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シュタイナー学校を見学 ヴァルドルフシューレの秋祭り

日本にいた頃からしばしば耳にしていたシュタイナー教育。これは20世紀の初めに、オーストリアの自然学者で哲学者のルドルフ・シュタイナーが提唱した人智学(アントロポゾフィー)をもとにした独特の教育方法のことです。文化的・知的に自由な人生を送ることを目指したその思想は、戦後多くの支持を得て、いまや全世界に1000校以上の学校ができるほどに広がっています。

実は世界初のシュタイナー学校は1919年にシュトゥットガルトにて設立されました。ここ、バーデン=ヴュルテンベルク州にはシュタイナー学校(ドイツ語ではヴァルドルフシューレと言います)が、現在は20校もあります。友だちに誘われ、エスリンゲンにあるヴァルドルフシューレの秋祭りに遊びに行ってきました。

5年生の描いた絵
5年生の描いた絵

閑静な住宅街にある学校はいくつかの建物に囲まれていて、緑いっぱいの中庭がありました。ほぼすべての教室が開放されていて、自由に入ることができました。窓や黒板は普通の学校と違い、アールヌーボー風の柔らかい曲線と曲面でできていて、壁の色はほとんど暖色系で統一されています。廊下には秋にちなんで、落ち葉やつるでできているデコレーションが斬新でかわいらしかったです。教室の中は、カフェになっていたり、さまざまな木製のゲームがあったり……。昨今コンピュータゲームだけに没頭する子どもが増えていると言われるなか、ここだけが電気すら使われない超アナログな別世界のよう。

また学校の1階に普段は集会やコンサートなどを開催する場所として使われている大きなホールがあり、今回の秋祭りではマーケットが開かれていました。小さな屋台がたくさん並び、クリスマスマーケットのように生徒が手作りしたジャムやクッキー、飾りなどが手ごろな値段で売られています。舞台上は藤などの材料でかご編み体験をする親子連れで賑わっていました。食堂では各学級の生徒の描いた絵や手書きのノートや外国語での作文が展示されていました。10年生による彫刻、鳥の巣箱や小物入れなどの木工作品はデザインは簡素なものでしたが、それぞれ高い技術が使われているのが見て取れました。生徒が自分でデザインして作った服なども飾られており、創造力重視という教育方針がはっきりと見え、羨ましい限りです。

学校内のマーケット
学校内のマーケット

※来年2019年は世界初のヴァルドルフシューレ「Freie Waldorfschule Uhlandshöhe」設立100周年を迎えます。9月7日にはLiederhalleにて盛大な百年記念イベントが予定されています。それ以外にも毎月のようにコンサートや演劇のイベントが学校内で開催中。

エスリンゲンのヴァルドルフシューレ秋祭り(毎年11月開催):https://waldorfschule-esslingen.de

落ち葉と蔓でできたデコとウェルカムボード
落ち葉と蔓でできたデコとウェルカムボード

郭 映南(かく えいなん)
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。
www.kakueinan.wordpress.com
 
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