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古き良き文化の香り漂うメルケルシェ屋内プール

今年の夏もいよいよ終盤を迎える時期。屋外プールの季節は終わりますが、まだまだプールで泳ぎたい人におすすめの屋内プールがあります。

エスリンゲンの市営プール「メルケルシェ屋内プール(Merkel'sche Schwimmbad)」は、100年以上の歴史を持ち、ドイツに残っている数少ないユーゲント・シュティール様式の美しい屋内プールの一つです。

建物の外観はほとんど住宅と変わりなく、赤いレンガに頑丈な石作り。3階の外壁にあるモザイク壁画や装飾がなんとなくプール施設であることを示唆していますが、普段、この建物の目の前を通り過ぎてもプールの存在に気が付くことはなさそうです。

中へ入っていくと、券売機があり、スポーツ用とミネラルプール・スチームバスとサウナ施設の入場券がそれぞれ売られています。スポーツ用は普通のプールと変わりなく、冷水でいくつかのレーンに別れています。また、競技用にもなっているらしく、観客席や3mと5mのジャンプ台まであります。サウナ施設は2階と3階にあり、6つのサウナ室を構えています。

私がよく行くのはこのミネラルプール・スチームバスです。2時間半券、4時間券、1日券から選べます。ミネラルプールは温水で、歴史的建造物の中心部にあります。プール自体は大きくありませんが、大きな窓や吹き抜けが開放感を生み出しています。天井には建設当時のオリジナルアーチがかかっていて、窓も小さなアーチ型。天井に近いステンドグラスにはイタリアの海岸線が描かれています。一つ先のドアを開けると、もう一つ大きな空間があり、そこにはスチームバスと冷水浴槽と酸素ルームが。トルコブルーのタイルがふんだんに使われた、ちょっとエキゾチックな雰囲気を醸し出しています。窓ガラスの装飾やモザイクの床、大理石の柱、とても贅沢な気分になります。

2階からの眺め
2階からの眺め。のんびりとしたリラックス空間です

装飾が素敵なステンドグラスと床
装飾が素敵なステンドグラスと床

このプールはギーセンの建築家ハンス・マイヤー氏が1905~1907年にかけて設計。その後、所有者のオスカー・メルケル氏によって市に寄贈されました。当時、まだバスルームが一般に普及しておらず、労働者達がここのシャワーと風呂を利用していたそうです。

夜は水中が光るので、さらに幻想的。屋内プールは普段は水着着用での利用になりますが、週に一回、夜の時間帯にFKK(裸でいること)タイムがあります。解放感が味わえると同時に、水中音楽を聞きながら、とてもリラックスができます。

www.swe.de/de/Baeder/Merkelsches-Schwimmbad

郭 映南
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。
www.kakueinan.wordpress.com
 
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