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住宅地の原風景を訪ねて

ドイツで生活してみて、住宅地の機能性に気付かれた方も少なくないのではないでしょうか。シンプルな外観のアパートが立ち並び、庭や公園、公共施設が合理的に配置された住宅地は、ドイツらしい風景の一つと言えるかもしれません。

そんな住宅地が登場したのは1920年代で、原型はフランクフルトにありました。1カ月に1度一般公開される初代集合住宅「エルンスト・マイ・ハウス」は、ごく普通の庭付きメゾネット住宅で、市内北西部の緑豊かな住宅地に建っています。この名前は、住宅地開発を指揮した建築家から来ているのだとか。

ドイツ集合住宅の原型
よく見る風景ですが、これがドイツ集合住宅の原型

建設当時の姿が復元されているのですが、動線を意識した間取りや設えに、今日の住宅との差はそれほど感じられません。当時の住宅地開発の資料なども展示されていますが、いまでも通用しそうなものばかり。約80年前からドイツ人の生活はこれほど機能的だったのかと驚かされます。ちなみに、ここにあるキッチンが、今日のシステムキッチンの原型になっているのだそうです。

広めの裏庭と当時の調理器
広めの裏庭(写真左)と当時の調理器(右)

一般市民の生活環境として建設されたわけですから、外観や内装は非常に簡素で、近代建築に関心のある人には意義ある建物でも、観光スポットのような華やかさはありません。でもこの一帯は、緑との調和を意識して計画された住宅地。周囲には広々とした緑の公園が多くあり、元祖集合住宅地の佇まいとなっています。自然の中を散策する「グリューンギュルテル(GrünGürtel)」という散歩コースも提案されていますので、晴天の週末、緑豊かなフランクフルトを散策しがてら、20世紀初期の市民の生活を覗いてみてはいかがでしょうか。

A.OAyako
九州出身。2003年よりフランクフルト在住。ヒマさえあれば美味しいお店の開拓とダンスに明け暮れている。旅行・映画・仕事など、人生を楽しくしてくれるものは何でも好き。
 
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