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ドイツニュースダイジェスト
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Mo. 21. Mai. 2012

世界の中のドイツ・ワイン

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今回は、ドイツ・ワインの現状を、統計の数字などを参照しながら掴んでみたいと思います。

ドイツは、世界的にはワインの国としてよりも、ビールの国として知られているようです。ドイツ人のビールの年間消費量は1人当たり112リットル、一方のワインは20リットルです。わかりやすいイメージに置きかえると、ドイツ人はビールの小瓶を1日1本欠かさず飲んでいるが、ワインは週に1、2回、グラス1杯程度を嗜むだけという感じでしょうか。ちなみにワインの国フランスは、ドイツの倍の量のワインを消費しています。

ドイツ国内のワイン消費状況を見ると、ドイツでは主に輸入ワインが消費されており、全体の消費量の65%を占めています。内訳はフランス・ワインとイタリア・ワイン(それぞれ16%)、スペイン・ワイン(5%)、ニューワールド・ワイン(8%)の順となっています。

では、生産量はどうでしょうか。ドイツのぶどう畑の面積(10万2000ha)は、栽培面積世界一であるスペインの約10分の1、フランスやイタリアの約8分の1にすぎません。ドイツ全土のぶどう畑を合わせても、フランス・ボルドー地方のぶどう畑の大きさに満たないのです。

また、ワインの輸出量(241万4000hl)も、トップのイタリアやフランスの約7分の1です。乱暴な言い方をすれば、世界のどこかのワインショップでフランス・ワインが100本、イタリア・ワインが100本並んでいるとしたら、ドイツ・ワインは15本くらいしか並んでいないということです。このようにドイツ・ワインは、量的にはその存在感を世界に印象付けることができません。

一方、質においてはドイツ・ワインのレベルは高く、ドイツで生産されるワインの約90%がQWPSR(Quality Wine Produced in a Specified Region)=原産地呼称ワインとなっています。つまり、ドイツ・ワインのほぼすべてがヴィンテージを持つ、各々の指定生産地域の特色が活かされたワインなのです。ちなみにフランスのQWPSRは、全体の50%程度です。

ドイツ・ワインの中で、世界的に最も強くアピールできるものは、おそらくリースリングとシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)でしょう。両者はドイツ・ワインの白品種、赤品種のうち、それぞれ最も多く栽培されているものです。リースリングの栽培面積はドイツが世界第1位(約2万1000ha)で、世界全体のリースリング栽培面積の62%を占めており、2位のオーストラリア(4200ha)を大きく引き離しています。リースリングの品質とワインの多彩さの点で、他国がドイツを上回ることは非常に難しいでしょう。

一方、ドイツにおけるシュペートブルグンダーの栽培面積は1万2000ha。これはフランスのピノ・ノワールの栽培面積(2万9000ha)の3分の1強です。そこからシャンパンに使用されるピノ・ノワールの分(約1万2000ha)を差し引くと、ドイツはフランスに追いつきそうな勢いです。また、現在ドイツではブルゴーニュスタイルのシュペートブルグンダーが多く生産され、その品質も向上しています。ブルゴーニュの造り手との情報交換も盛んで、最近のドイツのシュペートブルグンダーは、ジャーマン・ブルゴーニュと言っても良いほどです。

このほかドイツでは、ドライとセミドライの生産量の合計が60%に達しており 、スウィートワインの生産が減っています。また、赤ワインの生産量が全体の40%に達する勢いです。「ドイツは白ワインの国」「ドイツ・ワインは甘口」というイメージは、すでに過去のものなのです。

(参考:2008年発表のDeutsches Weininstitutの統計他)
ニューワールド・ワイン
伝統的なワイン生産地であるヨーロッパ以外の、新興生産地のワインのこと。北米、中米、南米、アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどのワインがこれにあたる。

Weingut Rudolf Fürst ルドルフ・フュルスト醸造所
(フランケン地方)

ルドルフ・フュルスト醸造所
写真)左からパウルさん、モニカ夫人、息子のゼバスティアンさん
©Weingut Rudolf Fürst

創業1638年、フランケン地方ビュルクシュタットにある家族経営の醸造所。パウル・フュルスト氏は、1975年に亡き父の後を継いでオーナーとなり、79年には醸造所を移転して新たなスタートを切った。2003年版ゴーミヨ・ドイツワインガイドの最優秀醸造家に選ばれたフュルスト氏は、同地方における優れたワイン造りの先駆者。現在は息子のゼバスティアンもワイン造りに加わっている。フランケンならではの伝統種シルヴァーナーやリースリングから優れたワインを生産しているが、フュルスト醸造所の主力商品は、秀逸で繊細なフレンチスタイルのシュペートブルグンダーのコレクション。

Weingut Rudolf Fürst
Hohenlindenweg 46, 63927 Bügrstadt
Tel.09371-8642
www.weingut-rudolf-fuerst.de


2007 Fürst Spätburgunder Bürgstadter
2007年産ビュルクシュタッター・シュペートブルグンダー(辛口)

11,65€

2007 Fürst Spätburgunder Bürgstadter

フュルスト醸造所では、フランケン地方では珍しく、生産量の40%をシュペートブルグンダーが占めている。雑色砂岩のセントグラーフェンベルク、同じく雑色砂岩で、古来からブルグンダー種が栽培されてきたクリンゲンベルガーの畑から生まれるシュペートブルグンダーは、控えめで軽やかながら秘められた味と香りが臭覚と味覚を満足させてくれる。ご紹介するビュルクシュタットのシュペートブルグンダーは、味わいに奥行きのあるヴィラージュワイン。さらにフュルスト醸造所の真髄に触れたい方は、高価ですが、ぜひセントグラーフェンベルクやクリンゲンベルガーの偉大なシュペートブルグンダーをお試しください。
 
岩本順子(いわもとじゅんこ) 翻訳者、ライター。ハンブルク在住。ドイツとブラジルを往復しながら、主に両国の食生活、ワイン造り、生活習慣などを取材中。著書に「おいしいワインが出来た!」(講談社文庫)、「ドイツワイン、偉大なる造り手たちの肖像」(新宿書房)他。
www.junkoiwamoto.com
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