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醸造の手法 ゼクトの場合

| 醸造の手法 ゼクトの場合 |
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醸造の手法、4回目はゼクト(=シャウムワイン/Schaumwein)の製法をご紹介しましょう。ゼクトはベースワインをさらに発酵させて造ります。二次発酵と呼ばれる2度目の発酵は、タンク内で行う場合と、瓶内で行う場合(伝統的瓶内発酵法/シャンパンと同じ製法)があります。ここでは、後者を中心にご紹介しましょう。 シャンパンと同等のゼクトを醸造する場合は収穫後、除梗や破砕をせずに圧搾します。シャンパンに倣い、ぶどう4000キログラムにつき一番搾り果汁(キュヴェ)を2050リットル、続いて二番搾り果汁(タイユ)を500リットル圧搾し、それらを別々に醸造している醸造所もあります。 ベースワインの醸造法は白ワインに準じます。ヴィンテージ別、品種別、醸造所によってはキュヴェ、タイユ別に、様々なベースワインのコレクションが出来上がったら、これらをモザイクのように組み合わせて試飲を繰り返し、最終的なアッサンブラージュを決めます。もちろん、1品種から造られるゼクトもあります。 ブレンドが決まったら、大型タンクにベースワインとティラージュ(ベースワイン、酵母、規定量の砂糖の混合液)を加え撹拌します。これをボトリングして王冠などで栓をし、温度管理したセラーで二次発酵させます(約4週間)。瓶内で発生した炭酸ガスがゼクトの泡となります。二次発酵後、通常のゼクトであれば最低6カ月、原産地呼称ゼクト(Sekt b.A)、伝統製法のヴィンツァー・ゼクト(Winzersekt)の場合は最低9カ月、酵母滓を取らずに寝かせておきます。2、3年と長期にわたって寝かせる場合もあります。 その後、ピュピトルと呼ばれる専用台に瓶を差し込み、角度をつけながら左右に動かし、酵母滓を瓶の口に集めます(ルミアージュ)。手作業なら21日間、ジロパレットと呼ばれる機械を使用すれば約1週間で終了します。ルミアージュで集めた酵母はボトルの口を急冷却して凍らせ、王冠を外して取り除きます。そして最後にリキュール(ドサージュ、加えない場合はドサージュ・ゼロ)を加えてコルクを打ち、アグラフェと呼ばれる針金の留め具でそれを固定します。ドサージュに含まれる糖分の量が、ゼクトの味覚(エクストラ・ブリュット、ブリュットなど)を決定します。この一連の作業をデゴージュマンと言い、全行程は機械化されていますが、手作業で行っている醸造所もあります。 ただし、上記の伝統製法で造られるゼクトはドイツ産ゼクトの約1割。それ以外はタンク発酵法(シャルマ製法)で造られています。また、瓶内二次発酵であっても、デゴージュマンの手間を省くため、出来上がったゼクトを加圧タンクに入れてフィルターで酵母を取り除き、ボトリングするという方法(トランスファー方式)がとられる場合もあります。 ところでドイチャー・ゼクトとは、100%ドイツ国内で収穫されたぶどうを使用しているゼクトのこと。また、Sekt b.A.と表記してあるものは、それぞれ13の指定生産地域で収穫されたぶどうから造られています。ヴィンツァー・ゼクトには、瓶内二次発酵が義務付けられています。ドイツ産クレマンは地域ごとに使用品種が限定されており、残糖値の上限などゼクトとは異なる基準が設けられています。このほか、圧力およびアルコール度数がゼクトより低い、パールワイン(Perlwein)と呼ばれる製品もあります。
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著者プロフィール 岩本順子(いわもとじゅんこ):翻訳者、ライター。ハンブルク在住。ドイツとブラジルを往復しながら、主に両国の食生活、ワイン造り、生活習慣などを取材中。著書に「おいしいワインが出来た!」(講談社文庫)、「ドイツワイン、偉大なる造り手たちの肖像」(新宿書房)他。 www.junkoiwamoto.com |






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