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旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978 年東京生まれ。看護師を経て、旅するビアジャーナリストに転身。旅とビールを組み合わせた「旅ール」(タビール)をライフワークに、世界各国の醸造所や酒場を旅する。ドイツビールにほれこみ1 年半ドイツで生活したことも。「ビール王国」(ワイン王国)、「ビールの図鑑」(マイナビ)、「BRUTUS」(マガジンハウス)など、さまざまなメディアで活躍中。
www.jbja.jp/archives/author/kogo

ホップの里で伝統と革新のビール文化を味わう

プファッフェンホーフェン・アン・デア・イルムは、南ドイツはバイエルン州にある人口2万7000人程度の小さな街。世界最大のホップ産地、ハラタウ地方の中心に位置する。ミュラー醸造所は、この豊かな資源に恵まれた街にある家族経営の醸造所だ。起源は1618年にさかのぼり、1775年にミュラー家が正式創業。現在は7代目のマヌエル・ミュラー氏が経営を担う。自社栽培のホップ、厳選したバイエルン産の麦芽、敷地内の井戸水を使用し、伝統製法と最新設備を融合。さらに太陽光発電やバイオマス熱源などの再生可能エネルギーを導入し、持続可能な醸造に力を入れている。

創業から250年目となる2025年を前に、昨年には街の中央広場に隣接する伝統的な建物を改装し、醸造レストラン「Sudhaus」を開設。ガラス窓越しにピカピカの醸造設備を眺めつつ、出来たてのビールと、地元郷土料理や南チロル料理を味わうことができる。醸造過程の見学も可能。インダストリアルな醸造設備と、木製テーブルとの対比がスタイリッシュな雰囲気を出している。

広場を挟んで反対側には、直営のホテルとレストラン、ビアガーデンも。店は明るい時間帯から地元常連客や観光客でにぎわう。こちらはすり減った床板や古い暖炉が、街の長い歴史を感じさせてくれる。伝統、地域性、現代性を併せ持つミュラー醸造所では、バイエルンらしいビール文化を体感できるのだ。

今回ご紹介する「Gold Export」は、長距離輸送時の保存性を高めるためにアルコール度数とホップの使用量を増やして醸造されていたことに由来する「エクスポート」というビアスタイル。アロマホップ品種のパールと自家栽培ホップを組み合わせることで、牧草やライムを連想させる爽やかな香りを出している。麦芽の素朴な甘味、穏やかなホップの苦み、そしてキリリとした飲み応えのバランスが良いビールだ。

www.muellerbraeu.com

vol.105
Gold Export

Gold Export

 
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