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ドレスデン
ドレスデンのロマン派博物館

22 Januar 2010 文・写真 福田陽子

アルトシュタットからアウグストゥス橋をノイシュタット側に渡ると、アウグスト強王の黄金の騎馬像が見えます。そこから延びるハウプト通り(Hauptstr.)はショッピングストリートで、以前にご紹介したサッカーミュージアムもここにあります。そして並木が美しいこの通りに面して建っているのが、瀟洒(しょうしゃ)なファサードを構えるクーゲルゲンハウス(Kügelgenhaus)。その3階は、1981年にオープンした「ドレスデンのロマン派博物館(Museum der Dresdner Romantik)」になっています。

この建物は1699年、建築家ミヒャエル・ブルガーによって建てられたもので、現在博物館となっている3階に1808年、ドレスデン芸術アカデミーの教授であり、肖像画家であったゲルハルト・フォン・クーゲルゲン(1772~1820)が越してきました。展示コーナーでは、ドレスデンと縁の深いロマン派の音楽家や作家、画家の軌跡が紹介されています。音楽家のワーグナーやウェーバー、シューマン、画家のフリードリヒやルンゲ、ケルスティング、ダール、作家のホフマンやシュレーゲル兄弟、そして詩人のゲーテとシラー。ドイツを代表するこれらの人物がドレスデンに関わっていたという事実は、この街にとって大きな財産であり、誇りでもあるのです。

再現されたアトリエ
再現されたアトリエ


当時、比較的裕福な人々が住んでいたこの建物から西にかけての一角は、現在もバロック地区と呼ばれ、高級ブティックや5つ星ホテル、ギャラリーが点在する閑静な場所です。画家は貧しいというイメージがありますが、クーゲルゲンには地位も富もあったようで、10部屋以上ある3階のフロアすべてを所有していました。明り取り用の中庭をぐるりと囲むように部屋が配置されているので、どの部屋にも十分に採光が確保されます。かつての台所や浴室は現在、事務所やトイレなどに使用されていますが、居心地の良い広さの部屋がいくつも並ぶ住居を歩き回ってみると、当時の暮らしぶりを感じ取ることができます。ハウプト通りに面した一番広い部屋がサロン。その窓から1813年4月24日、当時よくドレスデンを訪問していたゲーテがナポレオン軍に立ち向かうプロイセンとロシアの軍隊の行進を眺めたのだそうです(ライプツィヒの戦い)。

幸いにも1945年の爆撃による建物の損傷は少なく、その後の修復で露出した17世紀の天井画を観ることができます。クーゲルゲンのアトリエは、通りとは反対側の静かな庭に面しており、彼が描いた1枚のアトリエの絵を元に再現されています。恵まれた生活を送っていたクーゲルゲンでしたが、その最期は1820年3月27日に郊外にある自身のワイン畑の小屋からドレスデンに戻る途中で、強盗に襲われ殺されてしまうという悲しいものでした。

淡いイエローのファサードが目印です
淡いイエローのファサードが目印です


福田陽子さん 福田陽子
横浜出身。2005年からドレスデン在住。ドイツ人建築家の夫と娘と4人暮らしの建築ジャーナリスト。好奇心が向くままブログ「monster studio」公開中。
http://yoyodiary.blog.shinobi.jp/


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