Hanacell

輝け、原石たち
日本を飛び出し、ドイツで切磋琢磨する "若き血潮" を紹介します。


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1981年 東京都生まれ
2003年 筑波大学芸術専門学群版画家 卒業
2006年 ビーレフェルト芸術工科大学デザイン造形学科 卒業
2006年~ Musenstube所属のアーティストとして活動。ベルリン在住
ドイツで第1作目の作品集「Makis Haustierbuch」(Peperoni Book, 2006年)を出版。以来ベルリンを拠点にドローイングを主体とした制作を展開し、イラストレーション、コミック、版画など様々な分野で活動中。近澤悠子さんと二人三脚で取り組んできた「悠紀―友人の肖像」シリーズはヨーロッパで大きな反響を得ている。http://makishimizu.de

「パンを焼いて売るみたいに、絵を描いて生きていきたい」と語る清水麻紀さん。その言葉の通り、彼女は毎日ベルリンのアトリエから素朴で愛らしく味わい深い絵を生み出し続けている。ドローイングは筆1本で生み出される線画の世界。インスピレーションが沸いたと同時に筆を走らせる。油絵や彫刻にはない「シンプルさと即興性が自分には合っている」と、食事の途中でも筆を取ってしまうほどの根っからの絵描きは言う。

芸術家になろうと心に決めたのは小学校5 年生の頃。きっかけは、『芸術は真実を言うための嘘なのだ』というピカソの言葉を小説の冒頭に見つけたこと。「このおじさん、なんだかカッコイイこと言っている」と、芸術を通して世界を見ることに興味を持った。以来、ピカソから与えられたこの命題は、彼女の芸術活動の根底に居座っている。

2002年、大学生になった彼女は寝袋と画材一式だけを持ってふらりとヨーロッパを旅した。しかも野宿。そんな旅の途中でたどり着いたのがドイツだった。疲れ果てた体を少しでも癒そうとユースホステルに駆け込んだが、十分なお金は持ち合わせていなかった。しかし、手伝いをしながら結局3 カ月もそこに滞在したという。

今、清水さんがドイツで活動しているのは、この旅があったから。日本に戻った彼女は、旅を通して充電してきた創作意欲を1 冊の本の制作にぶつけた。ユースホステルで見つけた古い本「Das Haustierbuch(ペットの本)」に魅了され、本に載っている動物の写真334点すべてを自分で描き、出版することを思いついたのだ。しかし、日本の出版社との商談がまとまらないことに業を煮やしドイツへ留学。2006 年にやっと出版に漕ぎ着けた。

今後の目標について清水さんは、「新しいことに挑戦しながら伝統と技術を学び、経験を積む。社会の中で生き、生かされる、そんな街角のパン屋さんのような芸術家でありたい」と微笑む。

(編集部:高橋 萌)


「アトリエにグランドピアノ」という彼女の夢はベルリンで叶った



「Makis Haustierbuch」に掲載されている犬



清水さんが描いた絵を近澤悠子さんが版画に刷る
「悠紀̶友人の肖像」シリーズ

Information

Aktion Drawing:BERLIN – TOKYO
「ベルリン 壁崩壊後20年 今」

11月6日(金)~ 8日(日)
ベルリンの壁崩壊20周年と、ベルリンと東京の姉妹・友好都市15周年を記念して日独のアーティストによるグループ展が東京で開かれる。

loftwork Ground
東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア1F
http://loftwork.com/support/ground.aspx

ドイツで清水さんの作品を見るなら
"Solo Exhibition"
9月18日(金)~ 10月15日(木)
c.keller & galerie

Markt 21, 99423 Weimar
TEL: 036-43502755
www.c-keller.de

 
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