Hanacell

ドイツワインの魅力を再発見!

ぶどうを育て、最高の一滴を得る。ドイツのワイン生産者たちは、ぶどう栽培には厳しい気候の中で豊かなワイン文化を育んできた。ワイン用ぶどうの総栽培面積は、約10万ヘクタール。この中に13の生産地域を抱え、それぞれに個性的なワインを生み出している。生産量に限りがあるため、国外にはなかなか出回らない最上級のワインは、ドイツでこそ知りえる極上の味。進化を続けるこの国のワインの本当の魅力にひとたび出会えば、あなたもドイツワインの虜に……。
(編集部:高橋 萌)

ドイツワインの産地マップ

13地域のワイン生産量

  • 01アール Ahr

    アール生産量:5万2051hl

    赤ワインの楽園

    約560ヘクタール、国内最小のワイン生産地域アールは、ドイツの赤ワイン生産の最前線。
    主なぶどうの品種
    ● シュペートブルグンダー
    ● フリューブルグンダー
    ● ポルトギーザー
    www.ahrwein.de
  • 02モーゼル Mosel

    モーゼル生産量:132万7959hl

    ドイツ最古のワイン生産地域

    モーゼル川、ザール川とルーヴァー川流域に広がるこの地域は、高級ワインの産地としても知られる。
    主なぶどうの品種
    ● リースリング
    ● ミュラー・トゥルガウ
    ● エルブリング
    www.ahrwein.de
  • 03ミュテルライン Mittelrhein

    ミュテルライン生産量:3万5997hl

    ロマンティックな景観と
    ワインを楽しむ

    世界遺産に登録されているライン川中流域では、白ワイン、特にリースリングの生産が盛ん。
    主なぶどうの品種
    ● リースリング 
    ● ケルナー ● ミュラー・トゥルガウ
    www.mittelrhein-wein.com
  • 04ラインガウ Rheingau

    ラインガウ生産量:22万8381hl

    リースリングの里

    リースリングの原産地とも言われる ラインガウは、高級ワインの産地と して世界にその名を轟かしている。
    主なぶどうの品種
    ● リースリング
    ● シュペートブルグンダー
    www.kulturland-rheingau.de
  • 05ナーエ Nahe

    ナーエ生産量:27万hl

    ドイツ南西部の宝石

    ナーエ川とその支流に広がるこの 地域は、変化に富んだ土壌が多彩 な味わいのワインを生み出す。
    主なぶどうの品種
    ● リースリング
    ● ミュラー・トゥルガウ
    ● ケルナー
    www.weinland-nahe.de
  • 04ラインヘッセン Rheinhessen

    ラインヘッセン生産量:265万8417hl

    ドイツ最大のワイン生産地域

    リースリングの原産地とも言われる ラインガウは、高級ワインの産地と して世界にその名を轟かしている。
    主なぶどうの品種
    ● リースリング
    ● シルヴァーナー
    ● シュペートブルグンダー
    www.rheinhessenwein.de
  • 07プファルツ Pfalz

    プファルツ生産量:174万1720hl

    ドイツワイン街道が通る地域

    ワインの生産と共に豊かな食文化も発展した地域。ワイン街道沿いでは、ワイン祭りも多数開催。
    主なぶどうの品種
    ● リースリング
    ● ミュラー・トゥルガウ
    ● ケルナー
    www.pfalz.de
  • 04ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ Hessische Bergstrasse

    ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ生産量:265万8417hl

    一番早く春が訪れる
    ドイツワインの産地

    オーデンの森に隣接するこの地域は「ワインと花の街」ベンスハイムを中心に、温暖な気候。
    主なぶどうの品種
    ● リースリング
    ● ミュラー・トゥルガウ
    ● シュペートブルグンダー
    www.bergstraesser-wein.de
  • 09バーデン Baden

    バーデン生産量:136万9403hl

    全長400キロ、ワイン三昧

    ドイツ最南端、「ブルグンダー種の名産地」として知られ、赤ワイン用ぶどうの栽培面積は国内最大。
    主なぶどうの品種
    ● シュペートブルグンダー
    ● ミュラー・トゥルガウ
    ● リースリング
    www.badischerwein.de
  • 10ヴュルテンベルク
    Württemberg

    ヴュルテンベルク生産量:99万7076hl

    赤ワインの故郷

    ネッカー川とその支流、ボーデン湖沿いに広がるドイツ最大の赤ワインの産地。
    主なぶどうの品種
    ● トロリンガー
    ● ザムトロート
    ● フリューブルグンダー
    www.wwg.de
  • 11フランケン Franken

    フランケン生産量:35万8688hl

    ボックスボイテルが特徴的

    ボックスボイテルと呼ばれる特徴的なボトルに入った上質な白ワインが世界のワイン通を唸らせる。
    ボックスボイテル※撮影協力:デュッセルドルフの
    「D'VINE Restaurant & Weinbar」

    主なぶどうの品種
    ● シルヴァーナー
    ● リースリング
    ● バフース
    www.frankenwein-aktuell.de
  • 12ザーレ・ウンストルート
    Saale-Unstrut

    ザーレ・ウンストルート生産量:5万5300hl

    1000年の歴史を誇る
    ワイン文化

    ザーレ川とウンストルート川流域では、およそ1000年前からぶどう園が存在したと文献にある。
    主なぶどうの品種
    ● ミュラー・トゥルガウ
    ● シルヴァーナー
    ● リースリング
    www.natuerlich-saale-unstrut.de
  • 13ザクセン Sachsen

    ザクセン生産量:2万3425hl

    ドイツ最北のワイン産地

    エルベ川沿いの斜面にワイン畑が広がる。陶磁器で知られるマイセンが、当地のワイン発祥の地。
    主なぶどうの品種
    ● ミュラー・トゥルガウ 
    ● リースリング
    ● ヴァイス&グラウブルグンダー
    www.badischerwein.de


ドイツワインを楽しむためのキーワード

エチケット(ラベル)は、ワインの履歴書のようなもの。エチケットを読み解けば、産地や生産者、ぶどうの品種や味の傾向、品質等級など、ワインボトルに詰まったこだわりが一目瞭然!

代表的なドイツワインの種類

Weisswein
白ワイン
ロートリンク Rotling
ロートリンク
赤ぶどうと白ワインを圧搾して造る
赤ワイン Rotwein
赤ワイン
白ワイン Perlwein
パールワイン
ワインに炭酸ガスを注入したワイン
白ワイン Roséwein / Weissherbst
ロゼワイン
白ワイン Sekt
ゼクト
スパークリングワイン
秋限定! Federweißer
フェダーヴァイサー
ワインになる前の発酵途中の飲み物

品質等級

品質等級

味の傾向

Trocken 辛口
Halbtrocken / Feinherb 中辛口
Lieblich / Halbsüß やや甘口
Süß 甘口

その他、特別な表記

Classic 辛口ワイン(Prädikatswein)
Selection 最高級辛口ワイン(同上)
Großes Gewächs / Erstes Gewächs /Erste Lage 
一級畑から造られるワイン

極上のワインと出会う

特別な日にはちょっと奮発して、最高級のワインを味わってみませんか?
老舗ワイナリーのみならず、若手醸造家の台頭著しいドイツで高い評価を受けた、
今まさに旬のワインの探し方。

品評会で賞を受賞したワインを検索!

州単位での品評会で評価され、ドイツ全国品評会で金・銀・銅を受賞したワインを検索。
ワインの種類、産地、ヴィンテージなど、細かく検索条件を設定できる。
www.wein.de/2013weine.0.html

ゴー・ミヨのドイツワインガイド2013をチェック!

グルメ雑誌として知られるゴー・ミヨが毎年出版しているガイド「Gault&Millau WeinGuide Deutschland」。最高評価の「5房」を獲得すると、世界トップレベルのワイナリーと認められる。ドイツでは、モーゼルのエゴン・ミュラー醸造所、ラインガウのロバート・ヴァイル醸造所など、およそ10の醸造所が「5房」の評価を得ている。2013年の醸造者賞は、Weingut Dr.Hegerのヨアヒム・ヘーガー氏が受賞。
http://gaultmillau.de/weinguide

ワイナリーと出会う

ドイツ各地で開催されるワイン祭りや、ワイナリー が主催するオープンデーに参加すると、造り手と一緒にワインを選べ、希少なワインと出会える確率も高い。宿泊施設を提供している醸造所でのワイナリーステイも特別な体験に……。
※下記サイト内で、キーワード「ワイン祭り」を検索
www.germany.travel/jp

シュトラオホ一家の伝統と革新、生み出す極上の味
Weingut & Sektkellerei Dalbergerhof Strauch

ラインヘッセンの南に位置するヴォンネガウに、1545年から続く醸造所「ダールベルガーホーフ・シュトラオホ」がある。ここは、日照時間が年に1600時間と温暖な気候に恵まれ、国内でも特に多種多様なワインが造られることで知られている地域。その景観の美しさは、英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』でも雄弁に語られている。

1. すべての畑がオーガニック農法。丁寧にぶどうを育てる
2. シュトラオホ一家は、ワイン醸造と経営のエキスパート集団
3. 静かに出荷のときを待つワイン
4. バリック(木樽)の中で、ワインを熟成

伝統と革新は家族の絆で守られる

「ミルクとハチミツが流れる地」という異名を持つほど豊かな大地に、17ヘクタールのぶどう畑を所有するシュトラオホ一家は、 力強いボディーの本格的な赤ワインを生み出すカベルネ・ソー ヴィニヨン、メルロー、レゲント、アコロンなどの品種のみならず、すっきり辛口の白ワインに最適なリースリング、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、グラウ・ブルグンダーなどの品種を、オーガニック農法で栽培。ワインとゼクト、高級ブランデーを生産し、 品評会受賞の名ワインを多数生み出している。  

現在の当主であるハインフリート&ドリス夫妻は、「私たちは、確固たる信念を持って家族経営を続けています。祖父も孫も、世代を超えて1つのチームとして結束し、お互いに足りないものを補い合い、学び合うことの大切さを知っています」と、3世代、9人の家族が醸造所で重要な役割を担っていることを誇りに思っている。

ストーリーのあるワイン

老舗の伝統と職人の技を守りつつ、最新の技術や手法も積極的に取り入れ、ワイナリーの個の魅力を持つワインを造る。中でも、プレミアムブランド「Kurfürst von Dalberg」は、バリック(ワイン用木樽)でワインを熟成させ、特別な味を引き出している。熟成させる場所は、外部の影響を遮断するために作られた50㎡のピラミッドの中というこだわりよう。  

「各ヴィンテージに歴史と個性があり、『ストーリー』があります。そして我々の哲学、家族の絆が、そのストーリーにさらなる深みを与え、ワインを特別なものにしていると信じています」。 ボトルには、シュトラオホ家の情熱が詰まっている。

おすすめのワイン

2011 Plateau Gewürztraminer süß Kurfürst von Dalberg
(Mundus Vini BioFACH 金賞受賞 2013年2月)

2011 Plateau Gewürztraminer süß Kurfürst von Dalberg ゲヴュルツトラミネール(白ぶどう品種)の甘さを楽しむ、特別なワイン体験。明るいゴールドに輝く白ワインから立ち上る、甘い果実味と ローズの香りを存分にお楽しみください。1本10ユーロ。
※8-10℃でお飲みください。

Kurfürst von Dalberg
Weingut & Sektkellerei Dalbergerhof Strauch

Dalbergstr. 14-18, 67574 Osthofen
Tel: 06242- 91 300 0
Fax: 06242- 91 300 20
www.dalbergerhof.de

ワイナリー直営店
Kurfürst von Dalberg
Weinhaus Weinfinde
Bismarckstr. 90, 20253 Hamburg
Tel: 040-54801199 
このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください
※電話、メールは日本語対応

ドイツワインの魅力とは?日本窓口: クラインハーペル美穂さん
実は、こうしてドイツワインのお仕事を手伝わせていただく前までは、スペインワインのファンだったんです。しかし、ドイツワインの繊細さや、ドイツ人の職人気質から来るこだわりに触れ、1つひとつのワインに思い入れがあり、歴史があることを、ダーベルガーホフのワイナリーの主人や家族を通して知りました。ワインの奥深さ、面白さを日々実感しています。愛情を込めて造り上げている様子が、飲んでいても伝わってくるのがドイツワインの魅力だと思います。

ドイツでワイン造りに挑む日本人ワイナリスト
HIDE'S WINE"639" の浅野秀樹さん

ドイツでワイン造りに挑む日本人ワイナリスト

1. 完熟したリースリングは、すべて手作業で収穫する
2. 639を生み出す1ヘクタールの畑
3. HIDE'S WINE"639" の浅野秀樹さん

リースリング── それはドイツワイン界が世界に誇る白ぶどう品種。世界的に見れば決して広くはないドイツのワイン用ぶどうの栽培面積の中で、世界のリースリングの約60%が栽培されていると言う。ひと口に「リースリング」と言っても、その味わいは多彩で、栽培地域の特色、造り手の個性がダイナミックに味わいに影響を及ぼす。そんな繊細で奥深いリースリングの魅力に、どっぷりはまったのが浅野秀樹さん。  

ニアシュタイン村
ニアシュタイン村

浅野さんがオリジナルワインを造っているのは、ラインヘッセンのニアシュタインという村。知る人ぞ知る、リースリング の名産地だ。世界最高級のリースリングを生み出す当地の1級畑「ヒッピング」に、1ヘクタールのぶどう畑を借りている。

神の域を超えないワイン造り

2001年に渡独した浅野さんは、ドイツの栽培・醸造学校を卒業後、2005年にHIDE'S WINE"639" を立ち上げた。自然 と調和するライフスタイルのあり方を求めて、シーカヤックでの遠征など、アウトドアに情熱を傾けていた浅野さんが、ワイン造りと出会ったのは必然のことだったのか、浅野さんに最高のリースリングの造り方を伝授し、惜しげもなく畑の一等地を貸してくれたバルター・シュトゥルブ氏(Weingut STRUB)との縁が運命だったのか、ライン川沿いのこの地で、天職を見付けた。  

ステンレスタンクで熟成中
ステンレスタンクで熟成中

浅野さんが目指すワイン造りとは、「神の域を超えない」もの。 「639を飲むと、ニアシュタインの気候が分かる、そんなワインになると良い」と、自然の力を信じたワイン造りを実践。だか ら、毎年味が変化することもいとわない。「造り手ができること は、ぶどうのポテンシャルを引き出すことだけ」と、ぶどうが育った背景、 気候がそのまま味わいとして表現されるようなワインを生み出す。  

「639は、もちろん僕1人で造ってるわけではなく、スタッフや畑を手伝いに来てくれるたくさんの人の手が掛かっています。大多数の人は、好きで畑仕事を手伝ってくれている。彼らの気持ち、モチベーションの高さが、ワインにも影響を与えていると思います」。究極の1杯ではなく、その年の精一杯を求める誠実な手仕事が、ワインの味を決定付ける。

ドイツワインの現在地

ステンレスタンクで熟成中
タンクがある地下へ続く扉

10年以上ドイツのワイン界に身を置いている浅野さん自身、ここ数年のドイツワインを取り巻く変化を感じている。まず、「気候が良くなって、糖度の高いぶどうが収穫できるようになってきました。だから、辛口でも美味しいワインが造れる」と、環境の変化が1つ。そして、「現代の豊かなライフスタイルの中で育った若い醸造家たちが、ワインにも豊かさを求めるようになってきた」。彼らが、質の高い個性的なワインをドイツで次々に生み出し、小さな革命を起こしている。

おすすめのワイン

2011 Hide’s Wine 639SF
正式名 Niersteiner Hipping Riesling Spätlese feinherb

2011 Hide’s Wine 639SF2011年産の639(写真右)。世界の市場を動かすワイン評論家ロバート・バーカー氏からも高評価を得た。深いコクと豊かな果実味、ニアシュタインの気候が生み出す豊かなリースリングの味わいが広がる。

HIDE`S WINE639
HIDEKI ASANO c/o Weingut STRUB

Rheinstr. 42, 55283 Nierstein
Tel: 06133-573086
www.hide-wine.com 
facebook.com/wine639

 
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