Adeni

旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 東京生まれ。看護師をへて、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール」(タビール)をライフワークに、世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールに惚れ込み1年半ドイツで生活したことも。『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『BRUTUS』(マガジンハウス)など、さまざまなメディアで活躍中。
www.jbja.jp/archives/author/kogo

松ぼっくりが導く黒い森の一杯

ドイツ南部に位置するロートハウス醸造所(Badische Staatsbrauerei Rothaus)は、フランスとスイス国境近くに広がる黒い森(シュヴァルツヴァルト)を代表する醸造所。1791年にベネディクト会修道院に付属した醸造所として創業し、バーデン大公国の所有をへて、1918年のドイツ革命以降はバーデン=ヴュルテンベルク州立醸造所として、今日までビール造りを続けてきた。

黒い森は南北約160キロに及ぶ広大な森林地帯で、その名の通り針葉樹の暗い色の森が連なる地域だ。いくつもの街や村が点在し、地域ごとに特色のある文化を築いてきた。ロートハウス醸造所は森の中心部、標高約1000メートルの地に位置する。敷地内に七つの湧水源を持ち、その清らかな森の水がビールの仕込みに使われている。

代表的なビールは「Tannenzäpfle」(タンネンツェプフレ)。ドイツ語で「松ぼっくり」を意味する。ただし、これはドイツに多いヨーロッパトウヒの松ぼっくりではなく、アカトウヒのもの。醸造所名の「Rothaus」と、アカトウヒを指す「Rottanne」の響きが近いことから採用されたとされる。ボトルには当地の民族衣装を着たキャラクター。彼女は「Biergit Kraft」(ビアギット・クラフト)と呼ばれており、ドイツ南部地方の方言であるアレマン語の「Bier git Kraft」(ビールは力を与える)にちなんだ言葉遊びだ。

グラスに注ぐと、青々とした葉っぱをすりつぶしたかのような香りが立ち上がる。麦芽の味わいに厚みがあり、ホップのグラッシーな苦みをしっかりと受け止めている。力強いのに飲み飽きないバランスの良さ。黒い森の豊かな自然や伝統を感じ取ることができる。

2026年の今年、タンネンツェプフレの醸造を始めて70周年の節目を迎え、さまざまな記念イベントが予定されている。公式サイトをチェックしながら、黒い森を「旅ール」してみてはいかがだろうか。

vol.109
Rothaus Pils Tannenzäpfle

スタイル:ピルスナー
原材料:大麦麦芽、ホップ
アルコール度数:5.1%

Rothaus Pils Tannenzäpfle

醸造所名 Badische Staatsbrauerei Rothaus AG(ロートハウス醸造所)
創業年 1791年
住所 Rothaus 1, 79865 Grafenhausen
その他のラインナップ Weizenzäpfle、Eiszäpfle、Schwarzwald Zäpfle naturtrüb、Tannenzäpfle Alkoholfrei
URL www.rothaus.de
●通販可
 
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