ADENI Recruitment Agency

トンネルを抜けると、そこは?旧エルベトンネルを歩く

ハンブルク港は、遊歩道にはお土産屋や屋台が立ち並び、港巡りの遊覧船が行き来し、ギザギザ頭のコンサートホール、エルプフィルハーモニーをバックに記念写真を撮る人々など、いつも観光客でにぎわっています。博物館船キャップ・サン・ディエゴ号など、見所はたくさんありますが、そのなかでもぜひ訪れてほしいのが、100年の歴史を誇るザンクト・パウリ・エルベトンネル。ハンブルクっ子には「旧エルベトンネル」(Alter Elbtunnel)と呼ばれる、エルベ川の水面下を通るトンネルです。

ノスタルジックな雰囲気の旧エルベトンネルノスタルジックな雰囲気の旧エルベトンネル

港の西側のちょっと静かな場所に、丸いドーム型屋根の建物があります。2003年に重要文化財に指定されたこの建物の中にあるのが、旧エルベトンネルの入り口。地下24メートルにある入り口まで降りるには、らせん階段かエレべーターを使用します。降りるとすぐにトンネルの入り口で、ここから対岸のシュタインヴェルダーに行くことができるのです。現在の利用者は、対岸から自然の美しいアルテスランドへ行く観光客がメインですが、地元の通勤者も利用しているようです。

対岸の空を眺めるパノラマ風景対岸の空を眺めるパノラマ風景

19世紀後半、ハンブルクでは約4万人もの人々が港周辺や造船所で働いていました。その労働者たちが毎日対岸へ行き来する手段として、エルベ川の水面下にトンネルを掘ることに。水面下のトンネル建設は例がなく、ハンブルク市のこの旧トンネルが欧州大陸で、初の挑戦だったのです。1907年から工事が始まり、1911年についに完成しました。

旧エルベトンネルは、東と西の平行した二つのトンネルがあり、全長426.5メートル。真ん中に馬車のための道、その左右に歩行者の道が造られました。度重なる修復工事を経て、2019年には東トンネルがリニューアルオープン。現在は、まだ西トンネルの修復工事が続いています。一時期、小型車も決められた時間帯に通ることができましたが、現在は修復工事の関係で通行禁止になっています。

かつて馬車も乗せたというエレべーターかつて馬車も乗せたというエレべーター

実際に旧エルベトンネルを歩いてみましたが、重要文化財に相応しく、オリジナル性を重視した精巧で美しい内装はとても印象的でした。壁面のタイルの釉うわぐすりの色合いと、それを照らすランプの薄灯りがとてもレトロチック。壁面の海の生物をモチーフにしたレリーフを一つひとつ見ながら歩いていると、馬車がカポカポ通り過ぎて行くような気がしてきます。

トンネルを抜けた向こう側は19世紀の風景が待っているのかしら……と、ぼんやり思いながら、対岸に到着。地上に出ると、そこには素晴らしいハンブルク港のパノラマ風景が待っていたのでした!

岡本 黄子 おかもと きこ
ハンブルグ郊外のヴェーデル市在住。ドイツ在住38年。現地幼稚園で保育士として働いている。好きなことは、カリグラフィー、お散歩、ケーキ作り、映画鑑賞。定年に向けて、第二の人生を模索中。

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


最新のeBook
Neuestes e-Book
第1・3水曜日更新
ドイツ最新ニュースから生活情報まで盛りだくさん!今週のeBook
6 März 2026 1259号
脱原発後のドイツと
「核のゴミ」
Nippon Express SWISS 習い事&スクールガイド バナー

デザイン制作
ウェブ制作

ドイツ便利帳サーチ!

詳細検索:
都市
カテゴリ選択