Hanacell

現代アーティストたちのアトリエ

11月17、18、24、25日の4日間にわたり、「フランクフルト アトリエの日(Frankfurter Ateliertage)」が開催されました。期間中、市が提供するアトリエをはじめ、「basis」や「Atelierfrankfurt」といった有名どころを含む、合計300カ所以上の市内のアトリエが開放され、普段はなかなか目にする機会のない芸術作品の制作現場を見学することができました。今回は、このアトリエの日についてリポートします。

まず私は、オープニングセレモニーが開かれた「basis」を訪れました。グートロイト通りの建物内には75もの作業室があり、ほかの2つの建物と合わせた計126のアトリエで、150人以上の若きクリエーターたちが活動しています。中は学校に似た雰囲気で、教室のように連なる各アトリエでは、様々なジャンルのアーティストが自身の作品を披露。制作と同時に展示を行う場として、若いアーティストが集うアトリエは活気に満ち溢れ、ここから新しい作品が次々に生み出されるという期待感が漂っていました。

Kurt Hofmann氏のアトリエ
市が提供するKurt Hofmann氏のアトリエ。作業台の上に素材が広げられ、
この場で作品を生み出されているという臨場感に溢れています

続いて、ハナウアー・ラント通りにある市立のアトリエへ。ここでは各アーティストの作品はもちろんのこと、実際に制作中の作品や制作前の材料が室内に置かれ、仕事場としてのアトリエを見学することができました。訪問者の中にも芸術に携わっている人が多く、専門的な会話があちこちで飛び交っています。私のような素人が芸術に触れる機会であると同時に、市内のあちこちで活動するアーティスト同士の交流の場として機能しているようでした。

最後は、オストパーク通りにある市立のスタジオを見学。ここには、フランクフルト市立美術大学、シュテーデルシューレで学び、2005年に芸術大学の最高学位であるマイスターシューラーの称号を取得した日本人アーティスト、Zero Reiko Ishihara氏のアトリエがあります。昔から生物学に興味があったと言う同氏の彫刻やインスタレーション作品が展示され、私が訪れた時には子ども向けのワークショップが開かれていました。子どもたちの素朴な疑問に、分かりやすく答えるIshihara氏。時折笑い声がこぼれるワークショップは幼い子どもたちに、芸術に親しむ場を提供していました。

Zero Reiko Ishihara氏のアトリエ
子ども向けのワークショップが開かれた
Zero Reiko Ishihara氏のアトリエ

金融都市としてのイメージが先行するフランクフルトですが、こんなにも多くのアーティストが、街の文化を支えているのだと実感したアトリエの日。完成作品のみを鑑賞する美術館と異なり、同じ街で同じ時代を生きるアーティストたちの手により、現在進行形で生み出される芸術を肌で感じることができました。

ユゴ さや香
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。
 
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