Hanacell

福島の原発事故から5年を迎えて

2011年3月の東日本大震災と福島第一原発の事故から5年が経ち、ドイツでも様々な催しが各地で企画されています。今回は、ハノーファー、ブレーメン、ブラウンシュヴァイクでの催しを紹介します。

【ブレーメン】3月6日(日)~6月19日(日)まで、福島をテーマにしたアート展「INCIDENTS – ZWISCHENFÄLLE(事件)」が開かれる。日本やドイツなど世界各国のアーティスト15人によるもので、「福島とは、地名なのか何かのシンボルなのか」と問いかける。アーティストの一人でハノーファー在住の文倉千恵子さんは岩絵の具で津波の様子を描いた。また、10日(木)17時より、Haus im Parkにて、福島をテーマにしたシンポジウムが開かれ、医療、環境、政治の分野からドイツと日本の原発問題について討論する。

●「INCIDENTS – ZWISCHENFÄLLE」
www.kulturambulanz.de/galerie/ausstellungen/incidents_ausstellungsstext.php

作品
津波を描いた文倉千恵子さんの作品

【ハノーファー】3月11日(金)19時~、東日本大震災と福島第一原発事故について「日本:地震、津波、原発事故の三重災害から5年」と題した催しを市庁舎で開く。ライプニッツ・ハノーファー大学の放射線生態学ゲオルグ・シュタインハウアー教授と学生たちが、福島で体験したことを話すほか、ハノーファーに住む日本人が、当時地震が起こったときの様子を自分や家族の体験を交えて語る。実際に関わった人たちによる生の声が聴けるのが特徴だ。最後に筑波大学の学生たちが作った映画『いわきノート FUKUSHIMA VOICE』(ドイツ語字幕付き)を上映する。また、3月はニーダーザクセン州立博物館で日本月間となるため、日本関連の催しが行われる。ひな祭り(6日)や、漫画ワークショップ(5日、12日)、着物についての講演とショー(13日)などの催しをはじめ、講演会「日本の食文化」(15日)、「福島と日本社会」(24日)、「日本ポップカルチャー」(30日)も予定されている。講演会はいずれも19時からで、無料。

●ニーダーザクセン州立博物館 www.landesmuseum-hannover.niedersachsen.de

●3月11日に市庁舎で行われる震災関連イベント http://www.hannover.de/ 

【ブラウンシュヴァイク】キリスト教関連の団体が中心となって、3月から4月にかけて福島とチェルノブイリの原発事故をテーマにした多彩なプログラムを計画している。日本やベラルーシからの証言のほか、アッセ核廃棄物処分場やエネルギーシフトをテーマとした講演会や演劇、トークショーがある。

●ブラウンシュヴァイク近辺でのプログラム https://zukunftdanach.wordpress.com

今年は福島の原発事故から5年、チェルノブイリから30年となる節目の年。ドイツは福島第一原発の事故をきっかけに、2022年までの脱原発を決めた。福島での出来事を忘れないで将来の教訓とすることが私たちの役目だとするなら、様々な人々が関わってたくさんの催しが開かれるのは、大変心強い。

ブレーメンでの催しのポスター
ブレーメンでの催しのポスター

田口理穂(たぐち・りほ)
日本で新聞記者を経て1996年よりハノーファー在住。社会学修士。ジャーナリスト、裁判所認定ドイツ語通訳・翻訳士。著書に『市民がつくった電力会社: ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命』(大月書店)、共著に「お手本の国」のウソ(新潮新書) など。
 
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