
| 肩書き |
![]() 今回も、アルファベット3文字をご紹介しま しょう。QmP(クーエムペー)Qualitätswein mit Prädikat(肩書き付・上級ワイン)です。でもこちらの3文字は、すぐに忘れてしまって大丈夫。覚えておきたいのは肩書きのほうです。 クーエムペーは、ドイツの最高級ワインのカテゴリーで、6種類の肩書きがあります。 ライトなものからコクのあるものへと順に、カビネット(Kabinett)、シュペートレーゼ(Spätlese)、アウスレーゼ(Auslese)、ベーレンアウスレーゼ(Beerenauslese)、アイスワイン(Eiswein)、トロッケンベーレンアウスレーゼ(Trockenbeerenauslese)となっています。 今回はライトな方の3つをご紹介しましょう。 カビネット、シュペートレーゼ、そしてアウスレーゼは、いずれも料理と合わせるのに最適なワインです。辛口(トロッケン/trocken)が主流ですが、半辛口(ハルプトロッケン/halbtrocken)も甘口(リープリッヒ/lieblich)もあり、好みのワインが見つかりやすいカテゴリーです。味覚の表示が見当たらない場合は甘口であることが多いので、購入時に確認することをお勧めします。 各々の肩書きには、それぞれ、収穫ぶどうの糖度の基準が設定されています。そしてコクのあるものほど、収穫時の糖度が高くなっています。つまり、より甘く熟したぶどうを使っているのです。でも最近では、シュペートレーゼクラスのぶどうをカビネットとして、アウスレーゼクラスのぶどうをシュペートレーゼとして、あるいはアウスレーゼクラスのぶどうをカビネットとしてボトリングする造り手もいれば、その反動として、カビネットはカビネットらしくと、ライトさを守り抜く造り手もいます。醸造家の哲学によって、その中身はバラエティーに富んでいるのです。 また甘口のアウスレーゼの中に、自然氷結のぶどうを圧搾したアイスワインが入っていることもあります。醸造家がアイスワインを収穫したものの、理想的な状態、つまりカチカチに氷結していなかったため、アイスワインとして販売するのは納得がいかないと判断したワインをアウスレーゼとしてボトリングすることがあるのです。 カビネットにも、シュペートレーゼやアウスレーゼにも、さまざまなドラマがひそんでいます。ですから、糖度のランクを表す数値(エクスレ値)を暗記することはさほど重要ではありません。大事なのは、自分の味覚、自分が美味しいと感じられるかどうかです。ドイツワインは、とにかくテイスティングしてみないことには何もわからないのです。
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著者プロフィール 岩本順子(いわもとじゅんこ):翻訳者、ライター。ハンブルク在住。ドイツとブラジルを往復しながら、主に両国の食生活、ワイン造り、生活習慣などを取材中。著書に「おいしいワインが出来た!」(講談社文庫)、「ドイツワイン、偉大なる造り手たちの肖像」(新宿書房)他。 www.junkoiwamoto.com |



ミュラー・カトワール醸造所のワインの中で、最も魅力的なもののひとつが、このリースラーナーのアウスレーゼ。発酵を冷却によって途中で止め、果実の自然の甘さを残している。ドイツのデザートワインの魅力は、この優雅な自然の甘みにあります。最近ではアウスレーゼを辛口に仕立てることも多くなっています。ドイツワインはフレッシュで軽快なので、甘口のアウスレーゼにも、食中酒として楽しめるものがあります。このリースラーナーは、アルコール度数が10度と低く、チーズの他に、様々な甘いデザートとよくマッチします。アペリティフにも適したワインで、20年くらいなら問題なく保存可能です。
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