Hanacell

輝け、原石たち
日本を飛び出し、ドイツで切磋琢磨する "若き血潮" を紹介します。


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1976年 愛知県生まれ
2000年 武蔵野美術大学造形学部 工芸工業デザイン学科
金工コース卒業
2002年 武蔵野美術大学大学院 造形研究科 美術専攻
彫刻コース修了
〜2005年 インドネシア・バンドン工科大学大学院
美術学科修了
2006〜07年 渡独、ミュンヘン大学付属の語学学校でドイツ語を学ぶ
2009年 活動拠点をミュンヘンに移す
自分のメッセージをアートで表現をしたいとの思いからアーティストに。インドネシアでは8つのパブリックアートを制作。2009年、第4回大黒屋現代アート公募展で入賞している。

「日本人って何?」という問いかけから始まった松永瑞穂さんの制作活動は、沖縄から出発し、インドネシアでの活動を経て今年、ついにドイツに上陸した。

アーティストとして作品制作を始めたきっかけは、学生時代に訪れた沖縄との出会い。沖縄の人が、東京から来た松永さんたちに対して「内地から来たのか?」と尋ねた。自分たちのことを「ウチナー」と呼び、明確に沖縄(内)と他県(外)とを分けていた。この出会いは松永さんの心に深く刻まれ、国籍や性別など、自分が所属する様々なカテゴリーの存在に対する疑問の種を植え付けた。

それは、「人間のアイデンティティーとは何か、そして異なるアイデンティティーの共存は可能なのか」という問いに発展し、様々なバックグラウンドを持つ人間同士が、争うことなく共生していける社会の実現を願うメッセージを、社会に向けて伝えていきたいと考えるようになった。

日本からインドネシアに活動の拠点を移したのは、アジアの中でも、様々な宗教や民族、文化が混在する場所で制作をしたいとの思いがあったから。しかしその後、インドネシアとは異なるアイデンティティーが共存する状況も見てみたいと思うようになり、ヨーロッパ、特に国際的にも現代アートの中心地として名高いドイツにベクトルが向かった。

松永さんの表現手段は多様で、立体作品を中心にパフォーマンスや映像も手掛けている。国旗の模様を使った「ナショナルフラッグ・シリーズ」ではボーダーレスな世界を表現し、「シャングリラ・シリーズ」では「地上にあるという架空の楽園」を視覚化するプロジェクトに取り組んだ。今現在は、バイエルンのロココ様式的な空間と装飾に着想を得た作品を制作中だと言う。「アートは一種の麻薬みたいなもので、一度手を出したら、もうやめられません」と活動の魅力を語る松永さん。ドイツでは、どんな「シャングリラ」を創造してくれるのだろう。

(編集部:高橋 萌)


日本での個展(2008年)
photo: Adhya Ranadireska


インドネシアでの個展(2005年)
photo: Tamotsu Kido


映像作品より抜粋(2007年)

Information

UAMO Festival - 2009 "PERFORATION"
4月23日(木)~26日(日)
アートやデザイン、音楽など様々なジャンルから国内外の若手アーティストが参加するアートフェスティバル。日本人として唯一、同フェスティバルへの出品を果たした松永さん。ドイツでの活動に、幸先の良いスタートを切った。
photo: Nico Fung

Kunstarkaden München
Sparkassenstr.3, 80331 München
www.uamo.info

松永さんの作品情報 : www.mizuhom.com

 
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