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So. 28. Mai. 2017

エデターの妊娠&出産体験記 ドイツでマタニティーブルー

編集部:(羊)
2013年冬に第1子を出産。約1年間の育児休暇を経て職場復帰。
現在、日本人の夫と二人三脚で、初めての子育てに奮闘中。
基本的な性質、おおざっぱだが心配性。キャパを越えるとパニックになるので、
良妻賢母は目指さない。目まぐるしい子どもの成長に引っ張られるようにして、
なんとか親にしてもらってるような新米母。
日本人夫婦のもとに生まれた我が子の、日本語学習環境が目下の悩み。

※公的疾病保険に加入しているデュッセルドルフ在住者が、2013年に出産した体験を基にしています。

出産レポート 2
タクシーか、路面電車か

ドイツ語単語

Anzeichen:兆候
Wehen:陣痛
Schleimpfropf:おしるし
Blasensprung:破水
Fruchtwasser:羊水
出産予定日の2週間前という時期に始まった、様々な身体の変化。前回のコラムでは、「破水疑惑」が、「尿漏れ」という結果に終わったところまでをお伝えした。

出産前夜

さて、出産の兆候を一度フライングした私は、「初産だし、まだまだよね」とすっかり安心してしまったのだ。ところが、尿漏れ事件から2日後の夜、さらなる変化が身体を襲う……!
その変化とは、何とも言えない鈍痛と、キリキリした痛みが交互に襲うような腹痛。まさに、便秘のときのような腹痛で、トイレに駆け込むと排便がある。それを、夜中に何度も何度も、たしか4回ほど繰り返した。我ながら呆れたことだが、そのとき「陣痛では?」なんて、まったく考えもしなかったのだ。「わたし、ひどく便秘だったのかしら……」と、トイレから出るたびに頭をかしげる。

出産当日

夜中にトイレを頻繁に行き来したので朝はぼんやりとし、さらに大きなお腹がいつもより張っているような感覚があったので、ソファーでのんびりと過ごしていたのが午前中。ふと、ソファーから腰を上げたとたんに、水分が下の方から「バシャっ!」。本当に、バシャっと音を立てるくらいの量の水分がどこからか出てきて、私はたちまちパニック状態。まずは、携帯電話を……と足を一歩踏み出すとさらに漏れ出る水分に、「こ、これも、尿もれ?」「いや、やっぱり破水か?!」と、めまぐるしく頭を働かせようとする。記憶の中から、どうにか「破水後は24時間以内に陣痛が始まる」という情報を引き出し、やっぱり病院(出産予定の病院の分娩室)に電話しようと決意した。

11時半頃
(羊):あ、あのー、先日もお世話になった(羊)ですが、また水分の流出があり、前回よりも量も多いようです。
(分娩室):病院へお越しください。焦らなくても大丈夫です。タオルか何かをあてて来てください。

私の声が、あまりに不安そうだったのだろう。「大丈夫」と繰り返し言われたことを覚えている。
ということで、次にとるべき行動が決まったことで少し気が紛れ、平常心に戻ったつもりでいたのだが、私はここで致命的なミスを3つおかしてしまう。

その1:夫に連絡しなかった(心のどこかで、今日はまだ出産日ではないだろう
    と思っていた)

その2:入院バッグを持っていかなかった(この後に及んで、尿漏れの可能性を
    捨てきれずにいた)

その3:タクシーの利用をまったく思いつかず、路面電車を待っていた(病院が
    近かったもので)

家を出るまでは、まったく陣痛の片鱗もないように思っていたのだが、路面電車を待っていると様子が変わってきた。直立していられないような痛みがたまに襲ってくるのだ。「あれ? い、痛いぞ?!」でも、路面電車に乗ってしまえば10分の距離と、ほどなくして停留所に着た路面電車に乗りこむ。しかし、10分が20分に感じられるような、史上最悪の乗車時間だった。ついには、車内でじっと座っていることも、しっかり立っていることもできずに、座席に両手をついて、ふんばるようにして痛みに耐える私。お腹の大きな妊婦の必死の形相にざわめく周囲……。

タクシーか、路面電車か
イラスト:shoko Maeda-schmidt

「大丈夫かい?」と、やさしく声を掛けられても、脂汗をにじませながら「Ja…(はい)」というのが精一杯。病院の最寄り停留所について、ほかの乗客に助けられながら電車を降りた。そして、いつもならまったく気にならない停留所から病院までの距離(徒歩1分)を思って絶望した。「あんなに遠くまで歩いていかなければならないのか」と。

12時半頃
壁をつたい、身体をひきずるようにして病院に到着。分娩室で先日の助産師さんと再会するやいなや、開口一番「あれ? 陣痛、きてますね! このまま入院ですよ」
念のために行った羊水検査、鮮やかなブルーが漏れ出ているのが羊水であることを告げる。続く、子宮口の検査で、そのときすでに子宮口が6センチも開いていたことも分かった。
「遅くとも夜には産まれますよ!」「ご主人には連絡しましたか?」と聞かれ、まだ自分が数時間後に出産するという実感もわかないままに夫に電話。
(羊):「今日、夜までに産まれるらしい。このまま入院することになったのに、入院バッグも何も持ってきてない」
(夫):「え? 今日の夜?! 分かった!」

夫がそれだけの情報で何を分かってくれたのか定かではなかったが、確かに、そのときは夫の方が正しく状況を判断していた。「仕事が終わってから来てね……」なんて悠長なことを考えていた私と違い、電話の後、すぐに病院に向かってくれていたのだ。

次回、「我慢すべきか、いきむべきか」に続く!

限界だと感じたら無痛分娩に切り替えようと、事前に助産師さんとも確認して分娩室へ。さて、陣痛の痛みとは、どこまで我慢できるものなのか!? 予想以上に進行の早いお産に、慌てふためく現場(というか、筆者)! 一方、夜には産まれるという情報を信じて公共の交通機関を利用して病院に向かっている夫(堅実な夫婦と言っておこう)は、無事お産に立ち会えるのか?!

 
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