばれる製品もあります。

St. Laurentius Sekt ザンクト・ラウレンティウス醸造所
(モーゼル地方)

ザンクト・ラウレンティウス醸造所

モーゼル地方ライヴェンにある、優れたゼクトで知られる醸造所。1982年に父の醸造所を継いだオーナーのクラウス・ヘレス氏は、試行錯誤しながらシャンパン製法のゼクト造りに取り組み、現在の地位を築いた。ギーゼラ夫人、2人の娘カチアさん、ナディーヌさんの家族全員で魅力的なゼクトの数々を生み出している。モーゼル地方のライヴェンとシャンパーニュ地方のメスニル・シュール・オジェール両村が姉妹村提携を結んでいる関係から、シャンパーニュ地方と緊密な情報交換を行っている。現在、所有畑は3ヘクタール。自社ブランドのゼクトはすべて伝統製法で年間6万本を生産。ほかの醸造所のゼクト生産も請け負い、こちらは年間約30万本を生産している。昨年5月に、プチホテル&レストラン/ヴィノテーク「Sektstuuf」もオープン。

Laurentiusstraße 4, 54340 Leiwen
Tel.06507-3836
www.st-laurentius-sekt.de


2007 Spätburgunder Rosé Brut Cuvée Nadine
2007年産キュヴェ・ナディーヌ、シュペートブルグンダー・ロゼ(ブリュット)

11,50€

2009 Lorcher Spätburgunder
Weißherbst Kabinett halbtrocken

モーゼルの伝統品種であるリースリングやエルブルングのゼクトも魅力的だが、今回ご紹介するのは、娘のナディーヌさんが手掛けたシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)。やや濃いめのサーモンピンク、酵母の働きによるフランスパンのような香りと、フレッシュな苺の香り、フルーティでふくよかな味わい、クリーミーな泡立ち。このゼクトがあれば、ほかに何もいらないと思えるような充足感で満たされる素敵なゼクト。
 
岩本順子(いわもとじゅんこ) 翻訳者、ライター。ハンブルク在住。ドイツとブラジルを往復しながら、主に両国の食生活、ワイン造り、生活習慣などを取材中。著書に「おいしいワインが出来た!」(講談社文庫)、「ドイツワイン、偉大なる造り手たちの肖像」(新宿書房)他。
www.junkoiwamoto.com
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