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ぶどう畑の四季

| ぶどう畑の四季 |
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新たな年を迎えるたび、ぶどう畑の1年のサイクルについて思いを巡らします。今回は、醸造所の1年間の畑仕事を追ってみましょう。 1~2月は、休眠中のぶどうの樹をせん定する季節です。1本の樹のおよそ8割をこの時点で切り落としてしまいます。例えばグイヨーと呼ばれる垣根栽培の場合、残されるのは幹とそこから生える1本あるいは2本の、芽を6~10個くらい残した短い枝のみです。このような極端なせん定を行うことで、実るぶどうと茂る緑の程よいバランスと、理想的な収穫量が得られます。せん定の際はぶどうの樹の骨格となる幹と枝に向き合うため、その健康状態をしっかりチェックすることもできます。カットした枝は取り除いて機械で細かく砕き、土に帰すこともあります。南欧では枝を燃やし、その灰を土に帰します。 2~3月にかけては、グイヨーの場合、針金を張って作られたフェンスにひも状の柳の枝や紙を巻いた針金などを使って残した枝を結わえ、固定します。そうすると、新梢(しんしょう)が伸びる時にそれぞれが空間を保ちながら垂直に育ってくれます。この時期には、せん定した枝の先から滴る樹液が見られます。発芽はもうすぐです。 3~5月にかけての発芽、展葉の季節には、必要とあらば肥料をやり、ぶどうの樹全体にいきわたる養分のバランスをとります。そして5~6月にかけては土壌を耕すなど、土の世話をします。冬の間に固くなってしまった土をほぐすことにより、空気が取り込まれ、ガス交換が行われ、土壌中の熱伝導も改善されます。この時期はぶどうの芽がぐんぐんと伸び、やがて開花します。余分な新梢や葉を取り除く作業も行われ、必要な枝だけが守られます。 開花を終え、結実したぶどうが成長する7~8月は、引き続き伸びる枝をフェンスに畳み込み、増える葉の数を適度にコントロールして、ぶどうが理想的な状態で成長できるよう手助けします。必要に応じて、伸び過ぎたぶどうの蔓の先をカットすることもあります。とりわけこの時期はカビ菌などが繁殖しやすいため、造り手の選択により、伝統農薬、ビオ農薬などの散布が何度か行われます。また、緑化している畑では雑草を刈ります。造り手によっては、グリーン・ハーヴェストと言って、必要ないぶどうの房を緑色の段階で切り落とす作業も行われます。さらに凝縮したワインを造るためには、その後も必要に応じて、不要な房を切り落としてしまいます。また、ぶどうの房が程よい日差しを受け、雨後に乾燥しやすくなるよう、密集した葉も取り除きます。 そして9月、いよいよ収穫シーズンの始まりです。収穫のタイミングはぶどうの品種によって様々で、各々の畑の、各々の品種の果汁の糖度、酸の量、アロマや色付きの状態、健康状態、天候などの要因を考慮して決定します。早熟品種の収穫は8月下旬に行われることもあります。収穫方法には手摘みと機械収穫があり、ともにそれぞれの利点がありますが、一般的に、高品質のワインは手摘みされます。貴腐ぶどうの収穫は、天気の良い秋、貴腐菌がうまく働き、ぶどうが乾燥した状態で、手作業で行われます。アイスワインの収穫は、氷点下7度以下の、ぶどうが凍結した状態で行われます。 次回からは、収穫したぶどうがワインになるまでの流れについてご紹介ましょう。
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著者プロフィール 岩本順子(いわもとじゅんこ):翻訳者、ライター。ハンブルク在住。ドイツとブラジルを往復しながら、主に両国の食生活、ワイン造り、生活習慣などを取材中。著書に「おいしいワインが出来た!」(講談社文庫)、「ドイツワイン、偉大なる造り手たちの肖像」(新宿書房)他。 www.junkoiwamoto.com |






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