Hanacell

新しい地下鉄路線「U4」が誕生

年が明けたばかりの1月のある日、ハンブルクのJungfernstieg駅から電車に乗ろうとした時、「U4の乗り場はこちら」という案内を目にしました。以前から地下鉄4番線の工事が行われていることは知っていたのですが、乗り場案内の表示が出るということは、いよいよ開通なのだなと思い、書いてある表示の方へ進んでみると、なんとすでに電車が動いているではありませんか! 昨年11月28日に開通式が行われ、同29日から運転が始まっているそうです。

Überseequartier駅構内
Hafen CityのU4、Überseequartier駅構内

エルベ川が流れるハンブルクは、古くからハンザ自由都市の港町として交易で栄えてきました。その昔、エルベ川中州地区は無関税での商取引が許可された特別区域だったため、ペルシャじゅうたんや紅茶、胡椒などの品々が運び込まれた一大倉庫街でした。この無関税措置が廃止された後、倉庫街はかつての活気を失い、廃れていったのですが、せっかく街の中心に近く利便性の高い地域だからということで、2000年頃から「Hafen City」として再生させるべく、新しい住宅街やオフィス街の開発が始まりました。地下鉄4番線は、中心街からこのHafen Cityへと向かう路線なのです。

確かに、今まで見慣れていた市電や地下鉄の路線図に、それまでなかった青緑色のU4の線が新たに加わっています。Hafen Cityは常に建設ラッシュで、半年くらい行かないと風景が全く変わってしまうような場所なので、これは良い機会だと思い、U4に乗ってHafen Cityへ行ってみました。終着駅はHafenCity Universität駅ですが、まだここまでは開通しておらず、現在はその手前のÜberseequartier駅までしか通っていません。終着駅の開通は、今年秋になるようです。

まだ利用者が少ないためか、あるいは時間帯のせいなのか、乗っている人はほんのわずか。Überseequartier駅を降りると、さすがにできたばかりの美しい駅! 鮮やかな壁の青色が印象的でした。かなり地下深いところを走っているようで、駅の天井が高く、地下鉄なのに開放感に溢れていたのが不思議でした……が! 一歩地上に出てみると、そこは一面さら地で、これから建つ予定のマンションの看板が立っているだけでした。「道理で利用者が少ないわけだ……」と思いつつ、建物のある方に向かって歩いて行くと、突如景色は一変し、近代的で個性的なマンションやお洒落なショップが建ち並んでいました。

Überseequartier駅 地上入り口
地下鉄は通っているものの、地上はまだこの状態です

日本なら、家が建ってから交通網が整備されるまで時間が掛かるのに、ハンブルクはマンションが建つより先に地下鉄が走っている。これは「良心的」ということかしら? などと考えながら、中心街とは違った風景を眺めたのでした。

井野さん井野 葉由美(いの はゆみ)
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?
 
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