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世界の中のドイツ・ワイン

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今回は、ドイツ・ワインの現状を、統計の数字などを参照しながら掴んでみたいと思います。 ドイツは、世界的にはワインの国としてよりも、ビールの国として知られているようです。ドイツ人のビールの年間消費量は1人当たり112リットル、一方のワインは20リットルです。わかりやすいイメージに置きかえると、ドイツ人はビールの小瓶を1日1本欠かさず飲んでいるが、ワインは週に1、2回、グラス1杯程度を嗜むだけという感じでしょうか。ちなみにワインの国フランスは、ドイツの倍の量のワインを消費しています。 ドイツ国内のワイン消費状況を見ると、ドイツでは主に輸入ワインが消費されており、全体の消費量の65%を占めています。内訳はフランス・ワインとイタリア・ワイン(それぞれ16%)、スペイン・ワイン(5%)、ニューワールド・ワイン*(8%)の順となっています。 では、生産量はどうでしょうか。ドイツのぶどう畑の面積(10万2000ha)は、栽培面積世界一であるスペインの約10分の1、フランスやイタリアの約8分の1にすぎません。ドイツ全土のぶどう畑を合わせても、フランス・ボルドー地方のぶどう畑の大きさに満たないのです。 また、ワインの輸出量(241万4000hl)も、トップのイタリアやフランスの約7分の1です。乱暴な言い方をすれば、世界のどこかのワインショップでフランス・ワインが100本、イタリア・ワインが100本並んでいるとしたら、ドイツ・ワインは15本くらいしか並んでいないということです。このようにドイツ・ワインは、量的にはその存在感を世界に印象付けることができません。 一方、質においてはドイツ・ワインのレベルは高く、ドイツで生産されるワインの約90%がQWPSR(Quality Wine Produced in a Specified Region)=原産地呼称ワインとなっています。つまり、ドイツ・ワインのほぼすべてがヴィンテージを持つ、各々の指定生産地域の特色が活かされたワインなのです。ちなみにフランスのQWPSRは、全体の50%程度です。 ドイツ・ワインの中で、世界的に最も強くアピールできるものは、おそらくリースリングとシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)でしょう。両者はドイツ・ワインの白品種、赤品種のうち、それぞれ最も多く栽培されているものです。リースリングの栽培面積はドイツが世界第1位(約2万1000ha)で、世界全体のリースリング栽培面積の62%を占めており、2位のオーストラリア(4200ha)を大きく引き離しています。リースリングの品質とワインの多彩さの点で、他国がドイツを上回ることは非常に難しいでしょう。 一方、ドイツにおけるシュペートブルグンダーの栽培面積は1万2000ha。これはフランスのピノ・ノワールの栽培面積(2万9000ha)の3分の1強です。そこからシャンパンに使用されるピノ・ノワールの分(約1万2000ha)を差し引くと、ドイツはフランスに追いつきそうな勢いです。また、現在ドイツではブルゴーニュスタイルのシュペートブルグンダーが多く生産され、その品質も向上しています。ブルゴーニュの造り手との情報交換も盛んで、最近のドイツのシュペートブルグンダーは、ジャーマン・ブルゴーニュと言っても良いほどです。 このほかドイツでは、ドライとセミドライの生産量の合計が60%に達しており 、スウィートワインの生産が減っています。また、赤ワインの生産量が全体の40%に達する勢いです。「ドイツは白ワインの国」「ドイツ・ワインは甘口」というイメージは、すでに過去のものなのです。 (参考:2008年発表のDeutsches Weininstitutの統計他)
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著者プロフィール 岩本順子(いわもとじゅんこ):翻訳者、ライター。ハンブルク在住。ドイツとブラジルを往復しながら、主に両国の食生活、ワイン造り、生活習慣などを取材中。著書に「おいしいワインが出来た!」(講談社文庫)、「ドイツワイン、偉大なる造り手たちの肖像」(新宿書房)他。 www.junkoiwamoto.com |






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